【スタッフコラム】馬場・オブ・ザ・デッド by牛 | 早稲田松竹 official web site | 高田馬場の名画座

2026.02.26

【スタッフコラム】馬場・オブ・ザ・デッド by牛

みじか~い2月が光の如く駆け抜けてゆき、3月の番組が続々決定しております。番組担当から、「牛さん絶対好きだと思う」と紹介された作品が、3/14(土)からモーニング&レイトショーで上映される鈴木清順監督の『悲愁物語』です。こちらの作品を存じ上げておらず、あらすじを読んでみて仰天。「若く美しい女子プロゴルファーが、ハード・トレーニングに耐え…」「大スターの地位を獲得するが、やがて住民エゴむき出しの主婦族によって…」となにやら、興味深い文言の数々に思わず笑ってしまいました。実は、この週に2本立てとして上映する『キムズビデオ』(NYに実在した伝説的レンタルビデオショップを追ったドキュメンタリー作品)にこの『悲愁物語』が登場するのだとか。

さらに話を聞いてみると、『悲愁物語』は海外でカルト的な人気を誇っているようで、日本では知名度が低いぶん、ますますその全貌が気になります。今回はそんな『悲愁物語』に並ぶ、海外でも評価が高い伝説カルト恐怖映画をご紹介します。

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(69)はキング・オブ・カルト石井輝男監督の代表作といっても差支えない、言わずと知れた作品です。江戸川乱歩原作の「パノラマ島奇譚」を基に映像化された本作では、日本海に浮かぶ孤島を舞台に、衝撃映像の数々が映し出されます。興行的には失敗作だったものの、度重なるリバイバル上映で根強い人気を博し、2007年に日本より先に海外でソフト化された伝説の作品です。前衛舞踏家である土方巽さんの摩訶不思議な踊り、衝撃的なラストシーンが忘れられず、今でも思い出しては悪夢にうなされそうになる1本です。

『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(76)は牧口雄二監督による徳川時代の壮絶な拷問の数々を描いた元祖(?)スプラッタームービー。江戸時代に存在した「牛裂きの刑」「鋸引きの刑」(※検索注意)など、作中ではあらゆる処刑が網羅されています。こちらの作品も、日本よりも先に海外で円盤化されたという逸話が残っているなど、言葉が分からなくても、衝撃映像に惹きつけられてしまう人間の業のようなものを感じてしまいます。それにしても、こんな刑が実際に施行されていた時代に生まれなくて本当によかったと思うしかありません。

今では動画配信サービスなどで、気軽に簡単に映画が楽しめる時代ですが、そうではなかった時代。その作品の持つ衝撃が日本だけに留まらず、海を越えた先にいる映画ファンまでに広がったなんて、とてもすごいことだと思いませんか? ますます、3/14(土)からの上映が楽しみになる牛なのでした。

(牛)