2020.10.01

【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック

「映画でよく耳にするDavid Bowieの音楽」

先週まで上映していました『ジョジョ・ラビット』『スウィング・キッズ』。戦中という過酷な状況下で懸命に生きる人たちを描いている映画なのですが、私の中で印象的だったのはどちらの作品もDavid Bowieの曲が使われていることでした(The Beatlesも使われていましたが今回は省略します)。『ジョジョ・ラビット』ではラストシーンからエンドロールにかけて「Heroes」(ドイツ語版)という曲が、『スウィング・キッズ』ではダンスシーンで「Modern Love」という曲が流れます。

この二つの曲、実はかなり多くの映画に使われています。「Heroes」という曲はスティーヴン・チョボスキー監督の『ウォールフラワー』を思い出します。エマ・ワトソンが走る自動車の荷台の上で手を広げているところでこの曲がラジオから流れています。何か漠然としていながらも、面白いことが始まるのかもしれないという高揚感に溢れていました。『ジョジョ・ラビット』のラストシーンも同じような高揚感がありましたね!

「Modern Love」はもちろん、レオス・カラックス監督の『汚れた血』です。ドニ・ラヴァンが疾走するあのシーンのインパクトはやはり記憶に焼き付きます。抑えきれないエネルギーの爆発とスピード感、そういえば、こちらもラジオから流れてきていました。『スウィング・キッズ』でもこの曲を背後にダンスしているのですが、激しい動きや動作にこの曲が合うのかもしれません。

ところでどうやら、カラックス監督の『ボーイ・ミーツ・ガール』にもDavid Bowieの音楽が使われているようです。あれ? 使われてたっけ? と調べてみると「When I Live My Dream」という曲が使われています。この曲はまさかのアルバム第一作目に含まれていた曲で、不勉強な私は一聴してDavid Bowieだとわかりませんでした。それと同時にカラックス監督のDavid Bowieファンぶりにも驚いています。まさかファーストアルバムから曲を使うとは!ちなみに『ボーイ・ミーツ・ガール』でもドニ・ラヴァンがヘッドホンで聴いているのですが、音楽は流れたままシーンが変わってタップダンスに…。カン・ヒョンチョル監督、カラックスファンだったのか! なんて妄想しています。

「When I Live My Dream」-『David Bowie』(1967)
「Heroes」-『Heroes』(1977)
「Modern Love」-『Let’s Dance』(1983)

(ジャック)