例えば、誰かに恋をしているとき。大きな夢を持ったとき。
壁にぶつかって、どんなに辛くても、相手が笑っていてくれるだけで、
ほんの少し夢の理想に近づけるだけで、世界一の幸せを味わえたりしませんか?
『きっと、星のせいじゃない。』の主人公ヘイゼルは末期のガン患者です。
自分の人生が短いと知っている彼女は「自分が死ぬことで、誰も傷つけたくない」と、周りとの関係に距離を置こうとします。
ですが、そんな彼女に恋をしてしまったオーガスタスはこう告げるのです。
「僕たちは誰しも死ぬ運命にあることも、僕たちの努力がいつか全て徒労になる日がやってくることもわかってる、
それでも僕は君に恋してるんだ」
人生の長さは、誰にも決められません。ですが、オーガスタスの大きな愛をうけて彼女の毎日は輝きはじめます。
残酷な運命の中にある彼らの青春は、残された時間の長さなど忘れてしまうくらい、希望に溢れていくのです。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の主人公カールは、
料理を愛するあまり、家族とも上手く付き合えず、職場もクビになってしまいます。
好きなものに夢中になれる喜びが、彼の人生を曇らせてしまうのです。
けれど彼は諦めません。一念発起のフードトラックに乗って、自分の理想を追い求めていきます。
「この世でいちばん幸せなことがある。なんだと思う?
自分が一生懸命作ったものを、人に味わってもらうことだよ」
息子に作るソーセージサンド、一流レストランのフォンダンショコラ、
友人に作るぺペロンチーノ、フードトラックのキューバサンド・・・。
どこで、誰に作ろうが、美味しいの一言さえあればいい。
それだけで、彼は人生という旅路を、どこまでも進んでいけるのです。
変えられない運命も、困難な状況も、絶望していたらあっという間に一生は終わってしまいます。
今、一番したい事、幸せになれる事を追い求めていく。
その喜びは、若い時だけのものでも、長く生きた人のものでもない、
この瞬間を生きる全ての人に与えられたものなのだと、主人公たちは教えてくれる気がします。
今週は、毎日頑張っているあなたのための二本立てです。
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
CHEF
(2014年 アメリカ 115分 シネスコ)
2015年6月27日から7月3日まで上映
■監督・製作・脚本・出演 ジョン・ファヴロー
■製作 セルゲイ・ベスパロフ
■撮影 クレイマー・モーゲンソー
■編集 ロバート・レイトン
■出演 ソフィア・ベルガラ/ジョン・レグイザモ/スカーレット・ヨハンソン/ダスティン・ホフマン/オリヴァー・プラット/エムジェイ・アンソニー/ボビー・カナヴェイル/ロバート・ダウニーJr.
ロサンゼルスにある一流レストランの総料理長カール・キャスパーは、メニューにあれこれと口出しするオーナーと対立し、突然店を辞めてしまう。次の仕事を探さなければならない時にマイアミに行った彼は、絶品のキューバサンドイッチと出合う。その美味しさで人々に喜んでもらうおうと、移動販売を始めることに。譲り受けたボロボロのフードトラックを改装し、マイアミ〜ニュー・オリンズ〜オースティン〜ロサンゼルスまで究極のサンドイッチを作り、売る旅がスタートした――。
『アイアンマン』シリーズの監督ジョン・ファヴローがシリーズ最新作の監督を降板してまでも「今一番作りたかった」という本作。自ら監督・製作・脚本・主演の4役を務め、自分の思い通りに作る自由を得るため、インディペンデント作品として制作した。全米ではわずか6館上映でスタートした後、クチコミで評判が広がり1298館へと拡大、6ヶ月以上に渡る異例のロングラン大ヒットを記録している。
監督自身が主人公のカールを演じるほか、その友人役をジョン・レグイザモ、カールの元妻を『マチェーテ・キルズ』のソフィア・ベルガラが務める。その他にも、ロバート・ダウニーJr.、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマンら、ファヴローの人脈ならではの豪華スターが集結している。ジューシーな料理の数々やゴキゲンなラテン音楽、旅行気分を味わえる風景――観終わった後の爽快感はピカイチな珠玉のハートフルコメディが誕生した。
きっと、星のせいじゃない。
THE FAULT IN OUR STARS
(2014年 アメリカ 126分 ビスタ)
2015年6月27日から7月3日まで上映
■監督 ジョシュ・ブーン
■原作 ジョン・グリーン「さよならを待つふたりのために」(岩波書店刊)
■脚本 スコット・ノイスタッター/マイケル・H・ウェバー
■撮影 ベン・リチャードソン
■編集 ロブ・サリヴァン
■音楽 マイク・モーギス/ナサニエル・ウォルコット
■出演 シャイリーン・ウッドリー/アンセル・エルゴート/ローラ・ダーン/サム・トラメル/ナット・ウルフ/ウィレム・デフォー/ロッテ・ファービーク
ヘイゼル・グレースは末期のガン患者。今は奇跡的に薬が効いているが、学校にも行けず、友だちもなく、酸素ボンベが手放せない。ある時ヘイゼルは、両親に言われていやいや参加したガン患者の集会で、片足を切断して骨肉腫を克服したガスと出会う。ガスは独自の感性が光るヘイゼルに恋をするが、ヘイゼルは彼を傷つけまいと頑なに距離を置く。そんな彼女に素晴らしい贈りものをするガス。ヘイゼルが大好きな作家にメールを送り、返信をもらったのだ。二人は作家に招待されて、オランダに行くことになるが…。
原作は、ジョン・グリーンが16歳で亡くなった友人をモデルに書き上げ、「ニューヨーク・タイムズ」の2012年のベストセラーリスト第1位になった「さよならを待つふたりのために」。この小説を『(500)日のサマー』を手掛けた脚本家コンビが脚色し、監督を『ハッピーエンドが書けるまで』で注目された新鋭ジョシュ・ブーンが務めた。不治の病にかかった若い男女が主人公でありながら、まぶしいくらいの明るさと、抱えきれないほどの希望に満ちた本作は、全米で公開するや初登場1位となった。
主役の二人には、『ファミリー・ツリー』で数々の賞を受賞したシャイリーン・ウッドリーと、『キャリー』のアンセル・エルゴート。7冠獲得の快挙を成し遂げたティーン・チョイス・アワードの主演賞にそろって輝いた。その他、『インランド・エンパイア』のローラ・ダーン、『グランド・ブダペスト・ホテル』のウィレム・デフォーら個性派が出演。世界中が恋に落ちた、すべての人生を輝かす感動の物語をあなたに――。