2019.01.10
【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック
「私の好きな“映画に使われていた音楽”2018」
突然ですが去年観た中で、個人的に印象的に残っている「映画に使われていた音楽」をざっくりとピックアップしてみたいと思います。
「なんて音圧なんだ!」と思ったのはやはり『ポーラX』です。上映初日に映写チェックのため冒頭を軽く試写したのですが、圧倒的な音の迫力に興奮したのを覚えています。明らかに大きめにミックスされた冒頭の「The Time Is Out Of Joint!」という曲だけでなく、劇中曲を担当したスコット・ウォーカーの凄さをガツンと思い知らされたのでした。
思わぬところで良い曲に出会ったのは『ローガン・ラッキー』のエンドロールで流れていた「Flashing Lights」という曲です。ギターがカッコいいなと思ったらLed Zeppelinのメンバーである大スター、ジミー・ペイジ、さらにメンバーであるジョン・ボーナムが参加しています。この曲でボーカルを担当したスクリーミング・ロード・サッチという人物も、調べると面白い人物で、なんだかお土産をいっぱいもらった気分でした。
去年観たベスト映画であるペドロ・コスタ監督の『何も変えてはならない』。女優であり歌手でもあるジャンヌ・バリバールの歌にも冒頭から魅了されました。同映画でギターを弾くロドルフ・バーガーのシンプルなのに空間が埋め尽くされていくようなギターも、とても素晴らしいと思いました。そういえばマチュー・アマルリックが監督し、ジャンヌ・バリバールが主演した『バルバラ セーヌの黒いバラ』も去年公開しましたね!
他には『タクシー運転手』で使われていた、チョー・ヨンピルの「おかっぱ頭」という曲。二つの意味で「ソウル」フルなこの曲が、冒頭すぐに流れるので映写チェック時には毎回楽しみでした。本編では韓国語で歌っていましたが、調べてみるとなんと日本語バージョンもあり、こちらのバージョンだとほんのりトロピカル要素もプラスされていて好みです。
と、駆け足にピックアップしてしまいましたが、多くの素晴らしい曲と出会えました。自分の守備範囲からかけ離れている音楽を聞ける機会というのはなかなかありません。映画を観ながら、新しいジャンルの音楽を開拓できるのはなんて贅沢なことなのでしょう。
※楽曲収録アルバム
『Pola X』Scott Walker(1999)
『Lord Sutch And Heavy Friends』Lord Sutch And Heavy Friends(1970)
『Paramour』Jeanne Balibar(2003)
『窓の外の女』チョー・ヨンピル
(ジャック)