2024.07.04

【スタッフコラム】馬場・オブ・ザ・デッド by牛

夏本番も間近になりましたね。ハイパー汗かきの私ですが、最近手ぬぐいの良さに気が付きました。タオルやハンカチに比べて、かさばらず乾きやすい。そして柄も多種多様でカワイイ。汗かき仲間に教えてもらい、夏に向けてちまちまと集めていました。そんな私の手ぬぐいコレクションの中でもお気に入りは、妖怪柄のもの! 日本の夏と言えば、やはり妖怪だろう。心なしか手ぬぐいからマイナスイオンを感じます。ということで、今回は、ひんやり涼し気な「妖怪」映画をご紹介します。

まず、誰しもが妖怪と聞いて真っ先に思い浮かべるのは水木しげる先生の存在ではないでしょうか。最初にご紹介する作品は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023)です。水木先生の生誕100年を記念して制作された通称“ゲ謎”は、公開後SNSを中心に大変話題になりました。公開時、子供向けアニメの延長と思い正直ナメていたのですが…全くの大人向け作品ではありませんか。本格的なサスペンスとじっとりとした嫌~な雰囲気のある世界観。それに、大人でも思わず「イヤッ」と声を上げてしまうような惨劇にひんやりと肝が冷えてしまいました。全編を通して本格的なホラー作品になっていますが、その中で唯一の癒しといえば、お馴染みねずみ男…ではなく「ある謎の少年」として登場するねずみ男にそっくりな少年。怖いだけでない妖怪たちの魅力も◎です。

次にご紹介する『夜叉ヶ池』(79)は、名匠・篠田正浩監督による作品。幻想文学作家・泉鏡花の戯曲を映画化した作品で、当時歌舞伎界を一世風靡していた坂東玉三郎が村人と竜神の二役を演じて話題になりました。当館でも2021年末に上映したので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。この作品の見どころといえば、玉三郎様演じる竜神の仲間である妖怪たちの個性豊かなこと。幻想的…とはまさにこのことなのか、現実世界と妖怪の世界が入り混じる不思議な光景に思わず恐れ慄いてしまいます。最大の見どころであるクライマックスでは、村を飲み込む大洪水シーンに加え、妖怪たちが天に消えていくところまですべてが夢のよう。ちなみに、このシーンに50トンの水が使われたり、南米イグアスの滝でのロケが行われたりと、本当に嘘みたいな奇跡の作品です。まさに納涼・暑い夏にピッタリで非常におすすめです。

実はまだまだ紹介したい妖怪映画があるのですが、長くなってきましたので、今回はこのあたりにしておきます。夏が終わってしまうかもしれませんが、次回妖怪映画作品part2へと続きます!

(牛)