マイ・ボディガード
MAN ON FIRE
(2004年 アメリカ 146分 )
2005年5月7日から5月13日まで上映
■監督・製作 トニー・スコット
■原作 A・J・クィネル『燃える男』
■脚本 ブライアン・ヘルゲランド
■出演 デンゼル・ワシントン/ダコタ・ファニング(『アイ・アム・サム』 『コール』)/クリストファー・ウォーケン/ラダ・ミッチェル/マーク・アンソニー/ミッキー・ローク
(C)日本ヘラルド映画人は、たったひとつだけの生きる意味があれば強くなれるものだと思う。しかし逆に、それを奪われてしまった人はどうなってしまうのだろうか。それがこの映画の見どころのひとつでもある。
世界第三位の誘拐発生率という不名誉な記録を持つメキシコシティ。この色彩豊かで美しく、かつ過激な闇の世界と隣り合わせの、この都市を舞台に事件は起こっていく。
ジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)は米軍の下で、対テロ活動という名目の暗殺を16年間も繰り返していた。その結果、生きる意味を見失い、人を愛する事も出来ない、心を閉ざした人間になってしまった。
そんな彼を絶望の淵から救い出したのはたった9歳の小さな少女、ピタ(ダコタ・ファニング)。誘拐事件の多発するメキシコシティでは、裕福な家ではボディガードを雇わないと学校にも通わせられない。そんな中クリーシーに白羽の矢が立ち、ピタのボディガードとして雇われることとなったのだ。
しかし生きる希望を持てないクリーシーにとっては子供の学校の送り迎えという仕事になんて、なんの情熱も持てない。そんなクリーシーの孤独で哀しい心をピタは見抜いていた。「彼はクマに似ている。大きくて悲しげで」と。そしてそんなピタとの交流の中で、半ば死んでしまっていたクリーシーの心はもう一度生き返ることができたのだが、その直後、ピタが誘拐されてしまう…。
それから犯人達への復讐劇が始まって行くのだが、この復讐、ハンパでない。だけど、クリーシーにはピタが全てである。自分の希望の全てをいきなりもぎ取られたら誰だって発狂しそうになると思う。自分の身の危険を顧みず立ち向かっていくクリーシーの姿は、強くて、切ない。
(cotd)
オールド・ボーイ
OLD BOY
(2003年 韓国 120分 )
2005年5月7日から5月13日まで上映
■監督・脚本 パク・チャヌク(『JSA』)
■原作 土屋ガロン(狩撫麻礼)(作)/嶺岸伸明(画)『オールド・ボーイ』(双葉社・アクションコミックス刊)
■脚本 ワン・ジュユン/イム・ジュンヒュン
■出演 チェ・ミンシク(『シュリ』)/ユ・ジテ/カン・ヘジョン/チ・デハン/キム・ビョンオク
■2004年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞・パルムドールノミネート
(C)2003 SHOW EASTある日ある時ある場所で、あなたがうっかり見知らぬ男のつま先を踏んだとする。それをあなたが忘れるころ、つま先を踏まれた男はあなたへの復讐を開始する。つま先を踏んだ・踏まれたという「事実」が、やがて恨む者と恨まれる者の「関係」へと姿を変えていくとしたら。
本作で描かれる「事実」は'つま先'どころではない。恨みへのもっとも有効な処方箋は、ただ復讐の遂行。復讐が終わる時、忘れていたその「事実」が、怪物としてあなたを襲う。
【なぜ、俺は15年監禁されたのか?】
妻子と幸せに暮らす平凡なサラリーマンだったオ・デス(チェ・ミンスク)は、1988年のある日、気が付くと6畳ほどの監禁部屋に閉じ込められていた。誰の仕業か?ここはどこか?どうやってここに?なにより、「なぜ俺でなくてはならないのか?」・・・わけもわからず、ただ日々が過ぎていく。それから15年後の2003年、自分をこの過酷な状況に陥れた者への復讐心とともに、オ・デスはある日突然、解放される。
【俺を15年監禁したお前は、一体誰だ?】
15年ぶりに解放されたオ・デスは、妻殺しの犯人としてお尋ね者になっていた。身に覚えはない。金もない。帰る家もなくなっていた。15年前に持っていたはずの全てを失ったオ・デスの手にあるのは、見知らぬ浮浪者から渡された携帯電話だけ。携帯電話が鳴り、電話の声がささやく。「俺が "誰か"より"なぜか"が重要だ。今までの人生を全て復習しろ」。オ・デスはミド(カン・ヘジョン)という女の手助けを得て、復讐へ動き出す。
【まず誰か?なぜか?解き明かせ。期限は5日】
オ・デスを陥れた犯人が自ら姿を見せる。長身の謎の男(ユ・ジテ)。男はオ・デスに「死のゲーム」を持ちかける。「15年間お前を見守ってきた。5日以内に監禁の謎が解けたら自分が死ぬ。解けなければお前とミドを殺す。やってみろ。」…オ・デスに選択権はない。
【「なぜ監禁したのか」じゃなく「なぜ解放したのか」だ】
オ・デスは謎の〈結論〉に向かって突っ走っていく。もはや復讐だけが生きる証となったオ・デスにとって、怖れるものはなにもない。オ・デスは謎の男に操られているのか、それとも…。謎の男が用意した「監禁の本当の理由」と「ゲームに仕掛けられた罠」はオ・デスの想像を遥かに超えたものだった。
※本作をご覧になるお客様は、映画の結末を口外しないでください。秘密を漏らすと15年間監禁される事があります。
(ben)