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サム・ライミ

1959年アメリカ、ミシガン州生まれ。ミシガン大学で文学と人類学などを学んでいたが、『死霊のはらわた』製作のため中退。これが大ヒットとなり、一躍人気監督の道を歩む。

その後、89年の『ダークマン』がきっかけでユニバーサルの役員となり、同社作品の製作総指揮を手掛けるようになった。そして02年、アメコミ界のスーパーヒーローを映画化した『スパイダーマン』が世界中で空前の大ヒット。ハリウッドを代表するヒットメイカーの一人となった。数々の映画で監督・製作総指揮・脚本などを手掛け、時には俳優としても活躍。兄のアイヴァンは脚本家、弟のテッドは俳優である。

フィルモグラフィ

監督作品

・死霊のはらわた(1983)
・XYZマーダーズ(1985)
・死霊のはらわたU(1987)
・ダークマン(1999)
・キャプテン・スーパーマーケット(1993)
・クイック・アンド・デッド(1995)
・シンプル・プラン(1998)
・ラブ・オブ・ザ・ゲーム(1999)
ギフト(2000)
スパイダーマン1〜3(2002〜2007)
・スペル(2009)

ほか製作・製作総指揮・脚本・出演など多数。

クエンティン・タランティーノ

1963年テネシー州生まれ。少年期から脚本を書く。『レザボアドッグス』を自主制作しようとした際、ハーヴェイ・カイテルの目にとまり、彼の後押しで監督も兼ねて映画化。過激なバイオレンス描写が話題となる。

監督第二作『パルプ・フィクション』でカンヌ映画祭のパルムドール、アカデミー賞脚本賞を受賞。俳優業も好み、自分の映画に自ら出演することも多々ある。

熱烈な映画マニアとして知られ、特にB級映画や日本映画などへの愛は深い。映画知識を利用したオマージュやパロディ、延々と続く意味のない会話(近年では目立たない)や、派手な演出にファンが多い。親日家であり、ソフトバンクモバイルのCMに2回出演している(ちなみに、最初のCMのキャッチフレーズは「シャベリタランティーノ」だった)。

フィルモグラフィ

監督作品

・レザボアドッグス (1991)
・パルプ・フィクション (1994)
・フォー・ルームス (1995)
・ジャッキー・ブラウン (1997)
キル・ビル (2003)
キル・ビル Vol.2 (2004)
・シン・シティ (2005)
グラインドハウス (2007)
デス・プルーフ in グラインドハウス (2007)
イングロリアス・バスターズ (2009)

ほか脚本・原案・制作・製作総指揮・出演作多数。

抱腹絶叫!『スペル』×タランティーノ大爆発!『イングロリアス・バスターズ』正直言って…神がかってます!

容姿だけでお腹いっぱい、迫力満点の“怨霊”的おばあちゃんと普通のOLが壮絶なバトルを繰り広げる『スペル』は、新感覚のショック・エンターテインメント。「怖いの苦手だわ」というそこのあなた、これは監督サム・ライミ曰く「シンプルな道徳的寓話」なんです。自分のキャリアのためにちょっと他人に冷たくしただけで、超常現象的な不幸に襲われてしまう主人公。欲深くあることの罪深さが教訓として感じ取れます。でも何故か、熱すぎるバトルシーンには笑いが堪え切れません。可哀そうすぎる主人公には申し訳ないけれど…“抱腹絶叫!”できるホラーなんです。

もう1本の『イングロリアス・バスターズ』は、監督タランティーノ自ら「最高傑作!」と大絶賛の、まさに集大成的作品です。いや、集大成なんていう言葉では足りない…これはもう、タランティーノ大爆発!随所に見受けられる他作品へのオマージュも、熱血映画マニアのタランティーノならでは。もちろん、彼らしいパワフルなバイオレンスもたっぷり。愉快で殺伐とした世界観に磨きがかかっています。スーパースター、ブラッド・ピットとの夢のタッグも実現した本作は、タランティーノ史上最高の興行成績を収めました。

うーん!なんだか凄まじい2本立てですね。いいんです、早稲田松竹ですから。

ちなみに、映画マニアのタランティーノは最新作も抜け目なくチェック、2009年のお気に入り映画ランキングを発表しました。そして彼が3位に選んだのは…そう、『スペル』です。超一流でありながら、A級からZ級までありとあらゆる映画を愛し、枠に囚われない活躍を続けている2人。この2本立て、もしかすると必然の組み合わせなのかも知れません。

早稲田松竹がおすすめする2つの熱いバトル…「奇才VS鬼才」そして…「怪演VS怪演」!

さて、この2本立てのすごいところは「奇才VS鬼才」の豪華競演だけに留まりません。皆さまに是非注目して頂きたいのが、「怪演VS怪演」の熱いバトルです。

ガーナッシュ先攻は『スペル』代表、老婆ガーナッシュ。銀行でローンの延長を断られたとたん豹変!みるみるうちにこの世のものとは思えない形相に様変わり。誰にでもわかりやすい“おぞましさ”たるや…こんなのに襲われたらひとたまりもありません!しかし同時に、彼女の逞しいファイトは爆笑を誘い、メディアでもたちまち話題に。

この強烈な老婆ガーナッシュを演じたのは、ローナ・レイヴァー。舞台やテレビで長いキャリアを築いてきたベテランです。彼女はオーディションを受けてこの役を勝ち取り、ハンガリー訛りや特殊メイクで徹底的に役作り。「ローナは素晴らしい!彼女は持てるものをすべて注ぎ込んでくれた」とサム・ライミも絶賛。目を離したい、でも離せない!全身全霊をかけて襲い掛かる怪婆は夢の中まで追いかけてきそう!

ランダ大佐そして後攻は『イングロリアス・バスターズ』代表。豪華キャスト演じるクセ者揃いの役柄の中でもひと際異彩を放つナチス軍人、ランダ大佐です。演じるのはこちらも大ベテラン、30年のキャリアを持つクリストフ・ヴァルツ。物語の重要人物であり、知的で冷酷なランダ大佐のキャスティングは最も難航したようで、誰もが頭を悩ませていたとか。そんな時現れたヴァルツに出会った途端、「見つけた!」とタランティーノも即決したそうです。

そしてここからが凄い。バスターズ旋風が巻き起こると同時に、クリストフ・ヴァルツも世界中を釘づけにしていきます。カンヌ映画祭をはじめとする数々の賞で助演男優賞に輝き、ついにはアカデミー賞初ノミネートにして初受賞!授賞式のスピーチでは「私は新しい大陸を見つけたいと思っていた」と語ったヴァルツさん。いやあ、我々もクリストフ・ヴァルツという新しい大陸に出会ってしまった気分です…。おめでとうございます!



スペル
DRAG ME TO HELL
(2009年 アメリカ 99分 シネスコ・SRD) 2010年3月20日から3月26日まで上映 ■監督・脚本 サム・ライミ
■脚本 アイヴァン・ライミ
■撮影 ピーター・デミング
■音楽 クリストファー・ヤング

■出演 アリソン・ローマン/ジャスティン・ロング/ローナ・レイヴァー/ディリープ・ラオ/デヴィッド・ペイマー/アドリアナ・バラーザ

Q:これはホラーですか?A:ホラーを超越した何かです。

マニアックなホラーから始まり、今やハリウッドを代表するヒットメイカー、サム・ライミ。彼が次に仕掛けたのは、ジェットコースターのごとく超スピードで観客に襲いかかるショック・エンターテインメント。“シンプルな寓話”的オーソドックスなストーリーに、新感覚の“体感する”ショック。そして笑いを誘うほど激しいバトル。これは確かにホラーだ。だが、ホラーと一言では片付けたくない。“ホラーを超越した何か”が、めくるめく狂気と共に我々を翻弄する。

絶賛!悲鳴!爆笑!熱狂!映画史上最恐の3日間が始まる…!

pic銀行で働くOL・クリスティンのある日のお客さんは、ガーナッシュと名乗る一人の老婆。クリスティンは自分の出世を意識し、彼女のローン延長願いをきっぱりと断る。すると老婆の態度が豹変。激怒し、クリスティンに飛びかかろうとしたところを警備員に取り押さえられる。

その夜、仕事後のクリスティンを待ちうけていたのはあの老婆。敵意むき出しに襲いかかる老婆はクリスティンのコートのボタンを引きちぎり、何か呪文のようなものを口にした。「次はお前さ、私に請いに来るんだ」。そう言い残し、老婆は消えていった。

pic老婆の言葉通り、クリスティンの身の回りでは次々と不可解なことが起き始める。呪文のせいだと周囲に相談しても、誰もまともにとりあってはくれない。老婆に謝罪しようと思いなおし、クリスティンが老婆の家を訪ねると、なんと老婆の葬儀の真っ最中だった…!

熱いバトルの行方やいかに?頑張れクリスティン!

pic監督と制作者たちは、まずクリスティンという肉体を酷使する役を演じ切れる、勇気ある主演女優を探し始めた。起用されたのは、『ホワイト・オランダー』『ビッグ・フィッシュ』などで注目を集めるアリソン・ローマン。「アリソンが登場したとたん、観客は彼女に好感を持つ。クリスティンの暗い道のりを観客が一緒に降りていくためには、このキャラクターに共感してもらう必要があった。アリソンならそれが自然にできる」とサム・ライミ。些細な出来事からとんでもない怪婆に襲われまくる不幸な彼女に、あなたもきっと共感するに違いない。文字通り体当たりで挑んだ過酷なバトルに乞うご期待!


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イングロリアス・バスターズ
INGLOURIOUS BASTERDS
(2009年 アメリカ 152分 シネスコ・SRD R-15+ 2010年3月20日から3月26日まで上映 ■監督・脚本 クエンティン・タランティーノ
■製作 ローレンス・ベンダー
■撮影 ロバート・リチャードソン
■ナレーション サミュエル・L・ジャクソン(クレジットなし)

■出演 ブラッド・ピット/マイク・マイヤーズ(ゲスト出演)/ダイアン・クルーガー/クリストフ・ヴァルツ/メラニー・ロラン/ミヒャエル・ファスベンダー/イーライ・ロス/ダニエル・ブリュール/ティル・シュヴァイガー/B・J・ノヴァク/サム・レヴァイン/ポール・ラスト/ギデオン・ブルクハルト/オマー・ドゥーム/マイケル・バコール/アウグスト・ディール/ジャッキー・イド(ゲスト出演)/マルティン・ヴトゲ(ゲスト出演)/シルヴェスター・グロート(ゲスト出演)/ジュリー・ドレフュス(ゲスト出演)

■2009年カンヌ国際映画祭男優賞受賞・パルムドールノミネート/2009年全米批評家協会賞助演男優賞受賞/2009年NY批評家協会賞助演男優賞受賞/2009年ゴールデン・グローブ助演男優賞賞受賞/アカデミー賞最優秀助演男優賞
(以上助演男優賞は全てクリストフ・ヴァルツ)

Q:これはタランティーノですか?A:これはタランティーノです。

溢れ出る狂気、爆発する感情、緊迫した駆け引き、滲み出る哀愁。スリリングで驚愕痛快、バイオレンスに溢れ、ポップにして、かつディテールまで完璧。全てが猛スピードで絡み合い、展開していくこのリズム。暴走!と思いきや、見終われば鳩尾にストンと落ちる気持ちの良さ。そうだ、これぞタランティーノ。圧倒的な面白さで観客を興奮の渦に引きずり込む、タランティーノ史上最高の映画が襲来した。

その昔、ナチ占領下フランスで…「任務はたったひとつ。ナチを殺る!」

pic第二次世界大戦期、ナチスが唯一恐れる敵がいた。「ナチを100人殺せ!頭の皮を剥いで来い!」…最強で極悪のアメリカ軍特殊部隊、その名も「名誉無き野郎ども」=“イングロリアス・バスターズ”。ナチスと聞けば容赦しない、血気盛んな彼らが次に狙うのは、ある映画館で開催されるドイツ軍プロパガンダ映画のプレミア上映会だ。ヒトラーを含む高官たちが勢揃いするその夜こそ、ナチス根絶を叶える絶好の機会なのである。

pic一方、舞台となる映画館の女館主シュシャナも、ナチスへの復讐を企てていた。ユダヤ人である彼女は、家族を殺したナチスを恨んでいたのだ。もちろんナチスの側も黙ってはいない。泣く子も黙る冷血軍人、通称“ユダヤ・ハンター”であるランダ大佐は、抜け目なく不穏分子の存在を察知。勝利するのは一体誰か?運命のプレミアが幕を開ける!

ブラピ×タランティーノ 映画界の常識をブチ壊す禁断の初タッグ!

picバスターズのリーダー、アルド中尉を演じたブラッド・ピットは、脚本を読んだ瞬間「これはめったに出会えるシロモノじゃない!」と思ったという。ぶっちギレていて、ふてぶてしく、かつチャーミングなカリスマ野郎をサラリと熱演。他にも出てくる出てくる、世界中から集結した実力者揃いの名俳優・女優たち。あなたも知ってるあんな人こんな人、思わず息を飲むほどの豪華キャストがズラリ!ハリウッド映画では珍しく登場人物がそれぞれの母国語を話す設定で、より一層の臨場感が生まれたのも見どころ。

(ザジ)


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