怒り
(2016年 日本 142分 シネスコ)
2017年4月1日から4月7日まで上映
■監督・脚本 李相日
■原作 吉田修一「怒り」(中央公論新社刊)
■撮影 笠松則通
■編集 今井剛
■音楽 坂本龍一
■主題歌 坂本龍一 feat. 2CELLOS
■出演 渡辺謙/森山未來/松山ケンイチ/綾野剛/広瀬すず/佐久本宝/ピエール瀧/三浦貴大/高畑充希//原日出子/池脇千鶴/宮アあおい/妻夫木聡
■第40回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞(妻夫木聡)
©2016映画「怒り」製作委員会
ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。 窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、『怒』の血文字が残されていた。 犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。
事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた――。
人間の善悪に深く切り込んだ究極の人間ドラマ『悪人』から6年。原作:吉田修一×監督・脚本:李相日のタッグに音楽:坂本龍一が加わり挑む意欲作は、「怒り」。愛した人は、殺人犯なのか? 家族や友人、ときに愛する人でさえ、簡単に疑ってしまう不信の時代に、本作は“信じる”とは? という根源的な問いかけを、一つの殺人事件をきっかけに投げかける感動のヒューマンミステリーである。
「物語の登場人物には、映画『オーシャンズ11』のようなオールスターキャストを配してほしい。」映画化にあたり原作者・吉田修一からの要望の一つだった。これに応えるかのようにまさに夢のような7人の豪華俳優陣が集結した。主演は渡辺謙。米ハリウッドでの活躍はもちろんのこと、 昨年は「王様と私」でブロードウェイ・ミュージカルにも初挑戦し、世界から喝采を浴びる彼が本作では一転、千葉の漁村で娘と暮らすしがない父親を演じる。この他、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮アあおい、妻夫木聡といった人気・実力ともにトップクラスの俳優陣が魅せる迫真の演技は、重厚な人間ドラマを紡ぎ出す。
淵に立つ
(2016年 日本/フランス 119分 ビスタ)
2017年4月1日から4月7日まで上映
■監督・脚本・編集 深田晃司
■小説 深田晃司「淵に立つ」(ポプラ社刊)
■撮影 根岸憲一
■音楽 小野川浩幸
■主題歌 HARUHI
■出演 浅野忠信/筒井真理子/古舘寛治/太賀/三浦貴大/篠川桃音/真広佳奈
■第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞
©2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMAS
郊外で小さな工場を営む夫婦とその一人娘。ある日、夫の旧い知人で前科を持つ男がやって来て、奇妙な共同生活が始まるが、やがて、男は残酷な爪痕を残して姿を消す。それから8年。夫婦は皮肉なめぐり合わせにより、男の消息の手がかりをつかむ。だが救いのように見えたそれは、夫婦にとって互いの心の奥底を覗き込む行為に他ならなかった…。
『歓待』、『ほとりの朔子』、平田オリザの戯曲映画化『さようなら』など、一作ごとに人間ドラマに新たな地平を切り拓き、30代の若さで世界の映画シーンにその名を刻み続ける深田晃司の最新作『淵に立つ』。昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、初参加ながら見事審査員賞に輝いた。
怪しくも魅力的な佇まいで家族を翻弄する男を演じるのは『私の男』『岸辺の旅』やマーティン・スコセッシ監督『沈黙』などに出演し、国際的に活躍する浅野忠信。夫婦役には、古館寛治が寡黙さの内に覚悟を秘めた夫役で新境地を見せ、筒井真理子が妻の心身の変化を凄まじいまでの説得力で体現する。