2022.07.07

【スタッフコラム】うどん粉デザインばなし byうどん粉くん

日常生活の中で、普段と同じなはずなのにその日はなぜか怖く感じることってありませんか。夜の帰り道を歩いているとき、お風呂でシャワーしているとき、だらだら夜更かししているとき、突然やってくるのです。怖がりスイッチが急にオンになったかのように、何となく気配みたいなものを感じたり、ぼんやりとした暗がりが妙に気になったり…。恐怖心の感度がビンビンになりながら、もしやこれは妖怪の仕業?? と思ったりします。

そんなときに思い出すのが、子どもの頃に観ていた「のんのんばあとオレ」というドラマです。漫画家・水木しげるが少年時代のことを書いた自伝的エッセイが原作で、しげる少年の家にお手伝いに来ていたおばあちゃん、通称のんのんばあとの交流を描いたお話。のんのんばあが話してくれる妖怪の話にビビりながらもワクワクして、少年時代ならではのちょっぴり切ないストーリーに心がざわざわしました。実写の中に、水木さんの描いたどこかひょうきんな妖怪たちがアニメーションで混在しているのが面白くて、僕らの生活の中には妖怪がいるんだと自然と思わせてくれる作品でした。

なかでも好きだった妖怪はべとべとさんです。夜道に人間の後ろをついてきて、「お先にどうぞ」と唱えると去っていく。言い伝えでは、姿は見えず足音だけの妖怪らしいのですが、水木さんが描くべとべとさんはとっても可愛らしいのです。向こうが見えちゃうくらい白く透き通った質感、まんまるのフォルム、下駄を履いた2本の足、目や鼻は無く、大きな口を開いて笑っている。不思議なことや怖いことが起きても、そこに妖怪という存在を置いてみると、妙に安心するというか納得が出来てしまうんだな、と水木さんの描く妖怪をみるといつも感じます。

怖くなったときに覚醒する、人の想像力ってものすごいですよね。それをビジュアル化して妖怪にしちゃうんですから。しかもそれは人それぞれの苦手なものが反映されたイメージだったりするので、きっとみんな違うんですよね。子供の頃に流行った都市伝説や怖い話や噂話などが、自分の人生経験と混ざり合って恐怖っていうイメージとして出て来ちゃう。これってすごいクリエイティブな現象です。怖いはずなのにワクワクしますね。これから夏本番。自分の感覚を研ぎ澄まして、素敵なクリエイティブライフを過ごしたいですね〜。

(うどん粉くん)