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今週の早稲田松竹は、エッジの効いた題材で人間の本質をあぶり出す、強力な邦画2本立てをお届けします。

ヒットメーカー、湊かなえ原作の同名小説を映画化した『白ゆき姫殺人事件』は、
多くの人が日常的に使用しているツイッターを題材に取り入れたミステリー・サスペンス。

ある殺人事件の容疑者として浮上した、平凡な女性会社員・城野美姫。
ワイドショーのディレクターである赤星は、城野を知る人物を取材し、知り得た情報を次々にツイッターにアップ。
ツイッターは瞬く間に炎上して、番組は過熱報道に走り、
いつしか世間は憶測だけで「容疑者・城野美姫」をつくり上げていきます。

何気なく投稿したメッセージが引き金となり、何が嘘で何が真実かわからないまま、
インターネットやテレビの中で好き勝手に人物像がつくられていく様は、
まさに情報化社会の現代ならではの恐ろしさがあります。

『アヒルと鴨のコインロッカー』『ジェネラル・ルージュの凱旋』など、
ミステリー作品に定評のある中村義洋監督がメガホンを取り、 本作でもその手腕を発揮。
謎解きの面白さはもちろんのこと、私たちが日々受け取る情報との接し方も考えさせられる、一級のミステリーになっています。

そしてもう1本、刺激的な作品をご紹介。
「セックスがしたい」。ただそれだけを理由に、乱交パーティーに集まった男女の姿を赤裸々に描いた『愛の渦』です。

互いの目的はわかっているのにもかかわらず、合コンでも始まったかのように
「職業は?」「どこから来た?」など、当たり障りのない会話からスタートさせる面々。
しかし次第にタガがはずれてきた彼らは、その欲望をむき出しにしていきます。

作品の性質上、「裸」や「エロ」が強調される本作ですが、
「エロくは撮らなかった」という三浦大輔監督いわく、性描写は意外にポップ。
行為そのものよりも、容姿や体験人数などから相手を値踏みし、
徐々に上下関係が構築されていく様がリアルで引き込まれます。

原作は演劇界の芥川賞といわれる岸田國士戯曲賞に輝いた、三浦監督の同名作品。
映画版にのみ追加された主人公二人のラストのエピソードは、
痛くてたまらないのに不思議と爽やかさも感じさせられる、ほろ苦い後味になっています。

共にセンセーショナルな内容の2作品ですが、もちろんそれだけではありません。
特殊な状況を舞台に据えながら、そこに置かれた人間の姿をドラマとしてしっかりと描き出しています。ぜひご覧ください。

(かわうそ)


白ゆき姫殺人事件
(2014年 日本 126分 DCP ビスタ) pic 2014年9月13日から9月19日まで上映 ■監督 中村義洋
■原作 湊かなえ「白ゆき姫殺人事件」(集英社刊)
■脚本 林民夫
■撮影 小林元
■編集 川瀬功
■音楽 安川午朗

■出演 井上真央/綾野剛/菜々緒/金子ノブアキ/小野恵令奈/谷村美月/染谷将太/蓮佛美沙子/貫地谷しほり/生瀬勝久

■オフィシャルサイト http://shirayuki-movie.jp/

私は、私がわからない。

pic国定公園・しぐれ谷で誰もが認める美人OLが惨殺された。全身をめった刺しにされ、その後火をつけられた不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まる。彼女の名前は城野美姫。同期入社した被害者の三木典子とは対照的に地味で特徴のないOLだ。

ワイドショーの制作ディレクター・赤星雄治は、彼女の行動に疑問を抱き、その足取りを追いかける。取材を通じ、さまざまな噂を語り始める、美姫の同僚・同級生・家族・故郷の人々。「美姫には呪いの力がある」「これは綿密に練られた殺人計画なんです」「城野は黒魔女」──。テレビ報道は過熱し、ネットは炎上。噂が噂を呼び、口コミの恐怖は広がっていく…。

女同士の「噂」が暴走する――
一瞬も見逃せない
ノンストップ・ゴシップ・エンターテインメント!

pic原作は『告白』『北のカナリアたち』と映画化が相次ぐベストセラー作家・湊かなえによる傑作長編。映画『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』など複雑な物語を鮮やかに描く名手・中村義洋監督が、関係者の証言や匿名の人々によるTwitterの投稿、ワイドショーの報道などを次々と積み重ね、かつて観たことのない重層的で現代的なサスペンスを生み出した。

事件の鍵を握る重要人物として疑いのまなざしを向けられる主人公・城野美姫を演じるのは、『八日目の蝉』の井上真央。ワイドショーのディレクター・赤星雄治役には、映画・テレビと話題作への出演が相次ぐ綾野剛。その他、蓮佛美沙子、菜々緒、貫地谷しほり、金子ノブアキなど、いずれも人気と実力を兼ね備えた共演陣が、謎に満ちた物語を多彩に彩っている。

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愛の渦
(2014年 日本 123分 DCP R18+ ビスタ) pic 2014年9月13日から9月19日まで上映 ■監督・原作・脚本 三浦大輔
■製作 間宮登良松/藤本款
■撮影 早坂伸
■編集 堀善介
■音楽 海田庄吾

■出演 池松壮亮/門脇麦/滝藤賢一/中村映里子/新井浩文/三津谷葉子/駒木根隆介/赤澤セリ/柄本時生/信江勇/窪塚洋介/田中哲司

■オフィシャルサイト http://ai-no-uzu.com/

集まったのは性欲を満たしたいだけの男女。
向かう先は愛か、底なしの欲望か。

pic午前0時〜5時。料金は男:2万円、女:1千円、カップル5千円。豪華なマンションの一室に集まったのは、ニート、女子大生、フリーター、保育士など普段の生活では交わりそうもない、バラバラな風貌だ。ここは「セックスがしたくてたまらない人たちが集まる」店。

行為に及ぶまで、ぎこちないやりとりがあるが、一度してしまえば、欲望は気持ちいいほど剥き出しになっていく。 しかし同時に、「やりたい相手」と「やりたくない相手」、それにともなう駆け引きや嫉妬など、それぞれの本音も露わになっていく。そんな中、ニートは女子大生に特別な感情を持ち始め…。

ポツドールの代表作、衝撃の映画化!
着衣時間全編中たった18分半。
日本史上、最もハダカなドラマ!

pic人気劇作家であり演劇ユニット「ポツドール」主宰、商業映画監督デビュー作『ボーイズ・オン・ザ・ラン』でも高い評価を得た三浦大輔監督。自身の戯曲であり脚本も務めた映画『恋の渦』は、限定公開から異例のヒット&ロングラン。そんなマルチな才能をみせる三浦監督が次に選んだ本作は「ポツドール」の代表作である。性欲と、それにともなって付いてきてしまう感情に振り回される、人間の滑稽さや切なさ、そして剥き出しになる人間の本質をあぶりだし、第50回岸田國士戯曲賞を受賞した。今回は映像化に向け脚本を書き直し、舞台では描けなかった結末に新たな愛の渦が巻き起こる。

主演は、若手実力派俳優として頭角を現してきた池松壮亮。もう一人の主演は、三浦監督が存在感にほれ込み、抜擢した女優・門脇麦。着衣時間は123分中、18分半という過激な作品にも関わらず、その脚本の面白さに賛同して集まったのは、新井浩文、滝藤賢一、田中哲司、窪塚洋介ほか、実力と個性を兼ね備えた豪華な俳優たち。肉体も、精神も剥き出しの演技から目が離せない。

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