2018.12.13

【スタッフコラム】うどん粉デザインばなし byうどん粉くん

気がつけば、今年も残すところあと2週間ちょっとですね。2018年もたくさんの映画が公開されましたが、早稲田松竹でそれを実感するのは、ロビーのチラシスペースです。チラシラックを眺めながら、これ全部公開されるんだよなぁ~、としみじみ思うのです。観たい映画を見逃してしまうこともありますが、好奇心の赴くまま気軽に手に取れるのがチラシの素敵なところですよね。

ということで私うどん粉が、今年心惹かれたチラシを勝手にざっくり3部門に分けてご紹介したいと思います!

【悔しいくらいにおしゃれ! 装飾デザイン部門】
『モアナ 南海の歓喜』

作品自体はモノクロなのですが、チラシは南国らしく優しいパステル調で実にカラフル♪ ドキュメンタリーの父とも言われているロバート・フラハティが1926年に製作した作品を、こんな今どきデザインにしちゃうなんて大胆すぎます。トリミングされた写真やモチーフの配置がいちいちおしゃれで、作っていて楽しかっただろうな~と、羨ましくなっちゃいます。デザインする側として、盗みたいアイデアと遊び心がふんだんに盛り込まれている一枚です。

【潔く美しい! シンプルデザイン部門】
『君の名前で僕を呼んで』

生きたギリシャ彫刻のように美しい主演ふたりと、青空だけ。それだけで十分なのです。映画チラシは色々と情報を詰め込んでしまいがちですが、他のチラシと並んだとき、目に入ってくるのは余計なモノを排したシンプルなデザインだったりしますよね。それを改めて教えてくれた一枚です。似たようなレイアウトのチラシで、『泳ぎすぎた夜』や『ラッキー』もありました。いずれも背景が青空というのも面白いです。

【衝撃! 顔ヂカラ部門】
『殺人者の記憶法』

この部門にふさわしく、チラシいっぱいにソル・ギョングの顔なのです。アルツハイマーの元殺人鬼という役を、そのビジュアルひとつで表現しているもの凄さ。顔のアップは個人的に好みで、早稲田松竹のチラシでもついついやってしまうのですが、このチラシに関しては、アップうんぬんというよりの顔のチカラで勝負しているところが素晴らしい!ただ、はじめてチラシを見たときソル・ギョングだと気づきませんでした…。当館でも今年上映した『ペパーミント・キャンディー』に出ていたあのソル・ギョングだなんて!という衝撃が忘れられません。

早稲田松竹でも他の映画館でも、チラシスペースがにぎわっている光景は、見ていて嬉しいものです。そんなスペースに自分のデザインしたチラシを置かせてもらっていることは、本当に幸せなことですね。そんな気持ちを忘れずに来年も精進してまいります!

(うどん粉くん)