2017.04.13

【スタッフコラム】日々是好日(ときどき鉱石) byちゅんこ

すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし

(江國香織「すみれの花の砂糖づけ」より)

江國香織さんの本を、好んで読んでいた時期がありました。前述の詩は、彼女の初めての詩集に書かれた一文です。文庫版の表紙はすみれの花を思わせる淡い紫色のイラストで描かれており、まるで洋菓子の包装紙のように愛らしく可憐です(単行本の潔いくらいシンプルな装丁もまたすてき)。

以前は日本でも購入することのできたすみれの花の砂糖づけは、オーストリアの皇妃エリザベートが愛したことでも知られているそう。また、作曲家のショパンは、ホットチョコレートに入れて毎朝飲んでいたと言われています。残念ながら現在は日本国内で販売していないようなのですが、がっかりするなかれ。調べてみると、案外簡単に作れるようです。

材料は、食用のすみれと卵白、バニラエッセンス、グラニュー糖。作り方はいたってシンプルです。洗って水気をきったすみれの花に卵白を塗り、グラニュー糖をまぶしてから、日陰で乾燥したらできあがり! 飲み物に入れたり、お菓子のトッピングに使ったりしてもよさそうです。

その響きだけでもすでに愛らしい、すみれの花の砂糖づけ。はたしていったいどんな味がするのでしょう? いつか作ってみたいものです。

今回ご紹介します石は、その名もずばり「菫青石(きんせいせき)」、アイオライトです。見る角度によって色が変化するという不思議な性質を持つこの石は、野に咲くすみれのようにきれいな紫色をしています。また実はこの石、前回ご紹介しました「桜石」に深く関係があります。大雑把に言ってしまいますと、桜石は雲母と緑泥石の混合物で、菫青石が風化してできたもののことをいいます。

(ちゅんこ)