【2024/3/30(土)~4/5(金)】『ゴーストワールド』『スーパーバッド』// 特別レイトショー『クラム』

ハワイ

今からちょうど10年前の今頃、通っていた高校を卒業しました。クラスメイトのほとんどがしっかりと進路を決めている中、仲良しだった5人組のうち4人が進路未定。私もその中の1人でした。そんな路頭に迷っていた当時のことは今でも鮮明に思い出せます。『ゴーストワールド』も『スーパーバッド』も、まさしくモラトリアムな期間を過ごす冴えない人たちの物語です。

ナードとは。
アメリカの学園カーストでよく聞く概念。日本では「陰キャ」などと呼ばれるでしょうか。コミュ力低いくん、オタクくん、運動音痴くん…など、総じてクラスの隅っこにいるタイプの人です。
『ゴーストワールド』のイーニドとレベッカは、クラスメイトを小馬鹿にしては「自分は彼らとは違う」と思っちゃうはみ出し者。
『スーパーバッド』のセスとエヴァンは、パーティーに誘われたことがない、彼女なんて程遠い存在の非モテくんです。私は間違いなくこのタイプの人種だったし、イーニドやセスたちを見ていると、暗くて痛々しい学生時代の自分を見ているようで泣けてきます…。(みなさんはどうですか?)

10年経った今、あの時の2人は結婚し、他の2人も恋に仕事に忙しいようです。私はというと、今でもあの時の冴えない自分とあまり変わっていません。私と同じ仲間だったはずのイーニドやセスたちはどうなったのだろう?それは彼らにしかわかりませんが、私はいつも自問自答するばかりです。
「大人になるってなんだろう?」
そんなことをいくつになっても考えてしまうのです。

大人になれないいい大人のみなさん、つまらない大人になってしまったと思っているみなさん、そして、冴えない少年少女諸君。かつてナードだった、そして現在進行形でナードの人たちへ贈る、かけがえのない青春映画特集です。イケてなくてもダサくても、「なにか?」の精神で生きていきましょう。

スーパーバッド
Superbad

グレッグ・モットーラ監督作品/2007年/アメリカ/113分/Blu-ray/ビスタ

■監督 グレッグ・モットーラ
■製作 ジャド・アパトー/ショーナ・ロバートソン
■脚本・製作総指揮  セス・ローゲン/エヴァン・ゴールドバーグ
■撮影 ラス・オルソブルック
■編集 ウィリアム・ケアー
■音楽 ライル・ワークマン

■出演 ジョナ・ヒル/マイケル・セラ/クリストファー・ミンツ=プラッセ/ビル・ヘイダー/セス・ローゲン/マーサ・マックアイサック/エマ・ストーン
 
【2024/3/30(土)~4/5(金)上映】

『40歳の童貞男』の製作陣が贈る、おバカで切ない 究極の青春ストーリー!

オタク仲間のセス、エバンとフォーゲルは、女の子と初体験をすることで頭がいっぱいな高校生。見るからにサエない彼らが、同級生の女の子からパーティーに誘われた!が、「来るときにお酒を持ってきて」と。ふたつ返事で大見得を切ったものの、高校生の彼らにとって実はそれは超難題。しかし、童貞卒業の絶好のチャンスと思い込んだ3人は、お酒をゲットするためにあらゆる行動に出る!!

高校卒業を間近に控えたサエない男子3人組が、女子との初体験のために大奮闘(大暴走)する青春コメディ。全米で初登場1位となり、公開4週目で興行収入1億ドルを超えるヒットを記録した2000年代アメリカ映画を代表する一作だ。

製作を手掛けたのは、『俺たちニュースキャスター』『40歳の童貞男』『はじまりのうた』『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方 』、TVシリーズ「GIRLS/ガールズ」「LOVE ラブ」など、数々のヒット作を製作してきたジャド・アパトー。監督は『宇宙人ポール』のグレッグ・モットーラが務めた。

主人公三人を演じるのは、セス役を『マネーボール』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョナ・ヒル、エヴァン役を『JUNO/ジュノ』『バービー』のマイケル・セラ、フォーゲル役を『キック・アス』シリーズのクリストファー・ミンツ=プラッセ。ジョナ・ヒルとともに「アパトー・ギャング」(ジャド・アパトー作品常連の俳優・クリエイターたち)の一員であるセス・ローゲンが警官役で出演している。さらに『ラ・ラ・ランド』『哀れなるものたち』で今やトップの人気俳優となったエマ・ストーンの映画デビュー作としても必見!

ゴーストワールド
Ghost World

テリー・ツワイゴフ監督作品/2001年/アメリカ/111分/DCP/PG12/ビスタ

■監督・脚本 テリー・ツワイゴフ
■原作コミック・共同脚本 ダニエル・クロウズ「ゴーストワールド」(プレスポップ刊)
■製作 ジョン・マルコヴィッチ
■撮影 アフォンソ・ビアト
■衣装 メアリー・ゾフレス
■音楽 デイヴィッド・キティ

■出演 ソーラ・バーチ/スカーレット・ヨハンソン/スティーヴ・ブシェミ/ブラッド・レンフロ/ボブ・バラバン/イリアナ・ダグラス

■2002年アカデミー賞脚色賞ノミネート/ゴールデングローブ主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)・助演男優賞ノミネート/全米批評家協会賞作品賞助演男優賞受賞/NY批評家協会賞助演男優賞受賞ほか

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【2024/3/30(土)~4/5(金)上映】

バカなクラスメイト、つまらない大人たち――死んだ町をぶらぶら彷徨い歩く ふたりの少女の分かれ道

1990年代、アメリカ都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニドとレベッカは、高校卒業後も進路を決めず、町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。ある日、二人はモテないレコードマニアの中年男・シーモアに出会う。ダサくても自分の世界を持っているシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の“理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカ。同居生活を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ…。

ゼロ年代を熱狂させた伝説的傑作! すべての〈はみ出し者〉に贈る、かけがえのない青春ブラックコメディ

2001年、当時は新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した『ゴーストワールド』は、70年代のカルト・コミック「フリッツ・ザ・キャット」原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(94)などドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフによる初の長編フィクション。原作は、アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベル。原作者であるダニエル・クロウズはツワイゴフ監督と共同で脚本を執筆、2002年のアカデミー脚色賞をはじめとして多くの賞にノミネートされるなど高く評価された。

主演は『アメリカン・ビューティー』での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、『ロスト・イン・トランスレーション』で脚光を浴び、近年は『アベンジャーズ』シリーズにも出演するなど、いまやハリウッドを代表するスター俳優として躍進を遂げたスカーレット・ヨハンソン。撮影当時、バーチは17歳、ヨハンソンは15歳。すぐに意気投合したという二人の等身大の瑞々しい演技をおさめた貴重なフィルムでもある。そのほか、『レザボア・ドッグズ』や『ファーゴ』など特異な存在感を放つ実力派バイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、『ゴールデンボーイ』や『BULLY ブリー』などの作品で知られ、2008年に急逝したブラッド・レンフロが参加している。

オフビートで個性的なキャラクターたち、名言が散りばめられた脚本、そのほか50種以上のコーディネートを披露する二人のファッションや、ヴィンテージの名曲を集めた多彩なサウンドトラックなど、今もなお色褪せない魅力に満ちた傑作が、今またスクリーンに蘇る!

【レイトショー】クラム
【Late Show】Crumb

テリー・ツワイゴフ監督作品/1994年/アメリカ/120分/DCP/PG12/スタンダード

■監督 テリー・ツワイゴフ
■撮影 マリーズ・アルベルティ
■編集 ヴィクター・リヴィングストン
■音楽 デイヴィッド・ボーディングハウス

■出演 ロバート・クラム/チャールズ・クラム/マクソン・クラム/アリーン・コミンスキー

■1996年ニューヨーク批評家協会賞ドキュメンタリー賞受賞/ロサンゼルス批評家協会賞ドキュメンタリー賞受賞/サンダンス映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞/放送映画批評家協会賞ドキュメンタリー賞受賞

©1994 Crumb PartnersⅠALL RIGHTS RESERVED

 
【2024/3/30(土)~4/5(金)上映】

むき出しの現実は、残酷だ。

ロバート・クラムはアメリカのアンダーグラウンド・コミックを代表する漫画家、イラストレーターである。カウンターカルチャーを象徴するキャラクター「フリッツ・ザ・キャット」、「ミスター・ナチュラル」を生みだし、またジャニス・ジョプリンのアルバム「チープ・スリル」のジャケットを手掛けるなど、60年代後半のアメリカにあって一躍脚光を浴びる存在となった。

本作は、過激で辛辣、ときに性的なオブセッションをあらわにしたコミックを描き続けたクラムにカメラを向けたドキュメンタリーである。戦前のブルースへの偏愛、ともに精神を病んでいる兄チャールズ・弟マクソンからの影響、LSDの使用、女性に対する過度な恐怖心と特異な性的嗜好など、そのコミックに劣らず異例ずくめの人物像と彼を生み出した家庭環境、自由の国アメリカのダークサイドが映し出される。

強烈なトラウマを抱え、破壊的風刺を描き続ける漫画家ロバート・クラムと家族の赤裸々なドキュメント

監督は、クラムとともにストリングス・バンド「チープ・スーツ・セレネーダーズ」で活動し、のちにアメリカの人気コミック作家ダニエル・クロウズ原作の『ゴーストワールド』(2001)を撮ったテリー・ツワイゴフ。1995年にはサンダンス映画祭グランプリ(ドキュメンタリー部門)、全米監督協会賞等数々の映画賞を受賞。また、アメリカの映画批評サイト〈ロッテントマト〉では95%、オンラインデータベース〈IMDb〉でもスコア8.0と高い評価を得ている。日本では1996年以来、約25年ぶりに公開された。

本作「クラム」にある正気と狂気を行き来する滑稽な淀みは、善と悪が瞬時に色分けされる世界を生きる私たちに、別の地平を示唆してくれるに違いない。