2018.01.18

【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック

「ポスト・パンクのレジェンドとポルトガル映画」

もともと出不精である私は、ミュージシャンのライブにあまり行っていません。それでも、うわさを聞きつけ「どうしても行かなければ!」と思うバンドの1つにイギリスのポストパンク・バンドである「ワイヤー」というグループがあります。1976年に結成してから、メンバーが離れては集まりを繰り返し、今でも活動しています。パンク色の強いファーストアルバム(なんと1~2分の曲が30曲近くある!)から、ポストパンクの金字塔である2・3作目のスタジオアルバムまでの初期、ダンスミュージックに接近した中期、そしてバンドサウンドを突き詰めた現在の音楽性と、すべてすばらしいです。

個人的に一番衝撃だったのは、『The Scottish Play: 2004』というライブ映像DVDと音源のみのCD二枚組みのライブ音源アルバムです。2004年当時ですでに50歳前後であるにもかかわらず、あふれ出るエネルギーとバンドが放つ疾走感に、興奮し感動せざるを得ません。何度も何度も聴きながら、ライブに行ってみたいなあと思っていたら、なんと2012年の来日のうわさを聞きつけ、遂にライブに行くことができました! パンクシーンから登場したバンドであるからなのか、そのときも変わらずエネルギッシュであり、やはりすばらしかったです。

さて、調べていると彼らの曲はなんとポルトガルの映画監督、ペドロ・コスタの『骨』という映画に使われています(不勉強のため未見)。ペドロ・コスタとワイヤーというまさかの組み合わせに驚きましたが、よくよく考えるとシンプルかつ身体性の高いライブ感があるのは共通しているのかもしれません。ファーストアルバム『Pink Flag』の「Lowdown」という曲が使われているようですが、彼の映画の中で既存曲がいったいどのように使われているのだろう…。私の近々の目標は、この映画を観ることに決定しました。

『Pink Flag』(1977)
『The Scottish Play: 2004』(2005)

(ジャック)