2021.03.18
【スタッフコラム】馬場・オブ・ザ・デッド by牛
第1回『元祖・スプラッター・ムービー』
はじめまして、早稲田松竹の新人スタッフ・牛(うし)です。今年はうし年なので、牛という名前になりました。どうぞよろしくお願いいたします。そんな牛ですが、幼い頃からビビりのくせに怖いものが大好きです。怖いものみたさでホラー映画をみては夜眠れなくなる愚行を大人になった今でも幾度となく繰り返しています。このコラムではちょっぴりダークな作品をなるべく愉快な感じで紹介していきたいと思います。苦手な方もいるかもしれませんが、どうぞお付き合いください。
さて、第1回目でご紹介する作品ですが、その前に皆さまに映画クイズです。映画史において、一番はじめに作られた映画といえば、リュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅の到着』や『工場の出口』が有名ですが、最初に作られた恐怖映画をご存じでしょうか。
それが今回紹介する『スコットランド女王、メアリーの処刑』(1895)です。内容はというと、処刑人が斧を振りかざし女王メアリーの首を刎ね、落ちた首を拾い上げ群衆に掲げる…たったそれだけです! 1分にも満たない作品のため、世界一短い映画ともいわれていますが、これが恐怖映画の起源であることは間違いないでしょう。なぜなら、先ほど挙げた『ラ・シオタ駅の到着』と同年の作品なのです。まさに最初期の作品にしてまさかの人体破壊映画! 人間はやはり血なまぐさいものが大好きなのだなと実感させられます。といっても、実際にやっているわけではありません。この作品にはトリックがあり、斧を振りかざした瞬間に人形にすり替わり、斧が振り下ろされたと同時に人形の首がコロンと落ちる仕組みになっています。よくよく見ると、不自然でバレバレの仕掛けなのですが、当時どれほどショッキングな作品であったかは容易に想像ができます。
今でこそ映像技術が発達し、リアルで迫力のある作品が観られますが、こんなに最初期の時代から観る者をビビらせてやるぞ! と試行錯誤する人たちがいたことに感激してしまいます。やはり一点の見せ場に執着した作品には底知れぬ魅力を感じますね。Youtubeで検索すると映像が見られるので、気になった方は是非ご覧ください。
(牛)