2017.10.19
【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック
ネッド・ドヒニーの不思議な魅力
何か奇抜なことをやっているわけではないのに、妙に目にとまってしまう音楽があります。それは彼らが持っている声の特徴なのでしょうか。はたまた音の微妙な間の違いが私の注目を惹きつけるのかわかりません。そんななんとも説明できない不思議な魅力を持ったミュージシャンといえば、私の中ではネッド・ドヒニーというミュージシャンの名前がまず浮かんできます。
アコースティックギターの音色、高い声、ソウルフルなアレンジと、カリフォルニア出身らしい爽やかでありながらどこかセンチメンタルな楽曲が心に染みます。セカンドアルバムである「ハード・キャンディ」を聞いた時から虜になってしまい、私の散歩するときのハードリピート曲となっています(自動車を持っていたら車内で聞きたいですね)。
さて、どうやら調べていると、このネッド・ドヒニーはカリフォルニア州ビバリーヒルズの大富豪の家系らしく、映画のロケ地として有名な豪邸ドヒニーマンションを建てた石油王エドワード・L・ドヒニーのひ孫にあたるそうです。『ゴーストバスターズ』や『X-MEN』、そして個人的に思い入れのある『永遠(とわ)に美しく…』(あの豪邸か!)などで使われているそうです。またエドワード・L・ドヒニーはポール・トーマス・アンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のモデルとなった人物でもあるそうで、ネッド・ドヒニーの音楽からは全く想像できないような関係性に驚いてしまいます。
ちなみにネッド・ドヒニーの楽曲はあまり映画に使われていないようです。私が調べた限りだとゲイ役のジョン・ハートとライアン・オニールのコメディ映画『パートナーズ』(1982・劇場未公開)やチャニング・テイタムの男性ストリッパー映画『マジック・マイク XXL』には使われているようで、何ともあくの強い映画たちに選ばれていて、これまた驚きます。彼を取り巻く環境や、影響ですらどこか不思議な魅力をもった希有なミュージシャンだと思っています。
「Hard Candy」Ned Doheny
(ジャック)