2025.06.26
【スタッフコラム】わたしのランチ byもっさ

「いせ万」で歴史感じる「伊勢おうどん」
突然の猛暑に見舞われた6月。皆さま、暑さに負けてはいませんか? 私はいつもより早くクーラーを使用したためか、まんまと冷えに負けて胃腸を弱めておりました。ぐぬぬ。おなかの調子が優れないときにパっと思い浮かぶメニューはズバリ、うどん! そして、しばらく行ってないお店がスっと脳裏によぎりました。それが今回ご紹介するお店「いせ万」です。
「いせ万」は都内では珍しい、伊勢うどんのお店です。久しぶりに訪れたその日は、最高気温が34℃の真夏日で、お品書きで目にした“冷やし”の文字につられて「冷やし肉おろし」を注文。お出汁がおろしとよく合いとってもさっぱり! 暑い夏にぴったりです! うどんにはごはんが付いており、残った出汁にいれておじやにするのがいせ万流。冷やしメニューの時には、あらかじめ出汁のかかった小皿おじやが付いているので、締めにあったかおじやでホッと一息。さてと、食べ終わったころにメニューを見返してハッとしました。そういえば私、「いせ万」に来て伊勢うどんを食べたことなくない…?
伊勢うどんはその名の通り、三重県伊勢市を中心に食べられているご当地うどん。通常の2倍ほどの太くてもちっとやわらかい麺が特徴です。味付けはたまり醤油をベースにした色濃い出汁をかけ、薬味は刻みネギ程度なシンプルなものが定番です。伊勢うどんの起源は、はっきりと記録が残っていないらしいのですが、江戸時代以前から稲の裏作で麦を育てていた伊勢市の農民たちが麦を挽いてうどんを打ち、地味噌から取れた「たまり」をかけて食べていたのがルーツといわれています。江戸時代には伊勢神宮に参拝するため多くの人が訪れ、次第にうどんがお店で提供されるようになり、江戸中期には今のような形態になったようです。食べ応えがありながら、やわらかく消化の良いうどんは、栄養価も高いため、遠方から訪れる旅人や参拝者たちの疲れを癒し、エネルギー補給にぴったりの食事として地域の食文化に根付いてゆきました(諸々所説あり)。胃腸の弱った現代の私にもピッタリですね!
…ということで後日、初・伊勢うどんを食べに行ってきました。「いせ万」のお品書き風に言うと「伊勢おうどん」。丼に盛られたあつあつの麺が湯気をまとい、まるでつきたての餅のようで見るからにもっちもち! もち肌の麺にかかった濃ゆい出汁を絡ませれば、ガングロギャルもびっくりのこんがり日焼け姿に大変身。めちゃくちゃ塩辛そうなお色見ですが、見た目ほどではなく、ほどよい甘さもあり、麺の旨味も相まってとってもまろやかな味わい。うぅ~ん、癖になるぅ~。これはリピート確定です! そしてなんと、伊勢うどんは100年続く食文化として、文化庁から令和6年度「100年フード」に認定されたそうです! 今回初めて食べたのに、一気に深い歴史に足を踏み入れた気分です! かなりのニワカ伊勢うどんLOVERな私ですが、このおいしい食文化が続くことを祈って、これからもたくさん食べに行きたいと思います。「いせ万」は平日のお昼のみの営業ですが、まだ行ったことのない方はぜひ!
あぁ~、食べたくなってきました! 今日のランチはここで決まり!
(もっさ)