2022.12.08
【スタッフコラム】二十四節気・七十二候とボク by 上田
二十四節気:大雪(たいせつ)、初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
今年も残りわずかになりましたね。この時期は一日経つにつれ、一層寒くなっていくのを感じます。閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)とは、天地の気が塞がれ、冬がおとずれる頃。空は重い雲に覆われ、生き物はじっと気をひそめています。この時期特有のどんよりとした曇り空や、地面から寒さが伝わってくる様子を「塞ぐ」という言葉を使って表していることに今更ながら驚きます。元々塞ぐという言葉には、城塞や砦を表すことから「守る」という意味合いが含まれています。「気が塞いでいる」などと言うと憂鬱な気分のことを指しますが、自分を守るという意味では憂鬱な気分もあながち悪いことばかりではないのかもしれませんね。
12月8日はお釈迦様、ブッダが菩提樹の下で悟りを開いた日とされています。悟りを開くことは日本や中国では「成道(じょうどう)」と呼ばれ、成仏などと同じ意味とされていますが、釈尊が成道したこの日を「臘八(ろうはち)」と言い、12月8日には全国で成道会(じょうどうえ)という法要が執り行われます。曹洞宗などの禅宗ではお釈迦様に倣い、12月1日から8日までの8日間にわたり、臘八大摂心(ろうはつおおぜっしん)と呼ばれる集中的な坐禅修行が行われます。坐禅修行の後は、雪山での苦行を終えたお釈迦さまの姿を描いた「出山釈迦像」を掲げ、法要を営みます。また、京都では、味付けして煮た大根を参拝者に振る舞う大根焚きがあり、初冬の風物詩として親しまれています。中でも、千本釈迦堂・大報恩寺の大根焚きが有名で、大根を食べると厄除けになると言われています。コロナ禍では開催していないところも多いようですが、近くに成道会の催しが行われているお寺があったら是非覗いてみてくださいね。
12月8日には他にも有名な出来事があります。それはジョン・レノンがダコタハウスの前で射殺されたジョン・レノンの命日でもあり、日本軍が真珠湾を攻撃して太平洋戦争が開戦した日。同じ日付で複雑な気持ちになってしまいますが、どちらも忘れられない出来事です。そういえば早稲田松竹が舞台として映画に使用され、現在公開中の『月の満ち欠け』ではちょうどジョン・レノンが暗殺された日が映画の中で描かれていました。映画の中では街中にジョン・レノンの曲が流れていた1980年の12月の高田馬場が再現されています。私も見たことのない当時の高田馬場の町並みが最新技術で再現されていて、前よりも少しこの町のことを知ることができたような気がしました。当時のお店や街並みを観ていると、普段の風景から昔の高田馬場に迷い込むようで、一度ここに行ってみたかったなと思わされました。昔の東京の色んな町を再現した映画、もっともっと観てみたいものです。
(上田)