【スタッフコラム】しかまる。の暮らしメモ byしかまる。 | 早稲田松竹 official web site | 高田馬場の名画座

2025.08.28

【スタッフコラム】しかまる。の暮らしメモ byしかまる。

第38回「また君に恋してる」

ファッションフリークな私がSNSでフォローしているのは好きなブランドのアカウントだらけ。日々新しい服の情報が更新されていくなか、ふと“欲しかったけど買えなかった服”に思いを馳せる瞬間があります。

まるで片思いで終わってしまった恋のように、思い出すだけで胸がきゅっとするのは、かつて存在した「haco.(ハコ)」のお洋服たち。アパレルから雑貨、インテリアまで幅広く取り扱う大手通販会社のフェリシモが2004年5月に創刊したファッション通販カタログで、ターゲットは主にストリートカジュアル層の20代。カジュアルラインの「NUSY(ヌージー)」や、シンプルでエッジの効いた「9|1(キュウノイチ)」、フォークロアテイストの「lis khros(リスクロース)」など様々なテイストのブランドが集まっているのが魅力でした。

haco.が通販カタログにもかかわらず、コンビニや書店の雑誌コーナーに置かれるほど人気絶頂だった当時、私はまだアルバイトもしたことがない高校生でした。服を買えない代わりに、季刊で発行されていたカタログから好きなルックを切り貼りしてスクラップブックを作るほど、その世界観に夢中! 私の服好きの原点を形作ったと言っても過言ではありません。

さて、haco.のいくつかあるブランドの中でも特に切り抜きが多かったのは「spica(スピカ)」です。パステルを基調としたカラーパレットにファンタジーな柄。フリルにレース、ティアードやパフスリーブといったガーリー要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれたデザイン。それを着こなすモデル小松奈々ちゃんのキャスティングもお見事でした。一枚で主役級なスピカのスペシャルワンピースは毎シーズン、プリントもデザインも可愛くってメロメロ(深いため息)。しかし、いつかアルバイトして自分で買えるようになったら…という思いもむなしくブランドは終了。無念を抱えたまま大人になり、私はその時々の流行にながされながら何だかんだファッションを楽しんでいました。

そして、近年のY2Kブーム、平成レトロの人気も相まってスピカへの思いが再熱! フリマアプリという文明の利器(ほんとに便利な時代…感謝)を駆使し、スピカのお洋服たちを探す毎日。今度こそ拗らせてしまった恋を成就させようと思います!

(しかまる。)