2022.03.03

【スタッフコラム】この推しスター! byパズー

今月の推し「ベニチオ・デル・トロ」

先日、ウェス・アンダーソン監督待望の新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を観ました。ティモシー・シャラメ、ティルダ・スウィントン、オーウェン・ウィルソンなど以前このコラムでもご紹介した大好きな俳優たちが目白押しでテンション上がりっぱなし。その中でも特に印象に残ったのが、異常なほどフェロモンがダダ漏れていたベニチオ・デル・トロでした。ベニチオの出演はウェスの念願だったそうで、服役中の凶悪犯で天才画家というすごい役柄ですが、ウェス作品のマジカルな雰囲気の中でひときわ輝いていました。

プエルトリコ生まれでスペインとイタリアの血を引くラテン系のベニチオ・デル・トロ。カリフォルニアの大学在学中に演技に目覚め、80年代後半から活躍し出しました。まだまだ無名だったベニチオが注目を浴びたのが95年の『ユージュアル・サスペクツ』。長身赤シャツの印象は強烈でした。メインビジュアルにもなっている、容疑者たちが並んでセリフを言わされる有名なシーンでは、他の俳優が笑うのを必死に堪えているのですが、それはベニチオがおならをしたからだそう。そのテイクが採用されるのもすごいですよね。

その後は今日までスター街道を突き進んでいるベニチオ。といっても、ハリウッド大作だけでなくインディペンデント系の作品にも出続けているのが素敵なところ。主演でもちょい役でも唯一無二のインパクトを残しているので1本挙げるのが難しい…。チェ・ゲバラを演じた『チェ 28歳の革命』『チェ39歳 別れの手紙』2部作は、キャリア的にも油が乗っている時期で代表作にふさわしい熱演でした。

2000年代は日本でも熱狂的なファンが多くいて、来日した際には女性に腕を噛まれてしまう事件まで発生。私は覚えていないのですが当時は「トロ様」と呼ばれていたそう。トロ様って…。さらにベニチオといえば、2012年に100歳で亡くなった巨匠・新藤兼人監督の大ファンであることも有名です。2011年にベニチオたっての希望で対談が実現。その様子はアメリカでドキュメンタリー番組として放送されました。背の大きいベニチオが身をかがめて新藤監督の話を一生懸命聞いている姿は熱いものを感じます。

プライベートでは2011年に娘が生まれていますが、子の母親キンバリー・スチュアートとは当時恋人関係ではなかったことも話題になりました。現在55歳で独身、フェロモン顕在なのも納得です。今後も巨匠オリバー・ストーンの作品など様々なプロジェクトが動いていて、フットワークの軽さでたくさん活躍してくれること間違いナシですね♪

(パズー)

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