2018.12.06
【スタッフコラム】二十四節気・七十二候とボク by上田
二十四節気:大雪(たいせつ)、初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
いよいよ本格的に冬になってまいりましたね。閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)とは、天地からの気が塞がれ冬が訪れる頃のことを言います。閉塞。そう言ってみると重々しく暗いような気配があり、少し怖い冬のイメージがわきますが、塞ぐという言葉には護るという意味もあるそうです。というのも、塞の神(さえのかみ)という、「境の神」のひとつで、村や部落の境にあって、他から侵入するものを防ぐ神を祀る信仰があることから、護るという意味が生まれたのだといいます。
道祖神と呼ばれることも多いですが、地方や場所によって様々な風習と呼び名があり、邪悪なものを防ぐ砦の役も果たしてくれるそうです。たしかに、意味も無く塞ぐことなどなく、なんとなく気持ちが塞いでいるときなんかも自分の体調がよくなかったり、他に気になっていることがあったりして、自分の大切なものを守っていることがありますよね。年末は忙しく無理をしてしまうことも多いので、皆さまもご自愛ください。
年末といえば、来年に向けてカレンダーや日記などを買いに出かける人も多いのではないでしょうか?書店や文房具店で日記やスケジュール帳を選ぶのは、なんだが一足先に快く来年を迎えられそうな予感でわくわくして楽しいものですよね。「日記買ふ」は冬の季語なのですが、私が感じたようなわくわくと同じように、未来のことを考える人の行動が季語になっているのが面白いと思います。
もちろん人生楽しいことばかりではありませんから「日記を買ふ」の句にも「母にのこる月日とならむ日記買ふ」「我が生はさびしからずや日記買ふ」など個人の事情を想像してしまう句もあります。こんな句を読んでしまうと、これから賑わいを増していく街の中で、買うものを選ぶ人たちの姿も違って見えてきますよね。
(上田)