2016.07.28

【スタッフコラム】☆☆☆に憧れて byスタンド

こんにちは! スタンドです。東京都美術館で開催されているポンピドゥー・センター傑作展に行ってきました。1906年から1977年のタイムラインを一年ごとに一作家一作品を展示してたどる展覧会で、ピカソやマティス、ボナールの作品や、絵画のみならず彫刻に写真、映像と盛りだくさんで20世紀の巨匠たちの作品のパワーに、観ているこちらもエネルギーがわいてくる。そんな展覧会でした。

『アーティストに憧れて』

その中でも、私が1番感銘を受けたのがアンドレ・ケルテスの作品でCAFEという文字が準備中の店内に、影になって伸びているシンプルなモノクロ写真です。ロベール・ドローネー(色彩豊かな抽象画家の先駆者)とレオナール・フジタ(藤田嗣治)というパンチのきいた二人の間に展示されたその写真は、誰も映っておらず、一見すると特徴のないものに感じます。ですが、写真を観た時、この風景の色々な音や、日常や、においが一瞬にして頭の中に浮かんだのです。こんなに想像力をかきたてられた写真は初めてで、その後、どの作品をみても素直に心が動くスイッチを押してもらえたのか、大満足の展覧会になりました。1927年に撮られたというこの写真が、時を越えて21世紀の私の目に触れ、こんなにも心揺さぶられる出会いになるなんて。アートって本当に素晴らしいものだな、作品を残せることは、どんな形にせよ人に影響を与えるのだなと改めて体感しました。何かできないかなとうずうずした私は、とりあえず手持ちのiphoneで自分の足元の写真を撮ったのでした。

(スタンド)