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アスリートなら、誰しもが経験するであろう『極限』。
例えば…松岡修三を想い浮かべると良く分かる。
常に大きな声で、厳しい顔で、「まだまだ!まだまだ!」と叫び、自らを追い込んでいく。
気付けば彼は敵と闘っているのではない。勝とうとしているのは、彼自身に、だ。
精神的に追い込まれ、不安や恐怖、そして焦り…。
様々なものと闘った後に極限の状態になると、最後に立ちはだかるのは
自分自身。

どん底の状況に置かれた『127時間』のアーロンと、プリマという頂点に立った『ブラック・スワン』のニナ。
二人は対極でありながら、一つの共通点で交わっている。
「死」が近づいてくる実感、恐怖と焦りがアーロンを極限に追い込む。
ニナは、トップという「重圧」から極限に追い込まれていく。

もしも突然、死にそうになったら…。
想像を絶するほどに過酷な127時間を経て、アーロンは「生きたい」という願いに辿りつく。
そして「生きる」為に決断する。
人間がどん底から這い上がる力は計り知れない。
極限まで行き着いた時にしか出せない力があるのだ。
「生きる」ことにこんなにも貪欲になった人間の姿は衝撃的ですらある。
だが同時に、その力強さと命の尊さに熱い感動を覚えずにはいられない。

一方、厳格なバレエの世界に生きるニナはバレエが命。
そんな彼女がプリマという夢を手にした時、喜びと共に不安が押し寄せて来る。
舞台で美しく輝けるのは一瞬。
だからこそ、彼女たちバレリーナは自分を追い込み、儚い命を必死に生きようとする。
もしもその一瞬の終りがすぐそこまできているとしたら…。
ニナは目に見えない不安に駆られ、もがき苦しむ。
彼女が叶えたかったものは、「完璧になりたい」という願いだった。
舞台に立つ者が懸ける情熱・努力は、半端なものではない。
しかし、完璧を求めるが故にプレッシャーに押しつぶされ、
心の闇が彼女を乱してゆく。
一体、真の強さとは何なのだろうか?

極限…その一線を超えた時、彼らになにが起こるのか。
二人の主人公の心の葛藤とその結末は、是非あなたの目で確かめて下さい。

結局、最後に自分を救えるのは、自分なんです。

(モッサ)

127時間
127 Hours
(2010年 アメリカ/イギリス 94分 ビスタ/SRD) 2011年11月26日から12月2日まで上映 ■監督・製作・脚本 ダニー・ボイル
■原作 アーロン・ラルストン『奇跡の6日間』(小学館刊)
■脚本 サイモン・ボーフォイ
■撮影 アンソニー・ドッド・マントル/エンリケ・シャディアック
■音楽 A・R・ラフマーンア

■出演 ジェームズ・フランコ/アンバー・タンブリン/ケイト・マーラ/リジー・キャプラン/クレマンス・ポエジー/ケイト・バートン/トリート・ウィリアムズ

■インディペンデント・スピリット賞主演男優賞/放送映画批評家協会賞歌曲賞 ほかアカデミー賞、英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など多数ノミネート

■オフィシャルサイト http://127movie.gaga.ne.jp/

断崖に右腕を挟まれ、動けなくなったクライマー。
迫る死の恐怖と<生きたい>と願う情熱が、
闘い続けた、激動の127時間――

pic金曜の夜、アーロンはロッククライミングを楽しむため、ブルー・ジョン・キャニオンに向けひとり出発した。だが、運命の瞬間が彼に襲い掛かる。落石に右腕を挟まれ、谷底から一歩も動けなくなってしまったのだ。助けを求める叫び声は無人の荒野にむなしく呑み込まれ、持てる知恵と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ピクリとも動かない。死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、決して心を開かなかった。両親にも、友達にも、恋人にも――。衰弱した身体を引き裂くように襲いかかる後悔、そして、湧き上がる命への情熱。生きたい。生きなおしたい!

そして、生命の限界を超えた127時間後、アーロンは<決断>した。谷底で激しく求めた“新たな人生”を生きるために――。

あきらめるな、未来を笑え。
奇跡の実話から生まれた、
ダニー・ボイル監督最新作!    

pic2008年、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞8部門に輝いたダニー・ボイル監督の待望の新作が、遂に完成した。ストーリーは断崖に挟まれ動けなくなった男の実話というハードな設定。ところが、世界各国で上映されるや否や、人々が発信したのは、生きる喜びを称える明るく力強い称賛コメントの数々だった。

岩に挟まれて動けないという状況ゆえに、主人公には約90分間観客の関心を惹きつけるだけの魅力と、人間が持つありとあらゆる感情を奥深く表現する演技力を兼ね備えた人物が必要だった。ボイルの心にまっさきに浮かんだのが、ハリウッドの人気俳優、ジェームズ・フランコ。メガヒット作『スパイダーマン』シリーズ、ガス・ヴァン・サントの『ミルク』、『スモーキング・ハイ(日本未公開)』など、バラエティに富んだ経歴を持ち、本作ではアカデミー賞主演男優賞をはじめ数々の賞にノミネートされた。また、撮影監督には『スラムドッグ$ミリオネア』のアンソニー・ドット・マントルと『28週後…』のエンリケ・シャディアックの2人が起用された。変化に富んだダイナミックな映像で、観客を驚きと感動の渦へと引きずり込む。

「この映画で描きたかったのは、単なる主人公の生還物語ではない。アーロンの生命力は、個人としての卓越した<勇気>というレベルをはるかに超えていて、その生命力をスクリーンに映し出したかったんだ。僕は、身動きできないヒーローのアクション映画を作ろうとしたんだよ。」――ダニー・ボイル(パンフレットより引用)


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ブラック・スワン
BLACK SWAN
(2010年 アメリカ 108分 R15+ シネスコ/SRD) 2011年11月26日から12月3日まで上映 ■監督 ダーレン・アロノフスキー
■原案・脚本 アンドレス・ハインツ
■脚本 マーク・ヘイマン/ジョン・マクラフリン
■撮影 マシュー・リバティーク
■音楽 クリント・マンセル

■出演 ナタリー・ポートマン/ヴァンサン・カッセル/ミラ・クニス/バーバラ・ハーシー/ウィノナ・ライダー

■アカデミー賞主演女優賞/ヴェネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)/NY批評家協会賞撮影賞/LA批評家協会賞撮影賞/ゴールデン・グローブ女優賞(ドラマ)/英国アカデミー賞主演女優賞/インディペンデント・スピリット賞作品賞・監督賞・主演女優賞・撮影賞/放送映画批評家協会賞主演女優賞 ほか多数受賞・ノミネート

■オフィシャルサイト http://movies2.foxjapan.com/blackswan/

純真と官能 美と狂気がせめぎ合う映像世界
それは誰も観たことのない「白鳥の湖」と、
禁断の魔性に染まりゆくバレリーナの物語

picニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。しかし純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦だった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーの出現も、ニナを精神的に追い詰めていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった……。

女優がやり遂げうる限界点の突破に挑み、
孤独なアーティストの苦悩と変貌を体現した
ナタリー・ポートマンの入魂の演技

ニューヨーク・シティ・バレエ団などの全面協力を得て、『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督が念願の企画に挑戦。チャイコフスキーの流麗な旋律に彩られ、幻想的な世界が繰り広げられる「白鳥の湖」をモチーフに、想像を絶する衝撃的な映画が誕生した。バレリーナの試練と孤独、ライバルへの嫉妬や憧れを極限レベルの心理劇として映像化した本作は、人間に秘められた驚くべき二面性や変身願望をえぐり出し、観る者を未知なる禁断の領域へと誘う。果たしてクライマックスのステージに舞い降りるのは崇高なる奇跡か、壮絶なる破滅か。かつて誰も観たことのない、圧倒的なカタルシスに満ちた「白鳥の湖」の幕が開く。

主演女優に心身の限界を超えた役作りを要求する『ブラック・スワン』は、ナタリー・ポートマンの並外れた情熱なくしては成り立たなかった。10ヵ月に及ぶ過酷なトレーニングで、バレリーナ特有のしなやかな肉体を獲得。劇中の舞踏シーンの大半を自らこなし、“白”と“黒”の完璧なハーモニーを追及するヒロインの複雑な内面のうねりを鬼気迫るリアリティで演じきった。まさしく役柄に憑依されたように、驚異的なメタモルフォーゼ(変容)を体現してみせた入魂の演技で、アカデミー賞主演女優賞をはじめ数々の賞を総なめにした。


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