2016.09.08
【スタッフコラム】うどん粉色彩検定 byうどん粉くん
わたくし、実は実家が印刷会社なんです。
小さい頃、会社の工場に忍び込むのが大好きでした。大きな機械が鳴らす軽快でリズミカルな音と、壁に積まれた無数のインキ缶から漂う独特の臭いがすごく落ち着くのです。工場の隅っこで隠れながら駄菓子を食べるのが密かな楽しみでした。知らないうちにインキが服に付いていて、母親に怒られることもありましたが…。
実家を離れて、なかなか工場に足を踏み入れることもなくなってしまったのですが、こうして今、早稲田松竹でチラシを作るというかたちで、また印刷と繋がっています。巡り合わせって面白いですね。毎月出来上がってくるチラシが届くと、いつもちょっと実家の工場のことを思い出してしまうのです。
ということで、ここで印刷のお話をしたいと思います。印刷では、シアン、マゼンタ、イエロー、そしてブラックの4種類のインキを混色させて様々な色再現が行われます。この混色を減法混色といい、元の色の明るさより暗くなる混色のことをさします。子どもの頃、絵の具を混ぜて色が変わっていくのが楽しくて、調子に乗って混ぜていたら汚い色になってしまいガッカリしたことはありませんか?まさにあれです。シアン、マゼンタ、イエローの三原色をすべて混ぜ合わせると、原理としては黒になるのですが、実際には鮮明な黒を得ることは難しいんです。そのため印刷には、三原色のほかにブラックが用いられます。4種類のインキと紙の白を合わせると、組み合わせ的に全部で8つの色を再現できることになり、これらの色が眼の中で混色することによって様々な色が再現されるのです。
子どもの頃遊び場だった工場で、そんな面白いことが行なわれていたのか! と、久しぶりに実家の工場に忍び込みたくなりました。今度はそれだけじゃなく、きちんと印刷業のことも学んでこようかな…と、夏の終わりにちょっと遅めの帰省を考えるうどん粉なのでした。
(うどん粉くん)