ブラッド・ワーク
BLOOD WORK
(2002年 アメリカ 110分)
2005年5月28日から6月3日まで上映
■監督 クリント・イーストウッド
■原作 マイクル・コナリー
■脚本 ブライアン・ヘルゲランド(『ミスティック・リバー』)
■出演 クリント・イーストウッド/ジェフ・ダニエルズ/ワンダ・デ・ジーザス/アンジェリカ・ヒューストン
監督デビュー作『恐怖のメロディ』でヒッチコックもびっくりのサスペンスを体現してみせたイーストウッドが、30周年記念作品として選んだ本作もまたサスペンスだった。
原作は、犯罪記者出身の推理小説家マイクル・コナリー著『わが心臓の痛み』。脳死問題というすぐれて現代的な話題を盛りこんだこの作品は、全米で110万部の大ベストセラーとなった。
この傑作サスペンスを脚色したのが、『L.A.コンフィデンシャル』『ミスティック・リバー』のブライアン・ヘルゲランド。緻密なロジックを提示しながらも、人間の情感に訴えるその脚本には定評がある。
撮影監督に本作がデビュー作となるトム・スターンを迎え、ここに、一癖も二癖もあるイーストウッド組が集合した。
脳死状態で発見された二つの死体。
犯人は巷を騒がすコード・キラー。
被害者の姉の言葉。
あなたの心臓は妹のもの・・・
現場に残された犯人からのメッセージ。
次第に明らかになる卑劣な罠。
「心臓だけなら生かしてやる!」
恐怖と絶望の渦の中に巻き込まれていくFBI犯罪心理分析官。
この仕事とは縁を切ったはずだった・・・
ますます円熟味を増したクリント・イーストウッドみずから、主演・監督・製作でおくる、違いの分かる大人のためのサスペンス。
(ben)
ミスティック・リバー
MYSTIC RIVER
(2003年 アメリカ 138分 )
2005年5月28日から6月3日まで上映
■監督・製作・音楽 クリント・イーストウッド
■脚本 ブライアン・ヘルゲランド(『マイ・ボディガード』『L.A.コンフィデンシャル』)
■原作 デニス・ルヘイン
■出演 ショーン・ペン/ティム・ロビンス/ケヴィン・ベーコン/ローレンス・フィッシュバーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローラ・リニー/エミー・ロッサム
■2003年アカデミー主演男優賞(ショーン・ペン)受賞・助演男優賞(ティム・ロビンス)受賞・作品賞ほか4部門ノミネート/2003年全米批評家協会賞監督賞受賞/2003年カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート
(C)2003 Warner Bros.Ent.All Rights Reserved/2003 Village Roadshow Films(BVI)Limited3人の幼なじみの少年たちが子供時代に体験した忌まわしい誘拐事件。それがすべての始まりだった。
ジミー(ショーン・ペン)、デイブ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケヴィン・ベーコン)は、ボストンのダウンタウンに近い、イーストバッキンガムで暮らしていた。同じブルーカラー地区でありながら、ショーンは岬の一戸建てに住み、ジミーとデイブは集合住宅地に住んでいた。11歳のある日、いつものように路上で遊んでいた彼らに、不審な車が近づいてくる。警官のように見えた2人組の男は、3人の中からデイブだけを車に乗せ、連れ去った。残されたジミーとショーンは、それをただ見つめることしかできなかった。
デイブが戻ってきたのはそれから4日後のこと。誘拐され、監禁された4日間。そのあいだにデイブの身に何が起こったのかは、誰もがわかっていた。その時、彼らの少年時代は終わりを告げた。
25年後、大人になった3人は、悲惨な殺人事件を通して再び出会うことになる。1人は娘を殺された父親として、1人は刑事として、そしてもう1人は、容疑者として──。
原作は、デニス・ルヘインの同名小説。自らも俳優であり、この作品の監督でもあるクリント・イーストウッドは、最初に読んだ瞬間に映画化を決意したという。
路上で、ボールを飲み込んでしまう排水溝の穴。名前をいたずら書きした工事中のコンクリート。少年時代の友情と、子供にしか許されない無邪気さ。忌まわしい略奪の記憶。すべてを心の奥深くにしずめ、大人になった少年たち。映像の中にある、細かい断片が意味を持つ。主演は、いずれも劣らぬ実力派3人が、競演。
言葉では語られることのない人間の感情がそこにある。
(ロバ)