2016.04.14

【スタッフコラム】わが職場の日常 by KANI-ZO

このコラムでは早稲田松竹のお仕事の日常や、その中で起こるちょっとした出来事をご紹介できたらと思います。それと時折、「映写」という映画をスクリーンに映すまでの裏側もお話できればと思います。まずは、第一弾という事で「早稲田松竹の朝」と題して当館が営業を開始するまでの朝の日常風景をご紹介します。

早稲田松竹に一番初めにやってくるのはお掃除のおばさん達です。スタッフが気持ちよく仕事を開始出来るのは、お掃除のおばさん達のおかげです。いわば、当館の縁の下の力持ちです。私は出勤するとお掃除のおばさんと世間話をしています。その日のお天気やワイドショーを賑わせている話題の事。おばさんは中井貴一さんがナレーターを務める、働く大人の昼ごはん扱った「サラメシ」というNHKの番組がお気に入りで熱心に勧めてくれます。

そんなこんなでお仕事を始めるのですが、まずは映写室の立ち上げ。ブレーカーを上げると映写機やアンプ、プログラム装置などが特有の音を出しながら立ち上がるのです。これはいわば早稲田松竹の目覚め。私はこの作業をすると今日も一日が始まったなと実感します。次は劇場とロビー、そして事務所のお掃除。スタッフが各場所を分担してどんどん綺麗になってお客様を迎える準備が進んでいきます。まるでその光景は『天空の城ラピュタ』の海賊ドーラ一家の飛行船の中で、様々な仕事が同時に各所で進み、飛行が保たれている様子に似ています。そして準備が整うと、皆が事務所に集まり支配人が淹れてくれたコーヒーを飲んで一息つくのです。

私がここに勤め始めて間もない頃、この朝の光景は印象的でした。拭き掃除に使うタオルは毎日バケツで手洗いし、手絞り、自然乾燥。これは小学生時代を思い出します。古い映画館ですので、事務所に神棚もあります。お榊の水を交換するとおじいちゃんの家を訪れた事を思い出します。このような朝の風景で早稲田松竹は始まるのです。

(KANI-ZO)