2023.06.29
【スタッフコラム】この推しスター! byパズー
今月の推し「デイヴ・バウティスタ」
ゲームやコミックの映画化が多くなった昨今のハリウッドでは、常人離れした体躯を活かして、プロレスや格闘技など異業種出身の“マッチョ系”俳優が年々存在感を増している気がします。その中で今最も注目を集めているのが、今回の推し、デイヴ・バウティスタさんです。全身タトゥーに完璧な逆三角形体型、道ですれ違ったらちびり上がりそうなド迫力の見た目です。
アメリカのプロレスリーグ・WWE出身のバウティスタ。20代はクラブの用心棒として働いた苦労人で、30歳の時にプロレスラーデビュー。遅咲きながら計6度も世界チャンピオンに輝き、一時代を築く大スターとして君臨しました。
WWE出身の俳優といえば、“世界で最も稼ぐ俳優”である「ロック様」ことドウェイン・ジョンソンが有名です。しかしバウティスタの俳優キャリアは彼とはちょっと違います。スターとしての肩書きを一切捨てて俳優の道に進んだバウティスタはなかなか目が出ませんでした。それでも脚本を吟味し、出演作品を慎重に選ぶことをやめなかったそう。それは、彼曰く「映画スターになったレスラーではなく、レスラーだった俳優」として扱われたいから(ロック様に対しての対抗心をメラメラ感じます)。自宅を抵当に入れるほど崖っぷちに立っていた時、やっと掴んだのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役でした。
私がバウティスタを知ったのもやはりこの作品。肌の色の特殊メイクは施されているものの、ありえない本物の筋肉量に“レスラーってすげぇ~!”と驚き。しかし次に観た『ブレードランナー2049』でのバウティスタにはいい意味で裏切られました。眼鏡にYシャツの研究者風の出で立ちでマッチョは封印。登場は1シーンながら、繊細な演技で同じ人にはとても見えませんでした。
脚本を選んでいるという言葉通り、最近も『DUNE/デューン 砂の惑星』や『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』など出演作は面白いものばかりですが、そんな彼にとって、おそらく一番の挑戦作だったのではないかと思うのが、当館でも7/1(土)から上映する『ノック 終末の訪問者』です。鬼才M.ナイト・シャマラン監督だけあって、かなりクセが強いスリラーですが、バウティスタの外見の屈強さと内面のナイーブさのギャップが最高に活かされている役なのです。というか、こんなにもバウティスタが出ずっぱりの作品は初めて観たかも? 必見でございます!
インテリジェンスを感じさせる肉体派という、いそうでいなかったジャンルを開拓しているバウティスタ。プロレスでトップにまで上り詰めたように、これからも役者道を極めていくであろう彼は要チェックです!
(パズー)
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