2020.12.10
【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック
「ポルトガルのミュージシャン」
今週、早稲田松竹で『ポルトガル、夏の終わり』を上映しているからでしょうか(?)個人的にとあるポルトガルのミュージシャンへの想いが再熱しています。昨年の初めにディスクユニオンさんのレーベル「FUJI INTERNATIONAL」から再発されたCD、Carlos Maria Trindade / Nuno Canavarro名義の『MR. WOLLOGALLU』というアルバムがとても素晴らしいのです! (ちなみに私はディスクユニオン高田馬場店で購入しました)。アコースティックギターの音、シンセサイザーの音など、様々な音が落ち着いた雰囲気の中繰り返されていくのですが、それがなんとも心地よいのです。夢心地というよりは、具体的な風景やものを想像させるような音楽に感じるのですが、いざ想像しようとするとはっきりと思いつかないような。地図を広げてみて「このあたりの音楽かな」と指さしてみても、なんだかしっくりこないような不思議な音楽です。何度聞いてもやはり聴き入ってしまいます。
さて、調べてみるとCarlos Maria Trindadeというミュージシャンは1994年にポルトガルの民謡・ファドの影響を受けているバンド、Madredeusに加入しているようです。こちらのグループはヴィム・ヴェンダース監督作の『リスボン物語』でフィーチャーされたのですが、Carlos Maria Trindadeが加入したのは映画の撮影後のようです。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』といい、『リスボン物語』といい、ヴェンダース監督は本当に音楽が好きなんですね。
また、もう一人のNuno Canavarroのことは実は知っていました。ジム・オルークというミュージシャンのレーベル「Moikai」から再発された『Plux Quba』というアルバムの印象が強く残っていたので、この人の名前を見て『MR. WOLLOGALLU』のCDを買うことを決めました。
こちらのミュージシャンも調べてみると、ポルトガルのいくつかの映画の音楽を手掛けているようなのですが、驚いたのはなんと2008年、2015年に短編映画の監督もしていたようです! 現時点では動画サイトでトレーラーを見ることができるのですが一体どんな映画なのだろう…。しかし、近年短編を監督しているということは、もしかして映画制作にも興味があるということでは。いずれ長編を監督し、それが評価されて日本でも公開されるなんてことがあるのかもしれません。そんなことがあったら是非観てみたいなぁ、と思いました。
『MR. WOLLOGALLU』(1991)
Carlos Maria Trindade / Nuno Canavarro
(ジャック)