パトニー・スウォープ デジタル・レストア・バージョン
Putney Swope
■監督・脚本 ロバート・ダウニー
■アソシエイト・プロデューサー ロナルド・サリバン
■撮影 ジェラルド・コッツ
■編集 バド・S・スミス
■音楽 チャーリー・クーバ
■出演 アーノルド・ジョンソン/ローラ・グリーン/バディ・バトラー/アンソニー・ファーガス/ローレンス・ウォルフ
【2023/1/14(土)~1/20(金)上映】
カウンターカルチャーの異端児ロバート・ダウニー監督の 幻のカルトムービー!
1960年代のニューヨーク。マディソン・アベニューにある名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社の唯一の黒人役員(といっても楽曲担当)であるパトニー・スウォープが予想外の結果によって新社長に選出される。早速、スウォープは会社の名前をTruth and Soulに変更し、ほぼすべての白人役員を解雇してしまう。破壊的で奇抜で斬新だが悪趣味ともいえる過激な広告キャンペーンは次々とヒット商品を生み出し、会社は新たな成功へと飛躍する中、なんとスウォープは国家安全保障への脅威であるとして、アメリカ大統領ミミオの陰謀に巻き込まれることになる…。
アメリカ映画史上最重要作の一本、半世紀を経て遂に日本初上陸!
2021年7月7日、85歳でこの世を去ったロバート・ダウニー。息子でありハリウッドを代表するスター俳優であるダウニー・Jr.は、インスタグラムに父親について投稿し、「昨夜、パーキンソン病に何年も耐えた後、父親は安らかに眠りについた…彼はアメリカ映画界における偉大なる真の異端児だった。」と記した。カウンターカルチャー時代の風雲児であり、アンダーグラウンド映画の助産師という異名を持ち、晩年はロバート・ダウニー・Jr.の父親として知られたダウニーの代表作『パトニー・スウォープ』が、50年余りの時を経てついに日本初公開された。
1969年の全米公開時、独自の過激なユーモアと世の中のあらゆる欺瞞を風刺する時代の先駆的作品として賛否両論とともに大ヒットした本作は、同時期に世にあらわれた『イージー★ライダー』とともにアメリカ映画史においての歴史的最重要作とされ、アメリカ国立フィルム登録簿にも保存されている。BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動などが声高に叫ばれる現代にその先見性をどのように見るか、まさにタイムリーな作品である。
『リコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソン監督は、本作を最も影響を受けた映画のひとつとして挙げている。97年の出世作『ブギーナイツ』ではロバート・ダウニーを役者として起用したり、ドン・チードル演じるバック・スウォープというキャラクターを創造したり、オマージュを捧げていることでも有名である。
リコリス・ピザ
Licorice Pizza
■監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
■製作 サラ・マーフィ/ポール・トーマス・アンダーソン/アダム・ソムナー
■撮影 マイケル・バウマン/ポール・トーマス・アンダーソン
■編集 アンディ・ユルゲンセン
■音楽 ジョニー・グリーンウッド
■出演 アラナ・ハイム/クーパー・ホフマン/ ショーン・ペン/トム・ウェイツ/ブラッドリー・クーパー/ベニー・サフディ
■第94回アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞ノミネート
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【2023/1/14(土)~1/20(金)上映】
目が眩むほどまぶしくても、君から目をそらすことができなかった。
1970年代、ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタインは子役として活躍していた。アラナ・ケインは将来が見えぬまま、カメラマンアシスタントをしていた。ゲイリーは、高校の写真撮影のためにカメラマンアシスタントとしてやってきたアラナに一目惚れする。「君と出会うのは運命なんだよ」強引なゲイリーの誘いが功を奏し、食事をするふたり。
「僕はショーマン。天職だ」将来になんの迷いもなく、自信満々のゲイリー。将来の夢は? 何が好き? ……ゲイリーの言葉にアラナは「分からない」と力なく答える。それでも、ふたりの距離は徐々に近づいていく。
誰もが「あの頃の気持ち」を思い出す…ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作!
『マグノリア』でベルリン国際映画祭金熊賞、『パンチドランク・ラブ』でカンヌ、『ザ・マスター』でヴェネチア、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でベルリンと世界三大映画祭すべてで監督賞受賞の伝説を作り、常に世界中の映画ファンが新作を心待ちにしている天才監督ポール・トーマス・アンダーソン。最新作『リコリス・ピザ』はオリジナル脚本の完成度の高さ、細かな脇役に至るまで行き届いた演出が高く評価され、本年度アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされたほか、世界中の映画賞を席巻した。
主演は三姉妹バンド、ハイムの三女であるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾り、主演女優賞やブレイクスルー賞を総なめに! 脇を固める俳優も曲者揃いだ。ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディとレジェンドが集結し、実在の人物をモデルにしたアクの強い登場人物を生き生きと演じている。
主人公ふたりの感情に寄り添う音楽を手掛けたのはレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。ポール・トーマス・アンダーソン監督とは本作で5作目のタッグとなる。劇伴のほか、数々の楽曲が全編を彩り、こだわり抜いた、セット、小道具、ファッション、ヘアスタイルが70年代を完璧に再現する。
【レイトショー】ブギーナイツ(無修正版)
【Late Show】Boogie Nights
■監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
■製作 ロイド・レビン/ジョン・ライアンズ/ポール・トーマス・アンダーソン/ジョアン・セラー
■撮影 ロバート・エルスウィット
■編集 ディラン・ティチェナー
■音楽 マイケル・ペン
■出演 マーク・ウォールバーグ/バート・レイノルズ/ジュリアン・ムーア/ヘザー・グラハム/ジョン・C・ライリー/ウィリアム・H・メイシー/ドン・チードル/フィリップ・シーモア・ホフマン
■1997年全米批評家協会賞助演男優・助演女優受賞/1998年アカデミー賞助演男優・助演女優・脚本賞ノミネート/ゴールデン・グローブ賞助演男優賞受賞ノミネート ほか多数受賞・ノミネート
Image © 1997 New Line Productions, Inc. Courtesy of Park Circus/Warner Bros.
【2023/1/14(土)~1/20(金)上映】
誰もが夢を追い続けていた。誰もがピカピカのプライドを持っていた。輝くために。後ろを振り返らないために…。
1977年、ロサンジェルス郊外サン・フェルナンド・ヴァレー。輝くネオン、夢と欲望が渦巻くこの街のナイトクラブで、ひとりの少年エディ・アダムスが、ポルノ映画監督ジャック・ホーナーにスカウトされる。「ジーンスの股の間に宝が眠ってるぞ」。その一言がきっかけで何の取り柄もなかった高校生が、一夜にしてスター街道を駆け上がっていくことになる。あの、たったひとつの取り柄だけで…。しかし、彼の前には頂点を極めたものが簡単に坂道を転げ落ちていくだけに十分な、誘惑の罠が待ち受けていた…。
アメリカのポップ・カルチャー・シーンを背景に、ポルノ業界の人々の心の葛藤と業界の裏側を鋭く描く人間ドラマ
ポール・トーマス・アンダーソン監督は撮影当時、若干26歳。この若さで描き出した70~80年代の世界はまさに当時そのもの。安っぽく光るサイケデリックなネオン、クラブではなくディスコ(!)。ダンスシーンやファッション、全編に弾けるファンク・ナンバーまで徹底的に時代背景をえぐる。主人公のダーク・ディグラーのモデルは、知る人ぞ知るポルノ界の大スター、ジョン・ホームズ。彼の華やかで切ない人生が、どこかまじめにどこかズレて描かれていく。
物語の核を成すのは、ポルノ映画業界に属する人間がどのようにして自己とファミリーを形成していくのかということ。彼らの人生は、成功の高みから惨めな転落まで、さまざまな体験を共有することで絡みあい、そのなかで愛や自らの尊厳を見つけ出し、世間に受け入れてもらいたいと試行錯誤する。『ブギーナイツ』は愛、涙、友情、笑い、ドラッグ、暴力、セックス…等、人生に必要なすべての要素の詰まったスタイリッシュかつショッキングな人間ドラマである。