2025.04.03
【スタッフコラム】へんてこコレクション byすみちゃん
ここ最近、個人日記映画を連続して観る機会がありました。日々の風景や家の中の様子などがカメラで簡単に撮影できる昨今なので、手軽に同時代に生きる人のリアルな生活を見ることができる不思議な時代だよなぁと改めて感じます。また、個人映画ではカメラのブレでエモーショナルさが表現されるので、固定で撮影される美しいショットとはまた違った人間臭さがあってとても好きなのです。ですが、ここ最近、そのブレに酔うのです…!撮影者が走ると画面も上下に揺れ、部屋を移動するとサイドにぐわぁんと画面が歪み、あぁぁぁあああ~~やめてぇぇぇぇ~~と、思わず目を細めてしまいます! なんて悲しいのでしょうか! ブランコに乗って酔うようになって以来の、第二次三半規管ショックです!
そこでわたしは三半規管を鍛えるべく、ネットで調べてみることにしました。すると、手軽にすぐ始められそうな方法として、後ろ歩きが効果的だということを知ったのです! そして後ろ歩きトレーニングをこっそり夜の公園で決行することに(怪しい)。夜の公園、後ろ歩き…そういえば、夜の公園を後ろ歩きするへんてこ映画があることを思い出しました。ダミアン・マニヴェル監督の『パーク』という映画では、日中の公園で若者2人が恋に落ちていく姿が描かれた後、ひとりだけその場に残り、さっきの雰囲気とは違う夜の公園で、後ろ歩きをし始めます…! 同じ場所にいても時間が変わるだけで別の世界になるのが魅力的で、とても好きな映画です。いざ『パーク』を思い出しながら公園で後ろ歩きをしてみると、地面の高低差に翻弄され、思わず木にぶつかりそうになりました。この映画でスムーズな後ろ歩きをする、主人公ナオミの並行感覚には驚いてしまいます。演じるナオミ・ヴォクト・ロビーさんは、なんとサーカスのパフォーマー! どうりでスムーズなわけですね。
そしてもう一つ、超有名スーパー後ろ歩き(?)と言えば、『エクソシスト』(ウィリアム・フリードキン監督作)のスパイダーウォークでしょう(ディレクターズ・カット版で見ることができます)! スパイダーウォークとは、ブリッジをしたまま階段を下りる歩き方で、まるで蜘蛛みたいなのでこの名がついたようです。不気味でとても有名なシーンなのですが、見返してみると高速で動いているような演出なので、わずか数十秒で終わってしまいました。さ、参考にしようと思ったのに…! いざ自宅でやってみようかと思ったのですが、まずブリッジをするだけでも一苦労。このまま歩くなんて、しかも階段を下りるだなんて! 本当に悪魔にでも取りつかれないと難しいかもしれません。
後ろ歩きを続けてみると、ただ歩くという行為なのに、前を向いて歩く時と全く感覚が違うことにとても驚きます。最初は少し歩くだけでも気持ち悪いかも…となっていましたが、何日か続けると、昨日よりは歩けるぞ! と謎の達成感に包まれるようになりました。4月はきっと新しいことに挑戦する方も多いのではないかと思います。何か始めたいと思ってはいるけど何をしようかとお悩みの方はぜひ、後ろ歩きに挑戦してみてはいかがでしょうか? ※安全には十分ご注意ください。
(すみちゃん)