夢見る子供が好きなもの。
冒険、宇宙、友だち、笑うこと、出会うこと、知らない世界を見つけること、
そしてつまりは、好きなものが全部詰まったステキな映画たち!
皆さんにもきっと、思い出の一本があることだろう。
そしてそれが、スティーブン・スピルバーグ作品だという方も。
そう彼こそは、夢見る子供のザ・レジェンド。
『未知との遭遇 特別編』は、スピルバーグが初めて手がけた劇場版SF映画にして、
映画史に名を刻む大傑作である。
製作から30年を経た今でも、その魅力は色褪せることを知らない。
そればかりか、彼が描く夢のスケールはどこまでも果てしなく、
驚きと期待に満ちたファースト・コンタクトの瞬間は、はち切れんばかりの興奮で我々を包み込む。
『宇宙人ポール』脚本&主演のニック・フロスト&サイモン・ペッグも、
きっとスピルバーグの映画に夢見た子供時代を過ごしたはず。
愛情たっぷりに散りばめられた傑作SF映画へのオマージュや、
大好きでたまらん!というストレートな表現には、なんとも抗いがたいピュアな魅力がある。
爆笑必至のギャグこそ少々過激だが、心は目を輝かせた子供そのものだ。
最近地球の映画館では、地球がいくつあっても足りないような大戦争が繰り広げられている。
そんな大惨事バトル系SFが増えてきたのも時代の流れだろうが、
なんだか少し物足りない、と思っているのは私だけではないだろう。
今週の2本には、なんといっても人間の温もりがある。
新たなる世界を友好的に迎えようとする、希望に満ちた眼差しがある。
誰もがきっと、目を輝かせずにはいられない、この興奮、この冒険、この夢!
今週は早稲田松竹で、夢いっぱいの<未知との遭遇>、してみませんか。
未知との遭遇 特別編
CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND: THE SPECIAL EDITION
(1980年 アメリカ 132分)
2012年4月28日から5月4日まで上映
■監督・脚本 スティーブン・スピルバーグ
■製作 ジュリア・フィリップス/マイケル・フィリップス
■撮影 ビルモス・ジグモンド
■視覚効果 ダグラス・トランブル
■音楽 ジョン・ウィリアムス
■出演 リチャード・ドレイファス/フランソワ・トリュフォー/テリー・ガー/メリンダ・ディロン/ケイリー・グッフィ/ボブ・バラバン
★製作から長い年月が経っているため、全編にわたりプリントが退色いたしております(全体的に赤みがかっております)。また、お見苦しい箇所・お聞き苦しい箇所がございます。ご了承の上、ご鑑賞いただきますようお願いいたします。
★本編はカラーです。
メキシコのソノラ砂漠に第2次大戦時に消息を絶った戦闘機が3機、全機ともまったくの新品のままで忽然と姿を現した。その頃、インディアナ州一帯に原因不明の停電事故が発生する。電気技師のロイ・ニアリーは夜中に電話で呼び出され、真っ暗闇のハイウェイを走っていく。その時、轟音とともに強烈な光に襲われ、突然の静寂の後、巨大なUFOがゆっくり飛び去っていくのをロイは見た。同じ町に住むバリーという少年は、夜中目を覚ますと、強烈なオレンジの光に誘われ、暗闇に向かって走り出していった。母親のジリアンは後を追う。そこでロイとジリアンたちは出会うのだった。
その日以来、ロイは奇妙なイメージに取りつかれる。頭の中は異様な形をした山のことばかり。そしてそれはバリーたちも同じだった。山はいったいなんなのか。ロイはなにげなく目を止めたテレビニュースを見て呆然とする。画面には彼が夢想し続けたあの奇妙な山が映っていたからだ。その山は毒ガスのため警戒網の敷かれたワイオミングのデビルズ・タワーだった。そう、これこそがUFO、つまり異星人との接触が予定されていた地点なのだ。ロイたちはワイオミングへ向かい、厳戒態勢の包囲網をどうにかして振り払い、山へ登る。そこで彼らが見たものとは…。
フェニックスの高校生だった16歳の頃、空中に現れる不思議な光を探求する科学者を主人公にした「火の光」という8ミリ映画を製作したスティーブン・スピルバーグ。彼は少年の時から、UFOに強い関心を抱いていた。世界中でヒットしたパニック映画『ジョーズ』の後、彼が世に送り出したのは、異星人とのコミュニケーションを描いた誰も観たことの無いSF映画だった。『未知との遭遇』について、プロデューサーのジュリアン・フィリップスはこう語る。「この映画は、単にUFOと、UFO問題に関する映画ではありません。これは、スティーブンのフィーリングなのです。宇宙には何かがいる。そのことに関して、そろそろ教えてもらってもいい頃ではないでしょうか。」
『ジョーズ』に続く出演となるリチャード・ドレイファスが主演を務めているほか、フランス人科学者クロード・ラコーム役を、ヌーヴェルヴァーグを代表する監督であるフランソワ・トリュフォーが演じている。SF嫌いとして有名なトリュフォーの出演は周りを驚かせた。なお、今回上映する「特別編」は、77年のオリジナル版公開の後、スピルバーグ自身の申し出で再編集、ラストシーンを追加し80年に公開されたものである。
宇宙人ポール
PAUL
(2010年 アメリカ 104分)
2012年4月28日から5月4日まで上映
■監督 グレッグ・モットーラ
■脚本 サイモン・ペッグ/ニック・フロスト
■撮影 ローレンス・シャー
■音楽 デヴィッド・アーノルド
■出演 サイモン・ペッグ/ニック・フロスト/ジェイソン・ベイトマン/クリステン・ウィグ/ブライス・ダナー/ジョン・キャロル・リンチ/ジェーン・リンチ/シガニー・ウィーヴァー/セス・ローゲン(声の出演)
アメリカのコミケ、通称“コミコン”に参加するため、イギリスからはるばるやって来たグレアムとクライヴ。しかしSFオタクのふたりにはもうひとつ目的があった。それは長年の夢だったアメリカ西部のUFOスポット巡り。大きなキャンピングカーに乗り込んでいざ出発! …したまではよかったが、猛スピードで追い越してきた車が突然クラッシュ。駆け寄ったふたりが遭遇したのは――なんと正真正銘の宇宙人だった!
“ポール”と名乗るこの宇宙人、実は60年前に地球へやって来て、その後アメリカ政府によって秘密施設に拘束され、やっとのことで逃げ出して来たのだ。「故郷に帰る手助けをして欲しい!」 長年の地球生活ですっかりアメリカナイズされた陽気なポールに、神秘的な宇宙人像をイメージしていたクライヴとグレアムはちょっぴり幻滅しつつ、彼を故郷の星に返すことを約束。謎の組織の猛追をかわし、美女とロマンスに落ちたりしながらも目的地へ急ぐ彼らの間に芽生える強い絆。今までダメダメ人生を送ってきたふたりの休暇は、いつしか人類史上類を見ない世紀の大冒険へと変わっていく――!
エドガー・ライト監督と組んだ『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』で世界中を笑撃の渦に巻き込み、今やタランティーノ、ピーター・ジャクソンら名だたる巨匠にリスペクトされるサイモン・ペッグとニック・フロスト。本国イギリスでは絶大な人気を誇るこの“迷コンビ”が、主演&脚本を兼ねた最新作『宇宙人ポール』がついに日本に上陸した!
ポールの声に『グリーン・ホーネット』のセス・ローゲンが扮する他、「サタデー・ナイト・ライブ」のクリスティン・ウィグ、『マイレージ・マイライフ』のジェイソン・ベイトマンらが共演。イギリスVSアメリカのコメディ界のスターが結集している。さらにはシガーニー・ウィーヴァーが衝撃の怪演も見逃せない。 また、本作のもうひとつの魅力は劇中に散りばめられているSF映画へのオマージュ。『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『E.T.』など、SF好きがニンマリするタイトルが満載で、なんとスピルバーグ本人まで登場! 誰もが爆笑&感動し、映画マニアが狂喜乱舞するSFコメディの傑作。星も人種も宗教も飛び越えた友情の物語が今、始まる!