2018.05.10

【スタッフコラム】うどん粉デザインばなし byうどん粉くん

みなさんは映画を観るとき、制作会社や配給会社のタイトルロゴが気になったことはありませんか? 本編が始まる前に流れるアレです。予告も終わっていよいよ映画が始まる直前、観客全員がスクリーンに集中するあの瞬間が僕は大好きです。最近は、本編と大差ないクオリティのものが増えてきて、「まだタイトルロゴだったのか!」と、フェイントをかけられてしまうことも多々あります。また大手会社の定番タイトルロゴが、作品に合わせていつもと一味違うテイストになっていたりすると、観ているこちらのテンションも高まりますよね。

そんなタイトルロゴを使って、ぼくが密かに楽しんでいることがあります。その名も、タイトルロゴ・イントロドン! 最終的に制作会社や配給会社の名前が出る前に、どの会社なのかを当てるのです。よく目にしているはずなのに、パッと浮かばなかったりして、これが意外と難しい。しかも、アニメーションがときどき様変わりしていたりして、なかなか侮れません。早稲田松竹で働いて数多くのタイトルロゴを見てきているので、けっこうな正答率だと自負しております! まあ、だからといって役立つ場面は特にないのですが (笑)。

ちなみに、僕の好きなタイトルロゴは、「スコット・フリー・プロダクションズ」。現在当館で上映している『ブレードランナー』の監督リドリー・スコットと、今は亡き弟トニー・スコット監督が立ち上げた制作会社です。暗闇からぬぅ~っと出てきた男が、何かから逃げるように走り去り、最後は鳥に変身するという不思議なアニメーションなのですが、どこか寂しそうなその男の姿が印象的で、なぜか心に残ります。このアニメーションを手掛けているのは、ジャンルイジ・トッカフォンドというイタリアの短編アニメ作家。90年代には日本のアパレル会社のCMも作ったこともあるので、作品を目にした方もいるかもしれません。独特な絵の具のようなタッチで描かれる、ブラックユーモア漂う作風は一度観たら忘れられないはず。『ブレードランナー2049』でも、このタイトルロゴが本編後に流れるので、ぜひチェックしてみて下さい。

(うどん粉くん)