2020.10.15

【スタッフコラム】二十四節気・七十二候とボク by上田

二十四節気:寒露(かんろ)、次候:菊花開(きくのはなひらく)

朝晩には冷える日も多くなってきましたね。寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のこと。これから紅葉が濃くなるとさらに冷え込んで、露が霜に変わっていきます。都会では草の上を歩かないのであまり頻繁には観ませんが霜の降りた早朝の庭はとても綺麗ですよね。

菊の花は日本の伝統的な花というイメージが強いですが、元来は鑑賞用として中国から伝わってきたものだそうです。伝統的に天皇家が使用してきたことから、パスポートにも使用されている菊紋は国章としても知られています。菊は鑑賞用の品種改良が盛んなため6000種以上も存在しており、2000年代に登場し世間を賑わせた「青いバラ」と同様、2017年に世界で初めて「青いキク」も生み出されました。市販は噂されていながらもまだ実現はしていないようですが、いつの日か近くの花屋さんで買える日が来るかもしれません。

今週末には全国的に紅葉が見頃を迎えるらしく、随分とニュースで話題になっている「Go to トラベル」を利用して行楽の予定を立てる人も多いのではないでしょうか。しかも今年は猛暑でしたがそこまで葉焼けもせず、雨も少なくなかったことと一気に気温が下がったことで綺麗に紅葉すると聞きました。紅葉が昼と夜の気温差や日照時間に反応して、樹木が自ら葉に養分を送り込むのをやめるということを始めて知ったときは、まるで最後の命を絞るように赤く染まる紅葉に神秘的な力を感じました。

高校の修学旅行で軽井沢に行ったときにそうした内容の作文を書いたことがあります。雲場池という池の周りの紅葉があまりにも綺麗で、昼だけでは飽き足らず友達と夜中に抜け出して深夜にも見に行った覚えがあります(ばれてません)。文章を書くのが好きになったのもその時期だったので、その作文にも思い入れがあり、私は綺麗な紅葉を見るたびにそのことを思い出してしまいます。夕焼けや紅葉の写真をしょっちゅう撮っていたことも今に続いている趣味ですし、あまり自覚していませんでしたが大きな体験だったのかもしれません。いつかまた行ってみたいな。

(上田)