2024.01.18
【スタッフコラム】わが職場の日常 by KANI-ZO
「出張・山形ドキュメンタリ―映画祭」
昨年の10月に山形ドキュメンタリー映画祭の野外上映の映写のサポートで、山形に行っておりました。私の両親が山形出身で、山形の祖母の家に年に1度は帰ることもあり、何かと縁のある場所です。
山形ドキュメンタリー映画祭は、個人的には行ったことがありませんでした。10年ほど前でしょうか、母が通訳としてボランティアで参加し、担当した海外の監督が帰国前にどうしても和室の畳で寝てみたいとの要望があったそうです。東京に住む父と私の家に監督がやってきて一緒に食事をして、監督念願の和室にお布団で一泊していきました。言葉があまり通じない中、一緒にベランダで煙草を交換して喋ったのがいい思い出です。
そんな思い出のある映画祭に、裏方として初参加してきました。私の担当は、山形駅西口のやまぎん県民ホールのイベント広場での、4日間の野外上映でした。イベントの前日からスクリーン・デジタル映写機・音響の設営とテスト上映を行いました。現地での運営担当の方の山形弁を聞いて、「あぁ山形で仕事しているんだなー」と、普段の休暇で帰る山形とは一味違うものを感じました。
野外上映は毎日陽があるうちに設営を行い、日没間際に映写機の光がスクリーンに見えるようになると、画角の最終調整を行い、いよいよイベントが開始となります。10月の頭とは言え、日が暮れると結構な寒さです。それでもお客さんは椅子が足りなくなるほど盛況でした。そんな姿を見ると設営しては撤去する儚い野外映写も頑張れるものです。
仕事の合間に偶然ではありますが、私の妹が山形での里帰り出産で生まれた姪っ子のお宮参りをするという事で、カメラマンとして同行しました。かわいい姪との初対面と、母になった妹、そして初孫ができた両親を写真に収め、家族孝行もできました。また、普段なかなか見せることのできない映写の仕事ぶりも、家族が見に来てくれた事もあり、とても良い機会となりました。
無事にイベント全日程が終了した翌日、最後のスクリーン撤去を行い、すべての機材をトラックに積み込んで東京に移動です。2tトラックの運転も初体験しました。運転席の目線の高さも、慣れると楽しいものです。同乗していた先輩が「運転しているときは演歌だ」と教えてくれました。普段洋楽メインで聞く私ですが、こぶしが利いた歌いまわしが生み出す日本の情景も相まって、気分はトラック野郎です。演歌が気分を穏やかにしてくれ、長距離移動のストレスを和らげてくれました。
なじみ深い山形で、好きな仕事が出来たことはありがたいなと感じつつ、今年もどんな映写体験が待っているかなと期待が膨らみます。映画との出会いや、人との出会い、そしてたくさんの貴重な体験がこの仕事には詰まっているなとつくづく感じる今日この頃です。
(KANI-ZO)