2016.08.25

【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック

「映像と曲は手を結ぶ」

当館のあるスタッフは、ジャ・ジャンクー監督の『世界』という作品のエンドロールで流れている曲がお気に入りだそうです。その曲が使われている予告編が最近ネットで見られるようになったらしく、何度も見てはその曲への熱意を高ぶらせ、廃盤であるにもかかわらず何とか探し出し、ついにサントラを購入していました。そんな彼を横目に私もその予告編を見てみたのですが、予告自体も台湾のミュージシャン、リン・チャンという方の曲とジャ・ジャンクー監督の映像とあいまって格好良いのです。

そういえば、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の予告で流れる音楽も映像とあいまってとても格好良いんです。ナールズ・バークレイの「Crazy」という曲なのですが、この曲、意外とほかの映画の中でもよく使われています。マイ・フェイバリット監督のひとり、リチャード・リンクレイターの『6才のボクが、大人になるまで。』でも使われており、「お!この曲は!」と思ったのですが、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でも使われていました。どちらもある時間、ある期間を切り取っている映画だと思うので、その時代を象徴する曲として映画に使われていたんだなあと、今更ながらしみじみと思いました(「Crazy」は2006年にUKチャートで9週連続1位)。他には『キック・アス』でも使われており、レッド・ミストとキック・アスがドライブするシーンでカーステレオから流れているその曲に体を揺らしています。

同じように、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」もよく映画の中で私が遭遇する曲だと思います。ウェス・アンダーソン監督の『ライフ・アクアティック』、それからベルナルド・ベルトルッチ監督の『孤独な天使たち』、私の大好きなベン・スティラー主演・監督の『LIFE!』と劇中でも印象的に挿入されていたのでとても記憶に残っています。こちらの曲はどちらかといえば、曲自身がフィーチャーされているような使われ方だったと思います(『ライフ・アクアティック』では曲中のフレーズにあるカウントダウンを巧みにギャグにしていますが)。映像と音楽がバシッとかみ合うと、どちらの魅力もより良くなるのだなあと思いました。

(ジャック)