パロアルト・ストーリー
PALO ALTO
(2013年 アメリカ 100分 )
■監督・脚本 ジア・コッポラ
■原作 ジェームズ・フランコ「パロアルト・ストーリーズ」
■撮影 オータム・シャイエン・デュラルド
■音楽 デヴ・ハインズ/ロバート・シュワルツマン
■出演 エマ・ロバーツ/ジェームズ・フランコ/ジャック・キルマー/ナット・ウルフ/ヴァル・キルマー
サンフランシスコ・ベイエリアの街パロアルト。内気で繊細な少女エイプリルは、学校で誰もが認める美人の優等生だが、進路に悩み将来の夢を描けないでいた。所属するサッカーチームのコーチ・ミスターBには気に入られていて、彼の息子のベビーシッターもしている。
エイプリルと同じ学校に通うテディは内向的な少年だ。エイプリルに惹かれているが自分に自信がなく思いを伝えることができない。いっぽうで、常識外れの行動で常にまわりを驚かす少年フレッドとは仲がよく、夜中のドライブや公園の木をチェンソーで切り倒したりして憂さ晴らしをしていた…。
『パロアルト・ストーリー』は巨匠フランシス・F・コッポラの孫にして、ソフィア・コッポラの姪にあたるジア・コッポラの監督デビュー作。原作は、俳優ジェームズ・フランコが、2010年に発表した短編小説集。製作と出演も兼ねる彼が直々にジアに監督をオファーしたという。デビュー作ながらも、誰もが経験する青春時代の繊細な人間関係や、複雑な感情のもつれを見事に捉えたリアルなティーン・ムービーに仕上がった。
出演はジュリア・ロバーツの姪であるエマ・ロバーツや、ヴァル・キルマーの息子ジャック・キルマー、『きっと、星のせいじゃない』のナット・ウルフなど、今もっとも注目される若手俳優が結集している。また、ブラッド・オレンジ名義で活躍するミュージシャンのデヴ・ハインズが担当したサウンドトラックなど、センスの良い音楽にも注目だ。
スプリング・ブレイカーズ
SPRING BREAKERS
(2012年 アメリカ 93分 )
■監督・脚本 ハーモニー・コリン
■撮影 ブノワ・デビエ
■編集 ダグラス・クライズ
■音楽 スクリレックス/クリフ・マルティネス
■出演 ジェームズ・フランコ/ヴァネッサ・ハジェンズ/セレーナ・ゴメス/アシュレイ・ベンソン/レイチェル・コリン
■第69回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門正式出品/トロント国際映画祭正式出品
退屈な大学生活に心底ウンザリしているフェイス、キャンディ、ブリット、コティの4人組は、日常を変えるため、春休みにフロリダ旅行に出かけようと盛り上がる。勢いに乗った彼女達は強盗で資金を作ろうと目論み、計画は思った以上に上手く進んだ。
そして、待ちに待った“スプリング・ブレイク”がやってきた! 美しいビーチとクールな音楽、カッコイイ男の子たち! やっと自分達の居場所を見出だした4人だが、エイリアンと名乗る謎の男と出会ったことで、大きく運命が変わってしまう…。
刺激を求める女の子達のリアルな姿をポップ&スタイリッシュに描き、各国の映画祭で話題をさらった『スプリング・ブレイカーズ』。疾走する女子大生に、ディズニーアイドルのセレーナ・ゴメスとヴァネッサ・ハジェンズ、「プリティ・リトル・ライアーズ」のアシュレイ・ベイソン、『ミスター・ロンリー』以降ハーモニー作品常連で彼のパートナーでもあるレイチェル・コリンなど、意外性満点の旬な女優陣が、ほぼ全編水着姿で体当たりの演技を見せる!
また、『127時間』『オズ はじまりの戦い』の実力派ジェームズ・フランコが、銀歯とコーンロウ頭の衝撃的バッドボーイ役で新境地を切り開いた。さらにグラミー賞受賞の最旬アーティスト、スクリレックスが楽曲を提供、その爆音エレクトロビートがホットなオープニングを飾る。
アイム・ヒア
I'M HERE
(2010年 アメリカ 32分 )
■監督・脚本 スパイク・ジョーンズ
■撮影 アダム・キンメル
■音楽 サム・スピーゲル
■声の出演 アンドリュー・ガーフィールド/シエンナ・ギロリー
2010年にサンダンス映画祭やベルリン映画祭でショート・ムービーとして上映された『アイム・ヒア』。胸が熱くなるようなピュアなラブ・ストーリーであるものの、奇才と呼ばれるスパイク・ジョーンズ監督の作品だけに、独特な表現で「愛」が描かれる。
近未来が舞台でロボットが主人公という設定ながら、純粋さと自己犠牲愛といった動物的なメンタリティーの側面を描写し、いのち・こころを感じさせるストーリー。ロボットを通して人間本来の姿、純愛を表現している。
ロボットの声を担当したのは『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ、『わたしを離さないで』のアンドリュー・ガーフィールド。本作が2013年の長編作『her 世界でひとつの彼女』につながっているのは言うまでもないだろう。
ヴァージン・スーサイズ
The Virgin Suicides
(1999年 アメリカ 98分 )
■監督・脚本 ソフィア・コッポラ
■原作 ジェフリー・ユージェニデス
■撮影 エドワード・ラックマン
■音楽 AIR
■出演 キルスティン・ダンスト/ジェームズ・ウッズ/キャスリーン・ターナー/ジョシュ・ハートネット/ハンナ・ハル/チェルシュ・スウェイン/A・J・クック/レスリー・ヘイマン/ダニー・デヴィート
■1999年カンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品
70年代、ヘビトンボが美しい郊外の街を覆いつくす6月。リズボン家の美しい5人姉妹の末娘セシリアが、剃刀で腕を切った。近隣の少年たちがリスボン姉妹に強く惹かれ始めたのは、この自殺未遂がきっかけだった。何とか一命を取り留めたセシリアだったが、数日後に開かれたパーティーの最中に、再び窓から身を投じ、死んでしまう…。
巨匠フランシス・フォード・コッポラの娘として、90年代にはファッション・アイコンとしてガーリー・カルチャーを牽引し、常にメディアの注目を浴びてきたソフィア・コッポラ。27歳にしてフォトグラファー、女優、デザイナーとして成功していた彼女が映画監督として歩み出すきっかけとなった、記念すべきデビュー作が『ヴァージン・スーサイズ』だ。
ジェフリー・ユージェニデスのベストセラー小説に魅せられたソフィアが、自ら脚本を書き創り上げた本作。思春期の強烈な感受性の渦巻きを、独特な“ガーリー”な映像で描いた作風に、99年のカンヌ映画祭に集まった人々は熱狂した。そしてにわかに“映画監督ソフィア・コッポラ”が誕生したのである。