ビッグ・フィッシュ
BIG FISH
(2003年 アメリカ 125分)
2004年11月6日から11月12日まで上映
■監督 ティム・バートン
■原作 ダニエル・ウォレス
■脚本 ジョン・オーガスト
■出演 ユアン・マクレガー/アルバート・フィニ―/ジェシカ・ラング/ビリー・クラダップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アリソン・ローマン/マリオン・コディヤール/スティーヴ・ブシェミ/ダニー・デヴィート
★本編はカラーです(C)ギャガ・コミュニケーションズ
死期が迫った父が、改めて息子に語り聞かせる自分の人生の回想。それは信じられないほどワクワクする話やファンタジックな話だった。巨人と共に故郷を出て、サーカスで働き、そこで出会った憧れの女性と結ばれる。そして戦争へ行きひとつの町を買い上げる。
何度も聞かされた父の話は、どこまで本当なのだろうか?病床でも相変わらずホラ話を繰り返す父と、父の本当の姿を知りたいと願う息子の溝はなかなか埋まらない…。
お伽話のように奇想天外な人生を振り返る父と、その息子の絆を描いた心温まるファンタジードラマ。ダニエル・ウォレスの著書『ビッグフィッシュ 父と息子の物語』を、『シザーハンズ』『スリーピーホロウ』などのティム・バートン監督が映画化。これまでも類い稀な創造力で独自の世界を見せてくれたティム・バートンの最高傑作が誕生した。
若き日のエドワードに『トレインスポッティング』のユアン・マクレガ―。晩年のエドワードは『エリン・ブロコビッチ』のアルバート・フィニ―が演じる。
音楽は『シカゴ』や『スパイダーマン』『スパイダーマン2』などの超大作を手がけたダニー・エルフマンが担当している。既存のナンバーについては、パール・ジャムのテーマ曲『Man of Hour』がエンディングでたっぷりフィーチャーされている。ヴォーカルのエディ・ヴェダ―が映画にインスパイアされて作曲しただけに、この作品に対する真摯でスピリチュアルな気持ちが素直にでて、見事な名曲になっている。
(cotd)
ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
NUOVO CINEMA PARADISO
(1989年 イタリア/フランス 175分)
2004年11月6日から11月12日まで上映
■監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
■音楽 エンニオ・モリコーネ/アンドレア・モリコーネ
■出演 フィリップ・ノワレ/ジャック・ペラン/サルヴァトーレ・カシオ/マルコ・レオナルディ/アニェーゼ・ナーノ/プペラ・マッジオ/レオポルド・トリエステ
★本編はカラーです
(C)アスミック・エースシチリア島のとある村で、唯一の娯楽は映画館だった。トトと呼ばれていた少年サルヴァトーレは、その映画館「パラダイス座」が大好きで、親の目を盗んではここに通いつめる。
やがてトトは映写技師のアルフレードを父のように慕い、アルフレードもまた、トトを息子のように可愛がる。しかし、少年はいずれ思春期を迎え、青年となり、村を出てゆく。彼が再び村に戻るとき、それはアルフレードの訃報を聞いたときだった…。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督がすべての映画好きに捧げる、実に温かく、映画への愛がつまった作品。
『ニュー・シネマ・パラダイス』は日本での初公開時、124分の作品(当館での投票の際は、こちらを「オリジナル版」と表記させていただきました。)として劇場公開され、過去に当館で何度か上映したのもこちら。
しかし今回は、51分・約60カットの未公開シーンを加えた完全版を上映。トトのアルフレードとの思い出を軸に、郷愁を感じさせる124分版に比べ、完全版の方はおもに、トトの恋愛に重点を置いた仕上がりになっている。
さらに両作品のもっとも異なるところは、壮年のトトが島に戻ってからの登場人物とエピソード。完全版ではここが丹念に描かれており、全体的にも細部こだわっている。若干説明的ではあるが、監督の意向をより感じることができるのはこちらの方だろう。
両作品にはそれぞれの良さがあるので、『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画を観たことがない方はもちろん、124分版を観た方も、もし完全版を見ていないのならば、ぜひこちらもご覧になってはいかがだろうか。両作品を観比べてみるのもおもしろいと思う。
(FCT)