永遠のハバナ
SUITE HABANA
(2003年 キューバ/スペイン 84分)
2005年11月26日から12月2日まで上映 ■監督・脚本 フェルナンド・ペレス
■撮影 ラウル・ペレス・ウレタ
■音楽 エデシオ・アレハンドロ / エルネスト・シスネロス

■オフィシャルサイト http://www.action-inc.co.jp/suitehabana/

(C)Action

ハバナの夜が明ける。モロ要塞の灯台の明かりが消え、街と人が動き出す。障害を持つ子供。街角でピーナッツを売る老女。家族を残しアメリカに向かう男。ダンサーを夢見る青年。

picこれは、キューバの首都ハバナに住む、無名の人々の24時間を映し出した、ドキュメンタリーだ。

いつも気になっている。飴やピーナッツを売る老人たちの生活、彼らの希望や絶望、夜になるとスーツと楽器のケースを持って出かける隣人の、夢は何だろうか?ハバナの人口の大半を占める人々(政治家や悪者やミュージシャン、観光業者ではない人たち)の日常を撮ること。あるプロデューサーからの打診に、ハバナの街を歩きながら監督のフェルナンド・ペレスがだした企画書は、わずかな文字でこう綴られていた。

picハバナの1日、朝6時から次の日の朝6時までの人々の日常生活を撮ること、セリフやインタビューは使わず、音と映像だけでつくること。脚本はなし。

シンプルな作品である。だからこそ、人々の"日常"を感じとることができる。ひとりひとりの人間が、緻密であり、「大衆の中の誰か」という存在より先の「個人」を映し出している。それぞれの真実、色んな生き方があっていいのだと思わせてくれる。そんな映画だ。

(ロバ)


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モーターサイクル・ダイアリーズ
THE MOTORCYCLE DIARIES
(2003年 イギリス/アメリカ 127分)
pic 2005年11月26日から12月2日まで上映 ■監督 ウォルター・サレス(『セントラル・ステーション』
■原作 エルネスト・チェ・ゲバラ『モーターサイクル南米旅行日記』/アルベルト・グラナード
■脚本 ホセ・リベーラ
■音楽 グスターボ・サンタオラヤ
■製作総指揮 ロバート・レッドフォード

■出演 ガエル・ガルシア・ベルナル(『アモーレス・ペロス』『天国の口、終りの楽園』)/ ロドリゴ・デ・ラ・セルナ / ミア・マエストロ

■2004年アカデミー賞歌曲賞受賞
■オフィシャルサイト http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries/index.shtml

(C)角川ヘラルド・ピクチャーズ

1952年、当時23歳の医学生だったエルネストは7歳年上の陽気な先輩アルベルトと共に、中古のおんぼろバイク“ポデローサ号”に乗って南米大陸横断の旅に出た。

pic長く険しい道のりの中、ポデローサ号が頻繁に彼らを振り落としたり、故障を起こしたりするせいで旅はなかなか進まない。それでも彼らは目の前に広がる荒野を眺めながら夢を語り合うのだった。しかし、ある日牛の群れに突っ込んでしまいバイクがひどい損傷を受けた。修理工に相談すると、修理は不可能ということだった。

ヒッチハイクで旅を続ける2人の瞳に、バイクの上とは違うラテン・アメリカの厳しい現実が映り始めていく…。

pic「…ここにあるメモを記した人物は、再びアルゼンチンの大地を踏んだとき死んでしまった。これらのメモを整理し、きれいに整える「僕」とは、僕のことではない。少なくとも内面は、前と同じ僕ではない。この『果てしなく広いアメリカ』をあてどなくさまよう旅は、思った以上に僕を変えてしまった」

この旅は当時23歳だったエルネストを変えた。本名をエルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。のちに“20世紀で最も美しい革命家”といわれる人物だ。

picキューバには今でも「CHE VIVE」=チェは生きている、という看板やラクガキが後を絶たないそうです。衰えることのない彼の人気はキューバだけでなく、ラテン・アメリカ全土に今も続いています。

永遠のヒーロー、チェ・ゲバラの、無鉄砲だけど情熱的な、宝石のようにきらめく青春の日々を是非ご覧ください。

(nico)



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