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Gus Van Sant

■ガス・ヴァン・サント

米ケンタッキー州ルイビルの出身。絵画と映画を学んだ後、CM製作を経て『マラノーチェ』('85)でデビュー。『ドラッグストア・カウボーイ』('89)でNYとLAの批評家協会賞最優秀脚本賞を受賞し、注目を集めた。

その後はハリウッドの若手スターを主演に迎え数々の作品を発表。マット・デイモン&ベン・アフレックの脚本を映画化した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』('97)ではアカデミー9部門にノミネートされた。

コロンバイン高校の銃乱射事件を題材にした『エレファント』('03)はカンヌ国際映画祭でパルムドールと監督賞をW受賞。ゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクの半生を描いた『ミルク』('08)でもアカデミー賞にノミネートされた。

最新作は日本の樹海が舞台である、マシュー・マコノヒー主演『Sea of Trees(原題)』。

filmography

マラノーチェ('85)監督/製作/脚本/編集
・ドラッグストア・カウボーイ('89)監督/脚本
・マイ・プライベート・アイダホ('91)監督/脚本
・カウガール・ブルース('93)監督/製作総指揮/脚本
・誘う女('95)監督
・KIDS/キッズ('95)製作総指揮
・グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち('97)監督
・サイコ('98)監督/製作
・スピードウェイ・ジャンキー('99)<未>製作総指揮
・小説家を見つけたら('00)監督
・ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲('01)出演
・GERRY ジェリー('02)監督/脚本/編集
エレファント('03)監督/脚本/編集
・ターネーション('04)製作総指揮
・ラストデイズ('05)監督/脚本/編集
パリ、ジュテーム('06)監督/脚本※オムニバス
パラノイドパーク('07)監督/脚本/編集
・それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜('07)監督※オムニバス
ミルク('08)監督
・8 -Eight-('08)監督※オムニバス
永遠の僕たち('11)監督/製作
・プロミスト・ランド('12)監督/製作総指揮
わたしはロランス('12)製作総指揮
・ザ・ハリウッド('13)出演

アメリカ北西部に位置するオレゴン州最大の都市ポートランド。ここは秋から冬の間は雨が続き、長く暗い冬が訪れる。ガス・ヴァン・サントはこの地で思春期を過ごし、映画を作り始めた。

初期監督作3本はいずれもポートランドが舞台であり“ポートランド三部作”といわれる。 どの作品も主人公の若者たちは欲望や生活のために行動し、世間に怯え立ち止まり、 心に生じる問題を解決するために彷徨う。そして、時に彼らは世の中の枠組みをも越えていってしまう。

だが、ガス・ヴァン・サントはそんな主人公を肯定するでも否定するでもなくクールに見つめる。 これはポートランドという街の暗く長い冬が、彼に人々を見つめ続ける我慢強さを与えたからではないだろうか。そして、その人々が生活を営むアメリカという土地の面白さを感じていたのだろう。

その後も、インディペンデントとメジャーとの隔てなく、エッジの効いたテーマのヒューマンドラマを次々と世に送り出している。常に俳優やスタッフの才能を活かし、自由に仕事をさせたうえで踏み込む演出は、映画にリアリティをもたせ、多面的な視点を持たせている。

そんな彼は、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で脚本・出演したマット・デイモンと 意気投合し厚い信頼関係ができた。『GERRY ジェリー』、そして最新作は『プロミスト・ランド』で3度目のタッグを組む。

今作は、アメリカの抱えるエネルギー開発問題という大きなテーマを掲げつつも、彼らしいフラットな視点で渦中に置かれる市井の人々を描くことで、そこに生まれる人間のドラマを観客に届けている。

映画に求められている事を的確に捉え、共に作品を作り上げる仲間の才能を紡ぐ。様々なジャンルに挑戦するその身軽さでガス・ヴァン・サントはこれからも進化してゆくであろう。

今週はガス・ヴァン・サントの原点である“ポートランド三部作”からは『マイ・プライベート・アイダホ』と、成熟の中に挑戦が光る最新作『プロミスト・ランド』をお楽しみください。

(まつげ)

マイ・プライベート・アイダホ
MY OWN PRIVATE IDAHO
pic (1991年 アメリカ 102分 DCP PG12 ビスタ)
2015年1月31日-2月6日まで上映
■監督・製作総指揮・脚本 ガス・ヴァン・サント
■製作 ローリー・パーカー
■撮影 エリック・アラン・エドワーズ/ジョン・キャンベル
■音楽 ビル・スタッフォード

■出演 リヴァー・フェニックス/キアヌ・リーブス/ジェームズ・ルッソ/ウィリアム・リチャート/キアラ・カゼッリ

■1991年ヴェネチア国際映画祭男優賞受賞/1991年全米批評家協会賞主演男優賞受賞/1991年インディペンデント・スピリット賞主演男優賞・脚本賞・音楽賞受賞

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pic父親を知らずに育ち、12歳で母親にも捨てられたマイクは、故郷のアイダホを離れ、ポートランドで男娼として生きていた。彼には緊張すると眠ってしまうナルコレプシー病という奇病がある。ある日、客を前にして昏睡状態に陥ってしまったマイク。そんな彼を助けたのは、ポートランド市長の息子でありながら、家を飛び出し、マイクと同じく男娼として生きる少年スコットだった。

アメリカの美しい風景に抱かれた美少年たちのロードムービー

pic『ドラッグストア・カウボーイ』で、ドラッグに溺れる出口のない若者たちの青春をユーモラスに語り、生きることの大切さを強烈に説いたガス・ヴァン・サント監督。売春、同性愛、ドラッグ、近親相姦、ナルコレプシー病というショッキングな題材を用いながら、監督独自の手法で、「家への回帰」というテーマをファンタジックかつ詩的に描きあげたのが、『マイ・プライベート・アイダホ』だ。

pic主演のマイクを演じるのは、『スタンド・バイ・ミー』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』などに出演し、23歳の若さでこの世を去ったリバー・フェニックス。ナルコレプシー病の男娼という難しい役どころを見事に演じきっている。一方の気品高き美少年スコットには、当時『バックマン家の人々』で注目され、『ハートブルー』で主役を射止めたキアヌ・リーブスが当たっている。

『マラノーチェ』『ドラッグストア・カウボーイ』に続く、ポートランド三部作のひとつである本作。数々の名作の舞台となったシアトルから、監督がアメリカで一番美しい町と語るポートランド、地平線の彼方まで小麦色の畑が開けるアイダホ、そして海を越えてローマまで、二人の青年が自分自身と家を探して旅するこの物語は、90年代を代表するロードムービーの傑作である。

プロミスト・ランド
PROMISED LAND
pic (2012年 アメリカ 106分 DCP ビスタ)
2015年1月31日-2月6日まで上映
■監督・製作総指揮 ガス・ヴァン・サント
■製作 マット・デイモン/ジョン・クラシンスキー/クリス・ムーア
■製作総指揮 ロン・シュミット/ジェフ・スコール/ジョナサン・キング
■原作 デイヴ・エッガース
■脚本 ジョン・クラシンスキー/マット・デイモン
■撮影 リヌス・サンドグレン
■音楽 ダニー・エルフマン

■出演 マット・デイモン/ジョン・クラシンスキー/フランシス・マクドーマンド/ローズマリー・デウィット/スクート・マクネイリー/タイタス・ウェリヴァー/ハル・ホルブルック

■2013年ベルリン国際映画祭スペシャルメンション受賞/2012年ナショナルボードオブレビュー表現の自由賞受賞

彼は他人の人生を買い占めてきた。
世界のエネルギー地図を塗り替えるために。

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大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴは、マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーのスーとともにやってくる。マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから、相場より安く採掘権を買い占めるためだった。

スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられたが、予期せぬ障害に行く手を阻まれる。採掘に反対する科学教師と環境活動家が現れ町の人々を説得、採掘の賛否は住民投票によって決められることになった。さらにスティーヴは仕事への信念と情熱を根本から揺るがすような、衝撃の真実を知ることになり…。

マット・デイモン×ガス・ヴァン・サント監督
奇蹟のタッグふたたび!

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順風満帆のエリートコースを歩んできた男が、見知らぬ町で突然人生の岐路に立たされ、何が人間として正しい生き方かという難問を突きつけられる。この映画は、その答えを真摯に導きだそうとする男・スティーヴの姿を描きながら、今のアメリカを揺るがす社会問題にも鋭く切り込んだヒューマンドラマだ。

スティーヴ役のマット・デイモンは、環境活動家の役で出演しているジョン・クラシンスキーと共同で脚本を執筆。それを、デイモンが自身の手で監督するつもりだったが、スケジュールの都合で断念せざるをえなくなり、盟友のガス・ヴァン・サントに助けを求めた。脚本を読んだヴァン・サントはすぐに快諾、映画化が実現した。

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『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』がきっかけでスターの階段を駆け上がる事になったマット・デイモンと、同作でアカデミー賞監督候補になり、『エレファント』『ミルク』など数々の名作を生み出してきたガス・ヴァン・サント監督。この17年、アメリカ映画界を牽引してきた2人が、3度目のタッグを組み、再び胸に迫る感動作を作り上げた。キャストにはフランシス・マクドーマンド、ハル・ホルブルックら実力派がそろった。

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