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― 無茶で無謀といったって、先が見えれば進むんだ! これぞ桜舞い散る男道! さすれば女神も微笑むさ!! ―

男は元来、挑戦者である。けれど、世間の荒波は熱き野望を持つ男達の行く手を阻んでゆく。
不可能、逆境、無理、無謀。こんな言葉はクソ食らえ!

やって参りました!ブラッド・ピット主演・プロデューサーの『マネーボール』
弱小・貧乏メジャーリーグ球団アスレチックスが目指すはジャイアント・キリング!

チームのゼネラルマネージャーであり瞬間湯沸かし器の異名を持つ熱い男ビリー・ビーンは奮起する。
「自分を含め、野球界の端に追いやられたすべての男達のために成功しなければ」
ビリー・ビーンは今まであまり注目されていなかった、選手の成績データを用いてゲームに勝つ理論に目をつける。
その名も「マネーボール理論」。金が無いなら賢く行かないと!

しかし、新しい考え方は受け入れられず逆境の嵐。強い信念で孤独に、時に強引に理論を押し進めるビリー。
これはブラッド・ピットだって同じ事。
映画化困難と言われたこの作品に製作から4年も携わり、3人の監督が変わる逆境を乗り越え完成へとこぎつける。

この製作陣の挑戦的な映画作りとビリー達の物語はシンクロし、男の汗臭さと、その裏に潜む美しい涙の男道が誕生!

もう一本は『50/50 フィフティ・フィフティ』
iPod片手にジョギングしている酒もたばこもやらない今風文化系男子の主人公アダム。
彼に突然告げられた病気は“ガン”。27歳の若さで5年生存率50%のまさかの余命宣告。

誰しも「死」を意識した時に心に押し迫る恐怖。そんな時に頼るものってやはり家族や友達!
あれ? でも病気のことを気づかって普通に接してくれない。「死」は周りにも変化を及ぼす怖いヤツです。

でも、アダムの親友カイルは言う。
「50/50? 悪くない! カジノならバカ勝ちだ」
そして2人は病をネタにナンパへ繰り出すのです。

そんなカイルのユーモラスで無神経な振る舞いは、アダムの心に安らぎと病と戦う勇気を与える。
自分の「死」に対する意識の変化が、対極する「生」の輝きを解き放つ。
そして、その光は雲間から顔を出した太陽のようにアダムの世界をゆっくり照らし温めます。

しかしここからが大変なところ。リアルに描かれた抗がん剤での体力的にも精神的にも辛い治療。
それを目の当たりにしてもなお、アダムを支え続ける周りの人々。
これに俳優たちの等身大の演技が合いまって、我々の心に効いてくるのです。

ビリー・ビーンとアダム。
「勝つか負けるか」「生きるか死ぬか」
少しでも勝機があるならば、志高く男道をギリギリいっぱいで突っ走る男達。
男たちに勝利の女神はほほえむのだろうか?

新年度が始まり少しナイーブになる今日この頃。早稲田松竹で勇気と元気補充しませんか。
(まつげ)

50/50 フィフティ・フィフティ
50/50
(2011年 アメリカ 100分 PG12 ビスタ/SRD) 2012年4月21日から4月27日まで上映 ■監督 ジョナサン・レヴィン
■製作 エヴァン・ゴールドバーグ/セス・ローゲン/ベン・カーリン
■脚本・製作総指揮 ウィル・ライザー
■撮影 テリー・ステイシー
■音楽 マイケル・ジアッキノ

■出演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット/セス・ローゲン/アナ・ケンドリック/ブライス・ダラス・ハワード/アンジェリカ・ヒューストン/マット・フルーワー/フィリップ・ベイカー・ホール/サージ・ホード

27歳、生存率50%のガン宣告。
友だち、家族、仕事、好きなひと…
人生、あきらめるには早すぎる。

pic酒もたばこもやらない“普通”の青年アダムに突然告げられた病気は“ガン”だった。27歳という若さで、5年生存率50%のまさかの余命宣告。その日からアダムの生活環境は一変。画家の恋人レイチェルは、闘病生活を助けると言い、アルツハイマーの父の世話で大変な母は同居を提案してくる。会社の仲間も心配してパーティを開いてくれるが、みんなよそよそしく、誰も今までどおりに接してくれない! ただ一人、女好きの親友カイルをのぞいては。

医師が紹介してくれたセラピスト、キャサリンの診察を受け始めたアダム。まだ24歳でセラピーの経験が少ない彼女に不安を感じつつ、手探りのカウンセリングやカルとの日々を通じて“ガン”の日々を笑い飛ばそうとする。カイルも相変わらずの能天気さでアダムをクラブに連れ出したりしてくれるが、刻一刻と進行する病魔に、やがてアダムは平穏を装うことができなくなっていく…。

それでも人生は、楽しい、可笑しい!!
ガンを克服した脚本家の実体験を完全映画化
ユーモアに満ちたハートフル・エンターテインメント!

picガンを克服した実体験のもと、ガン患者自身の葛藤や周囲の人たちとの複雑な関わり合いの物語を、心温まるエンタメ作品として書き上げた脚本家のウィル・レイサーは、友人のセス・ローゲン等と共に本作の映画化に乗り出した。監督は、ミシェル・ゴンドリー、ウェス・アンダーソンに続く新たな才能ジョナサン・レヴィンが務め、シリアスとコメディを絶妙なバランスで仕上げている。

picガンを宣告される主人公アダムには『(500)日のサマー』『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィットが熱演。アダムのために奮闘し、やがて心を通わせる新米セラピスト、キャサリンには『マイレージ・マイライフ』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたアナ・ケンドリック。女好きのアダムの親友、カイルには『グリーン・ホーネット』のセス・ローゲンがプロデューサーと兼任して出演。他にも『ヒア・アフター』のブライス・ダラス・ハワード、『ダージリン急行』のアンジェリカ・ヒューストンなど実力派俳優が脇をかため、【生存率50%の中で、人はいったい何を考え、誰を想うのか?】というドラマに説得力を与えている。


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マネーボール
MONEYBALL
(2011年 アメリカ 133分 ビスタ/SRD) 2012年4月21日から4月27日まで上映 ■監督 ベネット・ミラー
■製作 マイケル・デ・ルカ/レイチェル・ホロヴィッツ/ブラッド・ピット
■セグゼクティブ・プロデューサー スコット・ルーディン
■脚本 スティーヴン・ザイリアン/アーロン・ソーキン
■原作 マイケル・ルイス「マネーボール」(武田ランダムハウスジャパン刊)
■撮影 ウォーリー・フィスター
■音楽 マイケル・ダナ

■出演 ブラッド・ピット/ジョナ・ヒル/フィリップ・シーモア・ホフマン/ロビン・ライト/クリス・プラット/スティーヴン・ビショップ/ケリス・ドーシー

■2011年アカデミー賞作品賞・主演男優賞・助演男優賞その他3部門ノミネート/2011年全米批評家協会賞主演男優賞受賞/2011年NY批評家協会賞男優賞・脚本賞受賞

常識を打ち破る理論で
野球を変えた
ひとりの異端児の闘い。

pic選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も見なければ、腹がたったら人やモノに当り散らす短気で風変りな男。ある時ビリーは、イェール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出す。それは、後に「マネーボール理論」と呼ばれる“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”という戦略だった。

当初は理論が活きず、選手や監督らの反発を生み、チーム状況は逆に悪化していった。だが、それでも強引に独自のマネージメントを加速させていくビリー。その揺るぎない信念と情熱は、チームに勝利をもたらすにつれ、少しずつだが選手たちや経営陣を動かし、やがて公式戦20連勝という記録的偉業を成し遂げる。こうして手腕が認められ、腕利きの経営者として他球団からの誘いが舞い込むようになってきた頃、ビリーは心の奥底に眠っていた自身のある問題に気が付くのだった…。

ブラッド・ピットが実在の名GMの生きざまを熱演!
メジャーリーグを舞台に贈る
終わりなき挑戦への軌跡!

ソロモン・ブラザーズの債券トレーダーから作家へと転身したマイケル・ルイスが2003年に出版した「マネーボール」。この物語は、弱小チームの貧乏球団アスレチックスが、大金や強豪チームが支配する不公平なシステムに挑戦していくサクセス・ストーリーである一方で、リスクだらけのビジョンを現実のものとしていく魅力的な男たちの姿を描いた作品でもある。

pic大ベストセラーとなった原作の映画化に、強力なスタッフが集まった。『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞を受賞したアーロン・ソーキンと『シンドラーのリスト』で同賞を受賞したスティーヴン・ザイリアンによる脚本。製作は『ソーシャルネットワーク』のマイケル・デ・ルカとスコット・ルーディンのコンビで、監督は『カポーティ』のベネット・ミラー。この強力な製作陣に、『ツリー・オブ・ライフ』でも見事な演技を披露したブラッド・ピットが製作・主演に加わった。ブラッドは、古い常識を打ち破り自分の信念を貫く男の強さと、チーム低迷に焦るなか、離れて暮らす娘との交流に安らぎを見出す父親のナイーブさを、鮮やかに力強く演じている。


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