2022.01.05

【スタッフコラム】二十四節気・七十二候とボク by上田

二十四節気:冬至(とうじ)、末候:雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)

大寒波が到来した年末、久しぶりの忘年会のできる年末、寒いながらもこの2年間で一番多くの人に会った一カ月だったという方も多いのではないでしょうか。月の最後の日はどんな月でも【つきごもり(月隠)】、「つごもり」と言いますが、これは太陰暦(旧暦)の場合は新月にあたります。新月の夜に空を見上げると、どんなに探しても月が見当たらないのでつい不安になるなんてこともたまにあって、空に何もない状態に名前をつけるということはそうした不安を解消する意味でも、また見えないものの存在を感じるという意味でもとても文化的で面白いことだなと思います。(ちなみに新暦の場合は大晦日が新月になることはあまりありませんがこの名前だけは残っています。)

明日12月31日は大晦日「おおみそか」「おおつごもり」と言います。この頃から七十二候の「雪下出麦」に入ります。一面の雪景色のその下で春を待ちながら芽吹く麦。芽吹いた麦が伸びれば、早春頃に麦を大きく強く育てるために麦踏みをします。多くの七十二候が目に見えるものが書かれているのにも関わらず、目に見えない、表に出てきていないものが書かれているのは珍しいことですよね。雪で閉ざされ、何も仕事ができない時期にこうしてこれからのことを考えることができるのもまた、この季節のいいところなのかもしれません。

東京では今年の年末、何年分かの思いあまってか、飲みすぎてしまう人を路上でたくさん見かけました。でもこうした酔いどれたちの姿が街のいつも通りの姿を彩っているのだということも、このコロナ禍で気づいたことです。映画館で見ることができなかったお客様の顔も、年末にはだいぶお見かけすることができて嬉しく思いました。同時に緊急事態宣言の間、「いつから席を増やすの?」とか「コロナ禍大変だろうけど乗り切ってね」と電話で声をかけてもらいながら、目の前にいないお客様たちのことを考える時間もたっぷりありました。早稲田松竹が70周年を迎えることができたのもそうしたすべてのお客様のおかげだと思いながら、来年に向けてますます精進して参ります。皆さまも良い年をお迎えくださいませ。また来年も宜しくお願い致します。

(上田)