2021.07.28

【スタッフコラム】へんてこコレクション byすみちゃん

突然ですが、皆さんは光るおもちゃは好きですか? お祭りの時の夜店や駄菓子屋で突如として現れる、光らせる以外に用途のないあの光るおもちゃ。どんなに暗い気持ちでも、突然視界がカラフルになり、キラキラと彩られる瞬間が誰にでも訪れるから、わたしはとても大好きです。特に、フラッシュポンポンボールヨーヨー(通称:うにうに)という、ゴム素材でできているトゲトゲの生えた顔のヨーヨーが大好きで、ヨーヨーのようにポンポンすると光るだけのおもちゃなのですが、瞳孔の開いた目とにっこり広角の上がった口がとても可愛いのです。(気になる方は是非検索してみてください!)光るおもちゃは日本だけではなく世界中にあるみたいで、それを知ったのはなんと映画からでした。そこで今回は、光るおもちゃの登場する映画をご紹介します。

ツァイ・ミンリャン監督の『黒い眼のオペラ』では、とても幻想的なシーンで光るおもちゃが出てきます。ファイバーの集まりが花のようにふわっと広がり、その根元からカラフルな光が照らすおもちゃで、見るだけでとてもハッピーな気持ちになります。商品名は定かではありませんが、光るファイバーライトと調べてみると、似たような商品が出てきました。キャストのチェン・シャンチーさんのインタビューによると、あの光るおもちゃは監督がたまたま道端で見つけたものなのだとか。映画のシーンでも、シャオカンが道端で売られている光るもちゃを買ってシャンチーにプレゼントします。一緒にいる二人の時間が、突然のプレゼントによりかけがえのない一瞬になり、あらかじめ用意したプレゼントではなく、用途不明のプレゼントだからこそ、より一層そこでの思い出が付随して特別な時間のように見えます。

そして光るといえば…そう、ディアオ・イーナン監督の『鵞鳥湖の夜』で出てくる光るスニーカーではないでしょうか。尾行するシーンで出くわす光るスニーカーを履いて淡々とダンスをする人々がいる光景が、何とも印象的です。日本だと光るスニーカーは子供たちが履いている印象がありますが、韓国や中国では大人たちの中で流行したこともあるそうです。光るスニーカーはLEDでなおかつUSBで充電可能だそうですよ! 知りませんでした! 実はこの映画でも、『黒い眼のオペラ』で登場する光るファイバーライトのおもちゃが登場します。私は「あ、あのおもちゃやっぱり欲しい!」という個人的な思いを馳せながら鑑賞していました。ディアオ・イーナン監督の作品は、おもちゃにとどまらない多くの光が登場しますね。街や人が光に照らされると、いつもとは違う一面が見えるような気がします。夜という誰もが背景に溶け込むような時間帯に街灯に照らされたり、スマホで顔だけ明るくなったりしている人を見るだけで、自分の知らない暮らしが今ここにあるのだという発見があります。光は、もしかしたら人の生活を静かに見守り、見出す力があるのかもしれません。

家が停電した時、懐中電灯が見つからず、苦し紛れにフラッシュポンポンボールヨーヨーをポンポンし続けた夜が私にはありました。暗い気持ちになったときに、爆音で音楽をかけながらミラーボールで部屋を照らした夜もありました。どんな夜でも光が照らされる瞬間は、ちょっと嬉しくなりますね。

(すみちゃん)