シカゴ
(2002年 アメリカ 113分 ビスタ/SRD)
2010年9月11日から9月17日まで上映
■監督 ロブ・マーシャル
■原作 ボブ・フォッシー/フレッド・エッブ(ミュージカル『シカゴ』)
■撮影 ディオン・ビーブ
■美術 ジョン・マイヤー
■衣装 コリーン・アトウッド
■音楽 ジョン・カンダー(ミュージカル『シカゴ』)/ダニー・エルフマン
■アカデミー賞作品賞・助演女優賞・美術賞・衣装デザイン賞・音響賞・編集賞/ゴールデン・グローブ作品賞・男優賞・女優賞(全てコメディ・ミュージカル)/英国アカデミー賞助演女優賞・音響賞 ほか多数
1920年代、シカゴ。セックスとジャズと犯罪の匂いが漂う退廃的な街。日々、人々は刺激を求めていた。だからこの街では、犯罪すらも娯楽になり、新たな事件が起こるたびにスターが生まれていた。
スターを夢見るロキシー・ハートは、愛人を撃ち殺して監獄送りとなるが、そこで偶然にも憧れのスター、ヴェルマ・ケリーと出逢う。ヴェルマも自分の眼を盗み、不倫していた夫と妹を射殺した容疑で投獄されていたのだった。ロキシーは悪徳弁護士ビリー・フリンの入れ知恵で、マスコミを巧みに利用し獄中でヴェルマを凌ぐ人気を手に入れた。しかしヴェルマが黙ってそれを見過ごすわけもなく、2人の女と1人の男の名声を賭けた争いは、マスコミや法廷をも巻き込んでさらに激しくエスカレートしていく。
“ミュージカルの神様”ボブ・フォッシーが遺した最高傑作『シカゴ』は、時代を超えても色あせることのない<名声>をめぐる欲望と嫉妬、愛と裏切りの寓話である。この演劇史上に燦然と輝く名作が、ジャンルを革新する<ミュージカル・ドラマ>としてスクリーンに生まれ変わった。
『シカゴ』は、生身の肉体だけが生み出せる迫真のパフォーマンスで見るものを圧倒する。歌い踊るキャサリン・ゼタ=ジョーンズの迫力、感動的なバラードをキュートに歌い上げるレニー・ゼルウィガー、そしてリチャード・ギアの驚くべきタップダンス。3人によってスクリーンいっぱいに放たれるオーラは、真のスターの存在感を改めて感じさせ、ロブ・マーシャル監督の斬新な演出手腕により、さらに輝きを増し“悪の街”の人間ドラマを華麗に彩る。クライマックスのステージの熱狂と陶酔はあなたの全身をこれまでにない幸福感で満たすに違いない。
ナイン
(2009年 アメリカ 118分 シネスコ/SRD)
2010年9月11日から9月17日まで上映
■監督 ロブ・マーシャル
■原案 アーサー・コピット
■脚本 アンソニー・ミンゲラ/マイケル・トルキン
■撮影 ディオン・ビーブ
■美術 ジョン・マイヤー
■音楽 モーリー・イェストン/アンドレア・グエラ
■衣装デザイン コリーン・アトウッド
■振付 ジョン・デルーカ/ロブ・マーシャル
■出演 ダニエル・デイ=ルイス/マリオン・コティヤール/ペネロペ・クルス/ジュディ・デンチ/ケイト・ハドソン/ニコール・キッドマン/ソフィア・ローレン/ファーギー
スタジオの重い扉が開く。ひとり静かに入ってくる男、彼は天才映画監督、グイド・コンティーニ。彼は苦悩していた。新作の撮影開始が間近なのに、脚本が一行も書けていないのだ!
もがき苦しみながら彼が選んだ道は、自分の弱さを包み込んでくれる、愛する女たちのもとへ逃げ込むことだった。一番の理解者の良き妻。全てを忘れさせてくれる可愛い愛人。自分の映画に欠かせない美しき大女優。初めて「男」として目覚めさせてくれた海辺の娼婦。そして心から甘えさせてくれたママへの妄想。そこにいるのは愛を選びきれない一人の男と、そんな男でも愛さずにいられない女たち。――そしてクランクイン直前、グイドはある決断を下すのだった。
イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督による不朽の名作、『8 1/2』。この作品に半歩進んだ解釈と音楽とダンスを加え、9歳の少年に戻ったグイドを主人公に据えた作品が、トニー賞受賞の大ヒットブロードウェイミュージカル、“NINE”だ。その“NINE”初の映画化に挑んだのは、『シカゴ』でオスカーにノミネートされた監督ロブ・マーシャルとスタッフ陣、そして錚々たる俳優陣だ。
主人公のグイド・コンティーニ役はアカデミー賞に2度輝くダニエル・デイ=ルイス。魅力溢れる女たちをニコール・キッドマン、マリオン・コティヤール、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレンと並み居る歴代オスカーの名女優に加え、『あの頃ペニー・レインと』でオスカーにノミネートされたケイト・ハドソン、音楽界から圧倒的な実力と人気を兼ね備えるファーギーが演じる、絢爛豪華なキャスティングだ。そして、マーシャルと共に『シカゴ』『SAYURI』に従事した撮影監督のディオン・ビーブ、美術のジョン・マイヤー、衣装のコリーン・アトウッドなどが登板。さらに、2008年に他界した『イングリッシュ・ペイシェント』のアカデミー賞受賞監督アンソニー・ミンゲラが、生涯最後の作品として参加している。