I am Sam アイ・アム・サム
I AM SAM
(2001年 アメリカ 133分)
2004年10月16日から10月22日まで上映
■監督・脚本 ジェシー・ネルソン
■脚本 クリスティン・ジョンソン
■出演 ショーン・ペン/ミシェル・ファイファー/ダコタ・ファニング/ダイアン・ウィースト/ローラ・ダーン
■2001年アカデミー賞主演男優賞ノミネート/2001年放送批評家協会賞若手俳優賞受賞(ダコタ・ファニング)
(C)2003 Warner Bros,Ent知的障害者の父親、サム(ショーン・ペン)と愛娘ルーシー(ダコタ・ファニング)。母親はルーシーを生むとすぐに姿を消してしまったが、外出恐怖症でピアノを弾くのが得意な隣人アニーや、サムと同じく障害を持ちながらもいつも陽気なイフティやロバートなど、二人は理解ある人々に囲まれて幸せに暮らしていた。
そんなサムとルーシーの生活にも転機が訪れる。ルーシーが七歳になる頃、ルーシーの担任からの連絡によってサムの家庭にやって来たソーシャル・ワーカーによって二人は引き離されてしまう。そしてサムは週にたった二回だけの面接を許されることとなった。
最愛の娘との幸福な日々を奪われたサムはルーシーを取り戻す決意を固め、やり手の弁護士リタ(ミシェル・ファイファー)の事務所を訪ねる。さえない身なりで話し方もたどたどしいサムに冷たくあしらうリタだったが、やがてサムの純粋さに心打たれ一緒に裁判で戦う決意をする…。
親子とは何か、本当の幸せとは何かを教えてくれる純粋な愛の物語。主演のショーン・ペン始め、弁護士役には『ストーリー・オブ・ラブ』のミシェル・ファイファー、そして娘のルーシー役には、類まれなる演技力と愛らしさで全米の新人賞を総なめにしたダコタ・ファニングと、優れた俳優陣によって非常に爽やかに仕上がっている。
ビートルズ好きのサムが生まれたばかりの赤ちゃんの名前を看護婦から聞かれて「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ…。ルーシー・ダイヤモンド・ドーソン」と答えてしまうなど、あちこちにモチーフとしてビートルズが登場している点にも注目。
(sott)
21グラム
21 GRAMS
(2003年 アメリカ 124分 )
2004年10月16日から10月22日まで上映
■監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
■脚本 ギジェルモ・アリアガ
■出演 ショーン・ペン/ベニチオ・デル・トロ/ナオミ・ワッツ/シャルロット・ゲンズブール
■2003年ヴェネチア国際映画祭男優賞(ショーン・ペン)受賞/2003年アカデミー賞主演女優賞(ナオミ・ワッツ)・助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)各ノミネート/2003年LA批評家協会賞女優賞(ナオミ・ワッツ)受賞ほか
(C)ギャガ・コミュニケーションズニューメキシコ。かつてドラッグに溺れていたクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)は過去を断ち切り、建築家の夫と幼い2人の娘に囲まれ幸せな家庭に暮らしている。大学教授のポール(ショーン・ペン)は、余命1ヶ月と宣告され、心臓移植を待ちわびている。前科者のジャック(ベニチオ・デル・トロ)は、貧しいながらも真面目に働き、妻とふたりの子供を養っている。出所してからは信仰に没頭し、くじで当てたトラックも神からの授かり物と信じているほどだ。
出会うはずのない3人の運命。しかし、それはある事故をきっかけに交錯し始め、思いもよらぬ結末へと導かれていく…。
人が死ぬとき、21gだけ軽くなるという。それは愛の重さか、魂の重さか?一つの心臓を介して絡み合う3つの人生を、時間軸を交差させながら展開していく衝撃作。
監督は、デビュー作の『アモーレス・ペロス』が2000年カンヌ映画祭でいきなりグランプリに輝いた、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。手持ちカメラで撮影した臨場感あふれる映像は物語に迫力を与え、衝撃のラストへと一気に加速する。
しかし一番見ごたえのあるのは、役者たちの演技だろう。ショーン・ペンやベニチオ・デル・トロといった、言わずと知れた芸達者の面々はもちろんのこと、二人の間ではかすんで見えるかと思われたナオミ・ワッツが、素晴らしい。その絶望の痛々しさに、心を揺さぶられずに見ていられる人は少ないだろう。主演三人ともがアカデミー賞にノミネートされた迫真の演技は、まるでドキュメンタリーでも見ているようなリアリティーすら感じられる(*ショーン・ペンは『ミスティック・リバー』でのノミネート)。"Life goes on(それでも人生は続いていく)"という言葉の重さを、ぜひ感じてほしい。
(mana)