ネバー・エンディング・ナイトメア:デヴィッド&ブランドン・クローネンバーグ監督特集 +『ボーはおそれている』

6/25(火)~6/28(金)
クライムズ・オブ・ザ・フューチャー10:2014:45
インフィニティ・プール12:2516:50
~18:50
【レイトショー】ボーはおそれている19:10
~22:10

▼チケット販売時刻▼

【6/25(火)~6/28(金)】
・10:20『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』からの二本立て >>> 9:40
・それ以降の回/ラスト1本 >>> 各回その直前の回が始まって10分後
・レイトショー >>> 9:40

☆レイトショーは二本立てとは別料金です。『ボーはおそれている』のチケット料金は一律1300円となります。
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★指定席でご案内しております。チケットの販売は窓口のみとなります。受付にお時間がかかることが予想されますので、ご来場の際はお時間に余裕を持ってお越しください。
★そのほか、ご入場システムに関する詳細は、「劇場案内」ページをお読みください。

しかまる。

たとえ怖い夢だったとしても、続きが気になってしまうくらい面白い…そんな悪夢を見たことはありませんか? 突然変異で、新しい臓器が生み出される体になってしまう。自分とそっくりなクローンが処刑されるのを目撃する。思い描いた不安が次々と実体化して自分を襲ってくる。今回上映する3作品はどれも出来ることなら見たくない怖い夢。ですが、なぜだか最後まで目が離せません。

ボディ・ホラーの先駆者デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の舞台は人類が痛みを感じなくなった未来。それゆえに体を切り刻むのが娯楽となり、さらにはプラスチックを食べる人類が誕生。環境の変化に応じて人類が進化できたのなら、人を人たらしめるものは一体何なのか…といった哲学的な問いを投げかけます。デヴィッド・クローネンバーグが1999年に書いた脚本をほぼ改稿せずに撮影に臨んだというのも驚き! これぞクローネンバーグ節と言わんばかりに登場する様々なギミックもですが、監督と旧知の仲であるヴィゴ・モーテンセン演じる主人公ソールが公開手術のパフォーマンス中に見せる恍惚顔に気づいたら釘付けです。

そして彼の血を引く息子、ブランドン・クローネンバーグ監督の長編3作目となる『インフィニティ・プール』は、スランプに陥った小説家が次回作のネタ集めのために訪れたリゾート地で体験する恐怖を描いた作品。身体的特徴だけでなく、罪の意識もそっくりそのまま引き継いだクローンを作ったことで、自分は“本物”なのか不安に駆られる主人公。父デヴィッドが人体の変容とそれに伴う社会の変化を想像するのに対し、息子ブランドンは前作の『ポゼッサー』と同様、個人の存在の不確かさとそれに伴う精神の崩壊に主題を置いているように思えます。それらをヴィヴィッドなグラデーションのフィルターや様々なイメージカットの挿入などで魅せるスタイリッシュな映像にハマってしまいます。

モーニング&レイトショーでは“観る者を不安にさせる天才”アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』を上映。もし、扉が開かなくなって部屋に閉じ込められたら…。もし、今渡っているこの橋が突然崩れ落ちたら…。あり得るけど滅多に起こらない事象をつい想像してしまうのは誰しも経験があると思います。本作はそんな極度なまでの不安に襲われるボーが行く先々で笑ってしまうくらい酷い目にあう冒険譚。観客はボーと同じ目線でそれらの悲劇を体感することになり、「悪い夢だったら良いのに…、いや、夢であってくれ!」と願わずにはいられません。

人間は良い夢よりも悪夢の方が記憶に残りやすいと言われます。そんな性質を利用して…なんて計算的なものではなく、もっと純粋な好奇心や衝動からこれらの作品を生み出す監督たち。さらに、その想像力を余すことなく具現化する俳優陣に畏敬の念を感じてしまいます。皆さまもどうぞ、当館の心地よい椅子で極上の悪夢をご体感ください。

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
Crimes of the Future

開映時間 【6/25(火)~6/28(金)】10:20 / 14:45
デヴィッド・クローネンバーグ監督作品/2022年/カナダ・ギリシャ/108分/DCP/PG12/ビスタ

■監督・脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
■製作 ロバート・ラントス
■撮影 ダグラス・コッチ
■美術 キャロル・スピア
■編集 クリストファー・ドナルドソン
■音楽 ハワード・ショア

■出演  ヴィゴ・モーテンセン/レア・セドゥ/クリステン・スチュワート/スコット・スペードマン/ヴェルケット・ブンゲ/ドン・マッケラー/ヨルゴス・ピルパソプロス/タナヤ・ビーティ/ナディア・リッツ/リヒ・コモフスキ/デニーズ・カペッツァ/タソス・カラハリオス

■オフィシャルサイト
https://cotfmovie.com/

■物販情報
・パンフレット(1200円)

© Serendipity Point Films 2021

未体験のアートパフォーマンスにようこそ

そう遠くない未来。人工的な環境に適応するよう進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みの感覚も消えた。“加速進化症候群”のアーティスト・ソールが体内に生み出す新たな臓器に、パートナーのカプリースがタトゥーを施し摘出するショーは、チケットが完売するほど人気を呼んでいた。

しかし政府は、人類の誤った進化と暴走を監視するため“臓器登録所”を設立。特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる...。

カラダから⽣み出されるのは、希望か?罪か? クローネンバーグが描く強烈な近未来

『クラッシュ』『イグジステンズ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』など数々の受賞歴と共に物議をかもしてきた映画作家デヴィッド・クローネンバーグ。本作は第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、退出者が続出した賛否両論の問題作。主演は『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン。自身のカラダから臓器を生み出すアーティスト・ソールを演じ、パートナーのカプリースに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥ、二人を監視する政府機関のティムリンに『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートという豪華キャストが揃った。

製作に20年以上を費やした最新作のテーマは「人類の進化についての黙想」。⻤才監督が創造する人類の進化とは?

“人類の歴史における重要な分岐点にある今、私たちが作り出した問題を、人体を進化させることで解決することができないだろうか?気候危機の解決策としてだけでなく、我々が成長し、繁栄し、生き残るために、人の消化器官を進化させ、プラスチックや人工素材を消化できる身体にすることはできないだろうか?” ――デヴィッド・クローネンバーグ

インフィニティ・プール
Infinity Pool

開映時間 【6/25(火)~6/28(金)】12:25 / 16:50(~終映18:50)
ブランドン・クローネンバーグ監督作品/2023年/カナダ・クロアチア・ハンガリー/118分/DCP/R18+/ビスタ

■監督・脚本 ブランドン・クローネンバーグ
■撮影 カリム・ハッセン
■美術 ゾーシャ・マッケンジー
■編集 ジェームズ・バンデウォーター
■スペシャルメイクアップ・フィギアクティブエフェクト ダン・マーティン
■音楽 ティム・ヘッカー

■出演 アレキサンダー・スカルスガルド/ミア・ゴス/クレオパトラ・コールマン/トーマス・クレッチマン/ジャリル・レスペール

■オフィシャルサイト
https://transformer.co.jp/m/infinitypool/

■物販情報
・パンフレット(1000円)

© 2022 Infinity (FFP) Movie Canada Inc., Infinity Squared KFT, Cetiri Film d.o.o. All Rights Reserved.

罪をつぐなうのは、もう一人の自分

高級リゾート地として知られる孤島を訪れたスランプ中の作家ジェームズは、裕福な資産家の娘である妻のエムとともに、ここでバカンスを楽しみながら新たな作品のインスピレーションを得ようと考えていた。ある日、彼の小説の大ファンだという女性ガビに話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をすることに。意気投合した彼らは、観光客は行かないようにと警告されていた敷地外へとドライブに出かける。それが悪夢の始まりになるとは知らずに…。

妖しくて不穏、鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督最新作!

裕福な若い夫婦が訪れた美しいリゾート地。その国では、観光客はどんな犯罪を起こしても大金を払えば自分のクローンを作ることができ、そのクローンを身代わりとして死刑に処すことで罪を免れることができるという身の毛もよだつ残酷なルールが存在していた…。

デヴィッド・クローネンバーグを父に持ち、自身も『アンチヴァイラル』『ポゼッサー』など独特の世界観に溢れた秀作を送り出し、カルト的な人気を誇る鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督の長編第3作にして、最大の話題作。『パラサイト 半地下の家族』をはじめ、直近のカンヌ映画祭で5年連続でパルムドールを受賞し、いま世界の注目を集める配給会社NEONが製作を手掛けた。スカルスガルド兄弟の長男アレクサンダー・スカルスガルドと『Pearl パール』で大ブレイクを果たしたミア・ゴスが初共演し、熱演&怪演を披露している。

取り返しのつかない転落と倒錯。不可思議で、恐ろしく、どこか可笑しくもある、スタイリッシュでスリリングな唯一無二のクローネンバーグワールドへようこそ!

【モーニング&レイトショー】ボーはおそれている
【Morning & Late Show】Beau Is Afraid

開映時間 【6/25(火)~6/28(金)】19:10(~終映22:10)
アリ・アスター監督作品/2023年/アメリカ/179分/DCP/R15+/ビスタ

■監督・脚本 アリ・アスター
■撮影 パヴェウ・ポゴジェルスキ
■プロダクション・デザイン フィオナ・クロンビー
■編集 ルシアン・ジョンストン
■音楽 ボビー・クルリック
■劇中アニメーション ホアキン・コシーニャ/クリストバル・レオン

■出演  ホアキン・フェニックス/スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン/エイミー・ライアン/ネイサン・レイン/パティ・ルポーン/パーカー・ポージー/ドゥニ・メノーシェ

■2023年ゴールデン・グローブ賞男優賞ノミネート

■オフィシャルサイト
https://happinet-phantom.com/beau/

■物販情報
・パンフレット(1100円)


★本作品は特別モーニング&レイトショー上映です。
☟入場料金
一律1300円(割引なし)
★チケットは、朝の開場時刻より受付にて販売いたします(当日券のみ)。

© 2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

ママ、きがへんになりそうです

主人公・ボー は、いつも不安に怯えている。近所の不良の振る舞いや、うがい薬をちょっと飲んでしまったことなど、些細なことにビクビクし、悪夢のような日々を過ごしている。ある日「いつ帰って来れるの?」と、さっきまで電話をしていたはずの母が怪死していると連絡を受ける。ボーが母の元へ駆けつけようとアパートを飛び出すと、世界は激変していた…。

現実なのか? 夢なのか? 分からなくなってしまった世界で実家にたどり着くことができないボー。地図に載っていない道を旅しながら、ボーは生まれてから今までの人生が、転覆してしまうような体験をする。これは運命なのか、それとも…

監督アリ・アスター×主演ホアキン・フェニックス 最狂コンビから、貴方の精神に挑戦状。一度体験したら戻れない、オデッセイ・スリラー!

『ヘレディタリー/継承』で映画ファンの注目を集め、『ミッドサマー』が全世界で大ヒットを記録するだけでなく、多くの観客に“消えない傷”を植え付けた天才監督アリ・アスターが、気鋭の映画スタジオA24と三度目のタッグを組んで世に放つ最新作。主演を務めるのは『ジョーカー』でオスカーに輝いた名優ホアキン・フェニックス。これまで様々な作品で怪演を見せてきた彼が極限の演技と表情を見せる本作は、そのキャリアの到達点になった。

怪死した母の元へ駆けつける帰省が壮大な旅に変貌する――実家にたどり着くのが先か? それともボーの人生が転覆し、永遠に壊れるのが先か? 衝撃や恐怖を遥かに凌駕する“永遠に忘れられないラスト”が待つオデッセイ・スリラー。スクリーンで一度体験したら、もう元には戻れない。