きみの鳥はうたえる
And Your Bird Can Sing
■監督・脚本 三宅唱
■原作 佐藤泰志「きみの鳥はうたえる」(河出書房新社/クレイン刊)
■企画・製作・プロデュース 菅原和博
■撮影 四宮秀俊
■音楽 Hi’Spec
■製作 函館シネマアイリス
■出演 柄本佑/石橋静河/染谷将太/足立智充/山本亜依/柴田貴哉/水間ロン/OMSB/Hi’Spec/渡辺真起子/萩原聖人
■キネマ旬報ベスト・テン第3位
©HAKODATE CINEMA IRIS
【2019年4月27日から5月3日まで上映】
この夏がいつまでも続くような気がした
函館郊外の書店で働く「僕」は、失業中の静雄と小さなアパートで共同生活を送っていた。ある日、「僕」は同じ書店で働く佐知子とふとしたきっかけで関係をもつ。彼女は店長の島田とも抜き差しならない関係にあるようだが、その日から、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。こうして、「僕」、佐知子、静雄の気ままな生活が始まった。夏の間、3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑いあう。だが微妙なバランスのなかで成り立つ幸福な日々は、いつも終わりの予感と共にあった――。
きらめきに満ちたかけがえのないときを描く、青春映画の傑作
『海炭市叙景』(10)、『そこのみにて光輝く』(14)、『オーバー・フェンス』(16)に続く、佐藤泰志の小説の映画化4作目。監督を務めたのは、『Playback』(12)、『THE COCKPIT』(15)など意欲的な作品を制作してきた新鋭・三宅唱。原作の骨格はそのままに、舞台を東京から函館へ移し、現代の物語として大胆に翻案した。
語り手である「僕」を演じるのは柄本佑。柄本は今年のキネマ旬報主演男優賞に輝いた。友人・静雄役は、若手随一の実力派俳優・染谷将太。そして『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17)で数多くの賞を獲得した石橋静河が、ふたりの男たちの間を行き来する佐知子役を透明感あふれる演技で魅せる。
3人が過ごす何気ない日常を、かけがえのないきらめきと共に描いた本作。期待の若手俳優たちの瑞々しい演技は、見たことのない輝きで私たちを驚かせる。函館の街の匂い、夏の光をそのままに映し出した、今を生きる私たちのための青春映画。
寝ても覚めても
Asako I & II
■監督 濱口竜介
■原作 柴崎友香「寝ても覚めても」(河出書房新社刊)
■脚本 田中幸子/濱口竜介
■撮影 佐々木靖之
■編集 山崎梓
■音楽 tofubeats
■主題歌 tofubeats「RIVER」
■出演 東出昌大/唐田えりか/瀬戸康史/山下リオ/伊藤沙莉/渡辺大知(黒猫チェルシー)/仲本工事/田中美佐子
■第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品/キネマ旬報ベスト・テン第4位/ヨコハマ映画祭作品賞ほか主要6部門受賞
©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS
【2019年4月27日から5月3日まで上映】
愛してしまう、「あなた」を——
東京。サラリーマンの亮平は、会社にコーヒーを届けに来た朝子と出会う。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながらも惹かれていく朝子。ふたりは仲を深めていくが、朝子には亮平に告げられない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦に顔がそっくりだったのだ――。
人はなぜ人を愛するのか? 心をかき乱す、新しい恋愛映画
人は、人のどこを好きになるのだろう? 二人の同じ顔をした男と一人の女の物語を柴崎友香による恋愛小説「寝ても覚めても」を、『ハッピーアワー』(15)でロカルノ、ナントをはじめ数々の国際映画祭で主要賞を受賞した気鋭・濱口竜介が自ら映画化を熱望し、満を持して商業映画デビューを果たした。
主演は、同じ顔をしながら全くタイプの違う亮平と麦という一人二役に挑み、新境地を見せた東出昌大と、新星・唐田えりか。本作が本格演技デビューの唐田は、スクリーンの中で朝子と共に成長し、その瑞々しさで観客を魅了する。また、日本のエレクトロミュージックを若くして牽引するtofubeatsが映画音楽に初挑戦している。新しい才能が集結し生まれた本作は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、「日本映画の新しい波!」と海外メディアが絶賛した。
傷つけ、傷つきながらも、誰かを愛さずにはいられない。まっすぐな想いが引き起こす衝撃の展開に、観る者は共感、時に反感さえ覚えるだろう。心をかき乱され、恋愛観を揺さぶられる、ただならぬ「大人の恋愛映画」の傑作が誕生した。