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今週は大人の、大人による、大人のための映画、
「おとなのけんか」「ヤング≒アダルト」の二本立てです。

良い歳をした大人たちにだって、
もちろんそれぞれに個性があり、問題も抱えています。
感情の激しい昂りが些細なことで溢れ出そうになるときだってあります。
しかし、そこはぐっとこらえてこそ立派な大人。
子供のように駄々をこねることはできません。

そんな大人の事情にメスをいれるのがこの2本。
冷静な会話で始まったはずなのに、
次第に本音と建前が入り乱れ、大バトルへと突入する「おとなのけんか」と
都会と田舎、過去と現在が対立し、
大きな亀裂を残してしまう「ヤング≒アダルト」に表れるのは、
私たちが本当は隠しておきたいかもしれない、リアルな大人の素顔。
「みんなの為に平和的にふるまっていたのに、もう知らない!」
赤裸々な本音が飛び出す我慢の限界まで、
内側の事情を次々と暴露していってしまうのです。

誰だって、内心では色々考えているもの。
それがふとした瞬間に表ざたになってしまったとき、
あまりの恥ずかしさと後悔をどうごまかせばよいのでしょう。
おそらく、これらの映画が私たちに笑いをもたらすのと同じように、
笑ってごまかすしかないのではないでしょうか。

大人の映画といっても、
高級志向で洗練された作品とはひと味もふた味も違う今週の2本。
むしろ、まともな大人らしくふるまおうと懸命になる私たちの見栄やハッタリを笑い飛ばし、
容赦なき大人の世界の舞台裏をのぞかせてくれることでしょう。

(ジャック)

ヤング≒アダルト
YOUNG ADULT
(2011年 アメリカ 94分 ビスタ/SRD) 2012年7月28日から8月3日まで上映
■監督 ジェイソン・ライトマン
■脚本 ディアブロ・コディ
■撮影 エリック・スティールバーグ
■音楽 ロルフ・ケント

■出演 シャーリーズ・セロン/パットン・オズワルト/パトリック・ウィルソン/エリザベス・リーサー/コレット・ウォルフ/ジル・アイケンベリー/リチャード・ベキンス

■オフィシャルサイト http://www.young-adult.jp/

あなたは、ワタシを、笑えない。

pic一人暮らしの狭い部屋で、目覚めるなりペットボトルのコーラをがぶ飲みする女、メイビス・ゲイリー。今日もここミネアポリスで、二日酔いの朝を迎えた37歳の彼女は、自称作家、実はゴーストライター。執筆中のヤングアダルト(少女向け)シリーズは人気が落ちて終了間近、新作の予定もない。バツイチの恋人ナシ、唯一の理解者は愛犬のポメラニアン、心の慰めはアルコールだ。

pic最終話の一行目から行き詰っていたある日、パソコンに見慣れぬメールが届く。開いてみるとそこには、生まれたばかりの赤ん坊の写真が。それはなんと、高校時代に付き合っていたバディと彼の妻ベスからの、子供の誕生パーティーの幸せいっぱいなお知らせだった。毎日に嫌気がさしていたメイビスは、それを見てあることを思いつく。そして突然荷物をまとめ、愛犬を連れて愛車に乗り込み、故郷へと出発した。そう、バディとヨリを戻して、輝かしい青春時代を取り戻すのだ――。

大人になれなくて何が悪い!
ハリウッド映画史上最もビッチでイタい女を、
最も美しいシャーリーズ・セロンが熱演!

pic世の中からはかなりズレているけれど、どこか憎めない主人公の予測不能な人生を描いてきた俊英ジェイソン・ライトマン監督。アカデミー賞に多数ノミネートされた『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』に続く最新作は、さらにパワーアップした規格外の主人公が登場。口当たりの良い物語をあえて捨てて、人間の真の幸せとは何かというテーマにさらに深く踏み込んだ。

大人になりきれないイタいアラフォー女・メイビスに扮したのは、ハリウッドを担うトップ女優、シャーリーズ・セロン。体当たりの演技で新境地を開拓し、世界中で賞賛の嵐を沸き起こした。“いつでもどこでも私がヒロイン”のメイビス。そんな彼女にも、現実と向き合わなければいけない時は来る。果たして、彼女がたどり着いた境地とは――?



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おとなのけんか
CARNAGE
(2011年 フランス/ドイツ/ポーランド 79分 シネスコ/SRD) 2012年7月28日から8月3日まで上映
■監督・脚本 ロマン・ポランスキー
■脚本・原作戯曲 ヤスミナ・レザ
■撮影 パヴェル・エデルマン
■音楽 アレクサンドル・デスプラ

■出演 ジョディ・フォスター/ケイト・ウィンスレット/クリストフ・ヴァルツ/ジョン・C・ライリー

■第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品/第49回ニューヨーク映画祭オープニング作品/第69回ゴールデン・グローブ賞女優賞ノミネート/第37回セザール賞脚色賞受賞

■オフィシャルサイト http://www.otonanokenka.jp/

顔で笑って、心に殺意。

picニューヨーク・ブルックリン。11歳の子供同士の喧嘩の後、和解のために集まった2組の夫婦。リベラルで知識層であるロングストリート夫妻と、弁護士と投資家ブローカーの裕福なカウアン夫妻。当初、話し合いはペネロペ特製のコブラー(ケーキの一種)を食べながら冷静かつ平和的に進んだ。しかし、子供を交えた次の話し合いのスケジュールを決める段階で、次第に4人の話はかみ合わなくなり、場の雰囲気は険悪なものに変わっていく。次第に強烈なテンションで不協和音を響かせ、お互いのわだかまりや本音がむき出しになる話し合いは、やがて、それぞれの夫婦間の問題までも明らかにしていく…。

演劇界のアカデミー賞に輝いた傑作舞台劇を、
巨匠ロマン・ポランスキー&豪華キャストで映画化!

pic子供の喧嘩に親が出る。笑い話のような設定から、おとなを酔わせる新たなコメディの傑作が誕生した。原作は、当代随一の人気劇作家ヤスミナ・レザの一幕劇。世界各地で上演され、演劇界のアカデミー賞にあたるオリヴィエ賞とトニー賞をダブルで受賞した話題作だ。その映画化に挑んだのは、前作『ゴーストライター』でも高い評価を得た巨匠ロマン・ポランスキー。舞台の魅力を丸ごと活かしたリアルタイム仕様の映画作りで、2組の夫婦がアパートの室内で繰り広げる白熱のバトルを臨場感満点に描き出した。

そんなポランスキー演出の下で鉄壁のアンサンブルを奏でるのは、『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター、『愛を読むひと』のケイト・ウィンスレット、『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツ、『シカゴ』のジョン・C・ライリー。いずれもアカデミー賞の受賞&ノミネート歴を誇る、4人の演技派スターだ。ポランスキーは彼らの結束を固めるため、約2週間にわたる集中的なリハーサルを敢行し、絶妙な掛け合いで魅せる極上のセリフドラマを生み出した。



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