座頭市
ZATOICHI
(2003年 日本 115分 )
2004年4月10日から4月23日まで上映
■監督・脚本・編集 北野武
■原作 子母沢寛
■衣装監修 山本耀司
■出演 ビートたけし/浅野忠信/大楠道代/夏川結衣/橘大五郎/大家田祐子/ガダルカナル・タカ/岸部一徳/石倉三郎
■2003年ヴェネチア国際映画祭監督賞受賞ほか
(C)松竹北野武監督作品、早稲田松竹初登場である。
ベネチア映画祭監督賞を受賞し、帰国後の会見で、ベルリン映画祭の「熊」のぬいぐるみを見せて、「まちがえた」と言っていた北野監督。もう、ひとつ先のベルリンを狙っているのだろうか??
前作『DOLLS』にて、モノトーンカラーの山本耀司の隠れたカラー、赤と黒を表に引き出した。そして、『座頭市』でもレッドに対してのこだわりは鮮烈な血となって「市」の刀を染めた。キタノ・ブルーからキタノ・レッドに変わったのか…
勝新版オリジナルとの違いがどうのこうのは、もう語り尽くされた感がある。とにかく、実に簡素なストーリー《黒澤明の『用心棒』を彷彿とさせる》、動きが見えないほどの刀さばきと立ち回り、コントにタップ、映像もスピード感のある、あらゆる面で新しい『座頭市』を楽しんでいただきたい。
(WING)
キル・ビル
KILL BILL: VOL.1
(2003年 アメリカ 113分 )
2004年4月10日から4月23日まで上映
■監督・脚本・キャラクター原案 クエンティン・タランティーノ
■出演 ユマ・サーマン/デヴィッド・キャラダイン/ダリル・ハンナ/ルーシー・リュー/千葉真一/栗山千明/マイケル・マドセン
■2004年MTVムービー・アワード女優賞・格闘シーン賞(ユマ・サーマン)・悪役賞(栗山千秋/ルーシー・リュー)受賞ほか
(C)ギャガ・コミュニケーションズジャッキー・ブラウン以来の待ちに待った作品。当初は二部作ではなかったが、製作過程で長時間の作品となり他ならぬ、タランティーノならではということで、配給会社は二部作になることを了承した。『Vol.2』がこのゴールデン・ウィークに公開される。
これほど日本映画を愛してくれる外国人映画作家はいないのではないだろうか。
タランティーノ監督の自宅には、35mmの映写機を備えた劇場があるという。その中のライブラリーには深作欽二監督の作品が数多くあり、『KILL BILL』 の中のオマージュ的なシーンの連続に納得出来る。
ファンにとってはたまらないシーンが全篇に散りばめられており、昨年公開時に「深作欽二監督にささげる」というファーストタイトルが評判となり、ブルース・リー、梶芽衣子などに再びスポットが当てられたこと、「ヤッチマイナー」の『チャリエン』の一人、ルーシー・リュー、一番光っていた栗山千明、とにかく遊び心満載の、タランティーノ・ファンのための、よりタランティーノ色の強い作品である。
そしてあえて言わせていただくなら、タランティーノがどんな監督であるかというの知識を持って、この作品をご覧になったほうが、数倍楽しめるであろう。
(WING)