2024.08.01
【スタッフコラム】うどん粉デザインばなし byうどん粉くん
先日友達から「お前に似てない?」というLINEとともに、一枚の画像が送られてきました。その画像は新紙幣の千円札。そこに写る北里柴三郎さんの顔を改めて見てみると、似ている。たしかに似ている。学校で習ったことはぼんやり覚えているけれど、何を成した人なのかきちんと知らない北里さん。けれどなんだか親近感が湧いてきました。お札の中でも、生活で一番お世話になる千円札ってところも嬉しいです。
キャッシュレスが進んでだんだん使うことが少なくなっているお札ですが、その中でも特に使用率が低いのが五千円札ですよね。7/3から新紙幣が発行されたそうですが、一万円札と千円札とは遭遇しても、未だに津田梅子さんの五千円札には会えていません。なんなら樋口一葉さんが五千円札になってからも、そんなに時間が経っていないような気さえします。しかし樋口さんバージョンの五千円札が発行開始されたのはもう20年前だそうで、時の早さに驚愕します。津田さんとの初対面は待ち遠しいものですが、同時に樋口さんと会う機会がだんだん減っていくのかと思うとなんだかせつないですね。
しかーし! デザインにおいて僕の推し紙幣は、別にあります! それは彼らの先輩である、新渡戸稲造さんバージョンの五千円札です。まず白ネクタイでビシッとキメた紳士的なビジュアルにシビれます。そんな新渡戸さんの雰囲気を表現するかのように全体的な色のトーンが渋めなところも推しポイントです。そしてこの五千円の一番好きなところは、オモテ面にもウラ面にもあるサイドの余白です。なんて絶妙な余白スペース! この抜けのバランスがかっこいい。この五千円札が好きすぎて、数年前に偶然遭遇した際にこれは使わないでおこうと、一枚だけ手元に置いているくらいです。
新渡戸さんみたいなビジュアルに憧れてしまいますが、北里さんだって結構味のある良い顔していますよね。ちなみに北里さんは、破傷風菌の培養や血清療法の確立など、伝染病予防と治療に貢献した細菌学者だそうです。熊本県生まれ、ニックネームは「ドンネル」(ドイツ語で雷おやじ)。好きな食べ物はきゅうりとキャベツ。うさぎみたいに生野菜をバリボリ食べながら、熱心に研究に打ち込むドンネル柴三郎。そんな勝手な妄想をしていたら、千円札の北里さんの顔も可愛く見えてきました。今度めがねを買うなら、北里さんっぽいフレームも良いかも、と自分からどんどん見た目を寄せてしまいそうなうどん粉なのでした。
(うどん粉くん)