2018.04.26
【スタッフコラム】二十四節気・七十二候とボク by上田
二十四節気:穀雨(こくう)、次候:霜止出苗(しもやみてなえいずる)
春の終わりごろになって急に霜が降りることを忘れ霜と言うそうです。古来から、立春から八十八夜経ち急に冷えこんで霜が降りることを「八十八夜の忘れ霜」と呼び、農家では恐れられていたそうです。逆にいうと、ここから先しばらくの間は霜が降りることのない季節。春から夏のちょうど節目になるこの時期、ちょうど稲作する農家では田に植えるための苗が青々と育っている時期です。
昔は田の一部に苗代(なわしろ)という苗床をつくって、種を植えて集中的に苗を作っていたそうですが、今では機械で田植えをするのもあって、移動しやすい育苗箱と呼ばれる容器に育てることが多いらしいので、田んぼのなかにある苗代はあまり見られなくなってきているようです。
この「苗代」という字を見て感じる方もいるかもしれませんが、一年の豊作がかかった大事な苗ですから、昔は田の神をこの苗代の水口(みなくち 水の入ってくるところ)に祭り、田を浄めたと言われています。床の間を祭壇にして苗をお供えするという地方もあるらしく、「苗床」「床の間」「苗代」の関係は言葉遊びのようでもあり興味深いです。昔は田植えの時期を知らせるようにちょうどこの頃に咲く花を「苗代花」(なわしろばな)と呼んでいたそうです。ツツジやウツギが代表的で、山吹やアヤメ、カキツバタなんかも。
ちょうどこの時期になると早稲田松竹にもお掃除のおばちゃんが季節の花を飾ってくれていて、ちょうど今日はツツジを活けてくれていました。そろそろ田植え。そろそろGWですね。映画界ではGW向けに新作を発表する興行がありますが、田植えで実家に帰る人たちにとってのGWというのもきっとあるんでしょうね。大型連休を皆さんも楽しんでくださいね。
(上田)